シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

幻滅

 

先日も書いたけど、愛車の日産マーチ(K12/MT)を処分して1月ほど経った。中古のクソ安い車を処分しただけ、そう思っていたんだけど自分でも驚くほどの虚無感に襲われる。あんな誰も見向きもしない安っぽい車でも僕なりに色んな思いが詰まっていて、自覚している以上に心の拠り所になっていたのかもしれない。

先日会社の山友と買い物に行く事になり車に乗せてもらったんだけど、いかついおっさん+いかつい車の割にはやけに安全運転だった。意外に思って尋ねると、ここ最近乗せてもらった誰もが荒い運転をする人ばかりで、急発進、急停止、急ハンドルで酔いそうだったと。反面教師で自分の運転を見直そう、という事らしい。

世の中の大半の人はそうなのかもしれない。スムーズに運転しようとか、上手く操ろうとか、そういう意識を持っているドライバーには滅多に会わない。乱暴な操作をしてもとりあえず走ってしまうから、荒っぽい操作をしているという自覚も持てないんだろう。

誰かの運転する車に乗せてもらうと、粗がすぐに分かる。幹線道路で流れに乗って走っているだけでもアクセルコントロールがヘタだと微妙な加減速を繰り返すし、加速、減速もスムーズさに欠け、コーナーリングも多角形的になる。逆に上手い人の運転は何も気にならない。全ての操作がスムーズだから何も気にならなくて、意識して注意しないとそれが繊細な操作で成り立っている事に気付かない。荒っぽい運転は挙動が激しいだけで速くはない。そんな荒い操作をすれば、すぐに破綻してしまう。

僕は上手くなりたかったんだ。意のままにコントロールしたかったんだ。僕より上手い人はゴマンと居るだろうし、僕よりヘタな人もゴマンと居るだろう。だけど、それでも僕は上手くなる為の努力をしなきゃいけないと思ってる。自分で考えて、自分で操る為の努力を。最早そんな事など深く考えなくても良い時代になったとしても、だ。自分で考える事を放棄しちゃいけない。だけどそんな意識を持っている人は僕の周りには居ない。

車を運転する事は、MTの車を運転する事は、そこまで大げさな事じゃない。でも、僕にとっては結構大きな問題だったんだと今更ながらに思う。マーチは手放すべきじゃなかった。かといって家族の誰も運転出来ない車を維持し続けるのも困難だ。理屈では分かってるんだけど、だからこそやるせない。

車を運転する度に幻滅する。思ってたより深刻だ。

 

 

養老山(小倉山ともみじ峠) 養老公園から

 

 

※コースタイムや状況、使用道具類の情報は、今後の私的なデータベースとする物で一般的には信頼性に欠けるものです。状況や感想も主観的です。参考にされる場合は充分に注意して下さい。

 

2018年10月31日(水)曇り時々小雨
養老公園から養老山(小倉山まで)に登る

 

08:10 養老公園駐車場

10:00 旧牧場跡

11:45 小倉山

14:05 養老公園駐車場

 

駐車場発〜駐車場着 12.9km 5時間55分(休憩含む)
駐車場標高:104m 最高点:841m 標高差:737m 累積標高登り:1029m
道中の飲料水 0.3L(お茶0.3L)
着衣(上) 長袖シャツ ウインドブレーカー カッパ ソフトシェル(未着用)
着衣(下) 化繊のズボン(薄手) カッパ
靴 adidas TERREX SWIFT R Go
他 グローブ 帽子

 

最近登山を始めた会社の山友(おっさん)同行の第2弾。どういう訳か平日仕事休んでおっさんと山登り。午後から用事が有るので早く帰りたいというワガママに合わせて近場の低山で練習登山。

 

 

アクセス

養老公園を目指して下さい。

 

ルート

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今回のルート。山旅ロガーでログを取り、カシミールで表示させています。

養老公園を起点とする一般的なルート。登りは林道を歩き旧牧場を経由してもみじ峠へ。尾根沿いに小倉山まで進み、三方山経由で下山する。

地図詳細とGPSのデータファイルはこちらを参照下さい。

カシミールから地形図を印刷する手順はこちら

 

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平日の朝8時の駐車場は誰も居ない。有料なので朝誰も居なくても帰りに代金を払う事になる。公園駐車場は1回300円。滝の上の駐車場は平日500円、休日1000円だったと思う。滝の上の駐車場からだと登山口はすぐ。公園駐車場からだと登山口まで結構歩く事になる。登山口までのルートがなかなか難解。分からなかったらとりあえず養老の滝まで進み、折り返す様な形で進むと行ける。

 

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登りは林道。地味な林道歩きでも登山初心者には新鮮らしい。

 

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2時間ほど歩いて旧牧場跡。のんびりペース。でももう腹減った。お昼のおにぎり2個食ってしまう。

 

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もみじ峠から笙ヶ岳方面へ。この谷が結構お気に入りで、丁度紅葉の時期だし足を延ばしてみた。

 

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もみじ峠から引き返して尾根沿いに小倉山方面に進む。時折眺望も良くて良いルートなんだけど、雨が降り出した。天気予報晴れやったやん(>_<)

 

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小倉山直下。雨も上がり気味でなんとか眺望が得られた。低山だけど割と楽しい。

 

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三方山経由して一般的な登山道で下って渡渉。

 

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養老公園駐車場方面から登るなら、この柵を抜けて行くとロスが無い。以前はこんな柵無かった。うっかりスルーして養老の滝まで行ってしまった。久しぶりに歩いたけど相変わらず登山口までが分かり難い。

 

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麓の茶屋で五平餅と養老サイダーを頂く。養老サイダーは限定の復刻版が有ったのでそれにしてみた。

 

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なんと、懐かしい占い機が有った。うわーすげー懐かしいなぁ。これが分かるのはやっぱおっさんだよな。

 

 

 ルート

特筆する事は有りません。しいて言うなら公園駐車場から登山口までが初めてだと分かり難い。朝だと周囲に誰も居ないし。気温を測り忘れた。これからの時期は低山でも防寒対策を。手袋や耳当てなども有った方が良い。

 

感想

ここ最近仕事が慌ただしくて、そんな合間を縫って友人と山行って来た。元々は違う山を検討していたんだけど、早めに帰りたいという事で近くの養老山に変更。それでも意外に距離歩いてるし累積標高もそこそこ有った。友人は途中で膝が痛みだした。体重のせいらしいけど、体重が落ちるか身体が慣れるまで負荷を掛け過ぎない方が良いんじゃないかと思った。

同行者とべらべらおしゃべりしながら歩いているとかなり注意散漫になる。今回の様なハイキングコースレベルなら良いけど、注意を払わなければいけない様なシチュエーションでは気を付けたい。

ハイキングレベルではあるけど、それはそれでまた楽しくも有る。本人も楽しそうだったし。雪が降ったらソロでがっつり歩けば良いかなと思う。

 

ATはつまらない

 

 

日産マーチを処分して代わりに新しい車を購入して3週間ほど。新しい車は奥さんがほぼ毎日通勤に使っているので、僕はもっぱら今まで奥さんが乗っていた軽自動車(三菱アイ)に乗ってる。

軽自動車はとかくバカにされがちだけど、1人または2人で乗る分にはターボエンジンじゃなくても動力的には特に不便は感じない。加速が若干鈍いだけで、幹線道路の流れをリードする事くらいは容易い。だから別に軽自動車でも僕は構わないと思ってる。ただ唯一、MTじゃないのが苦痛というか、運転していても全く面白くない。久しぶりに思い出した。マーチに乗る前は全て我が家のメインカーはATだった。運転を楽しもうという気には到底なれなかった。

ATの利点はクラッチ操作を必要としない事、だからシフトチェンジの時にアクセルペダルを戻す必要が無いという事。だから例えばエンジンが一番調子良い回転数が5千回転だとすると、絶えず5千回転を狙っていれさえすればいい。だけど一見簡単そうに見えて、ATの場合はシフトチェンジのタイミングを的確に自分で決める事が出来ないからなかなか難しいし、意図しないタイミングで変速したりして気持ち良くない。ATは変速ギヤが無いCVTの方が相性が良いのかもしれない。今度我が家のメインカーになったのはフォードのフィエスタだ。フィエスタはDCT(デュアルクラッチ)だから、DCTを自分で変速するのが一番効率が良さそうだけど残念ながらフィエスタのマニュアルシフトは操作しにくい。ドライバー自らが変速する事はあまり重視されていない。操作し難い以前にこのフォードのエコブーストエンジンは物凄く出来が良くて、1.0Lとは思えないトルクを発揮するからトルクバンドを狙って変速をする必要を感じない。つまり頑張って走ろうとした時も自動変速で何ら不満を感じない。そう考えると、MTは出来が悪いアンダーパワーの車の方がメリットが有る様に思える。

 フォード・フィエスタは日本ではほぼ無名に等しい不人気ぶりだけど、欧州ではかなり評価が高い車だ。自動車関係のインプレッションを見ても、総じて評価は高い。実際、車としての性能は非常に高い。ただ、運転する面白さだけで言えばマーチのMTの方が遥かに面白かった。パワーフィール、ボディ剛性、ブレーキ性能、ハンドリング、シート形状、その全てがフィエスタの方がマーチよりも圧倒的に秀でている。だけど、乗せられている感しかない。あの自分の意のままに操っている感は感じられない。

多分、僕の好みや感性がちょっとおかしいんだろう。僕は、「バイク」を基準にしているのかもしれない。軽快感やリニアな反応を求めるのは、バイクのライディングフィールが痛快だからかもしれないし、極力シンプルな物を求めるのもそうかもしれない。リニアに反応しないバイクなどとてもじゃないけど乗ってられなくて、車とは比べ物にならないほど繊細な感覚を要求される。軽々しいハンドルも、不安定な車体も、バイクに比べればクルーザーみたいなものだし、軽自動車は危ないと言ったって運転者が生身でむき出しのバイクとは比べ物にならないほど安全で安心感が有る。そんな物を家族で使うか、というのは置いといて。

 今更ながらに、マーチのMTは面白かったんだ。こんなにも面白かったんだ。市街地を走るだけで、赤信号で減速停止、青信号で加速、それだけで一喜一憂出来る車なんてそんなに無かったんだ。「今のは絶妙な変速が出来た」とか、「今のはちょっと合わなくてショックが有った」とか、「今のは狙い通りのラインに乗せられた」とか、そんな事をいつも思ってた。今はモチベーションもテンションも上がらない。三菱アイもフォード・フィエスタも良い車だと思う。でも僕が選んだ車ではないし、特に思い入れも思う事も無いからインプレッションを書く気にもならない。

今時MTなんて、などもう言われ尽くした。だけど、今でもMTに乗る人なら分かっているはずだ。本当に運転する事を楽しみたいと思ったら、ATはMTには到底かなわないって事を。楽だとか便利だとか効率が良いとか、そんな事じゃない。自分が運転して面白いか面白くないか、だ。あと10年か20年か分からないけど、ハイブリッド化、電動化が進めばMTは必然的に淘汰されていくだろう。だからせめてそれまでの間位MTの楽しさを享受したって良いじゃないかって思う。