シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 木曽前岳 上松Bコース〜上松Aコース周回  上松BのBはバテバテのB










コースタイムや状況、使用道具類等の情報は、今後の私的なデータベースとする物で一般的には信頼性に欠ける物です。参考にされる場合は充分注意して下さい。





2014年9月13日(土)晴れ
木曽前岳に登る
上松Bコースで登り、上松Aコースで下る




05:20 アルプス山荘駐車場 無風 11℃
06:15 木曽駒荘 無風 7℃
07:55 奇美世滝 無風 6℃
10:50 麦草岳 無風 11℃
(所要時間 5時間30分)
11:50 牙岩 無風 13℃
13:05 木曽前岳 微風 10℃
(所要時間 7時間45分)
13:20 金懸小屋 無風 13℃
16:30 敬神滝小屋 無風 13℃
17:20 アルプス山荘駐車場 無風 13℃






駐車場発〜駐車場着 21.0km 12時間0分(休憩含む)
駐車場:標高1076m 最高点:標高2825m 標高差1749m 累積標高2231m
道中の飲料水 2.5L(お茶2.0L ジュース0.5L)
着衣(上) 長袖シャツ ウインドブレーカー(未着用) 薄い上着(未着用) 防水風防パーカ(未着用) カッパ
着衣(下) 化繊のズボン
靴 トレランシューズ ゲイター





好天の連休。時間が取れたから高山へ行きたい。去年歩いた空木岳はガスが多くて眺望がイマイチだったからもう一度歩いて雄大な尾根を眺めてみたかったんだけど、そういえば歩こうと思いつつまだ歩いていないコースが有った。岐阜県側から木曽駒ケ岳へ向かう「上松Bコース」だ。去年上松Aコースを歩き、それはそれで良かったんだけど、上松Aから見えた上松Bの険しい尾根は面白そうだった。ただ、今は歩く人も少ないみたいで、藪・不明瞭・長いのトリプルコンボ。だけど時間が有る今しかチャレンジする機会は無い。今回は上松Bにする。




アクセス
国道19号の小野の滝交差点を東に向かい、アルプス山荘を目指す。アルプス山荘まではナビでも地図が出るのでナビゲーションに頼れる。





今回のルート
山旅ロガーでGPSのログを取り、カシミールで表示させています。
地形図を作りたい場合は、カシミールから地図を印刷する手順をまとめたのでそちらを参照下さい。
上松Bコースで登り、上松Aコースで下る。北(上)の尾根を歩くのが上松B、下(南)の尾根が上松A。地図左端から北へ林道を進み上松Bへ。上松Aコースは以前歩いた事が有って明瞭で歩きやすい登山道という事が分かっているから、上松Aの合流地点まで辿り着ければ下りは問題は無いはず。当初木曽駒ヶ岳を目的地としていたけど、時間と体力の限界で木曽前岳までとなっている。


上松Aコース(木曽駒ヶ岳)はこちらを参照





アルプス山荘付近の駐車場。上松Aでピストンするなら林道を車で進める。同じく上松Bでピストンする場合も林道を詰めれる。周回する場合はアルプス山荘基点となる。わざわざ林道を歩く物好きも少ないから、車も少ない。仮眠して4時に起きたけどまだ真っ暗。5時に起きて支度して5:20スタート。




舗装された林道を延々歩いて木曽駒荘着。4km強。ペースを上げて歩いているつもりが、1時間弱掛かってる。ここから未舗装の林道へ入る。




堰堤の渡渉。渡渉が有るとは思ってなかった。水量が微妙に多くて濡れずに渡るのは無理。水に少し足を突っ込んだけど、中までは濡れずに済んだ。




しばらくは歩きやすかったけど、途中深い藪になる。でもかつては車が通れる程の林道だったらしく、ルートを見失う事はない。更にかなり新しいマーキングと、直近歩いたと思われる踏み跡がある。




岩ガレを抜けた所で林道(廃道)を右に逸れて沢を渡る。うっかり林道を直進しない様に多数マーキングされてたけど、藪に埋もれて間違えそう。




丸太橋で沢を渡る。高さは低いけど滑りそうでスリリング。




スーパーマリオっぽい。取ってもパワーアップしないよ。他にも多種多様なキノコ多数。




深い笹薮を掻き分けて進む。雨乞岳を思い出す。背丈ほど有る笹薮だけど、トレースはついているから外れなければ難しくない。




2時間半歩いて奇美世滝。長い林道と藪でウンザリする。思ったよりトレースがしっかりついているのと、所々マーキングが有るから思ったよりはルートファインディングに悩まされずに済んだけど、不明瞭な個所も有る。ここまではただ辛いだけ。




奇美世滝を過ぎると藪が無くなって歩きやすくなる。反面、一気に傾斜が増す。思ったよりもトレースはしっかりしているけど、つづら折れに登っていくから向きを変える際にうっかり直進しない様に。



五合目の岩門。ゆるキャラみたいなネーミング。まだ五合目かよ。(´д`lll)




見晴台からの見晴らしは良くない。




よくやく視界が開けてきた。西に御嶽山が見える。




岩の急斜面を登る。岩場と藪でルートが分かりにくい。かろうじてトレースが有る。




福島コース出合い。ルートが交差するけど登山者は見かけない。福島コースは歩きやすいのかなぁ。




麦草岳はもうすぐ。開放的で気持ちいいけど、見た目よりもハイマツの藪が厄介。



10:50 麦草岳。スタートから5時間半。思ったよりも時間食った。何だかもうやりきった気分だけど、地図見るとこれからが本番。




これから進む尾根。ガスって先が見渡せない。尾根に出てしまえば楽勝かと思ったら、麦草岳から先の方がよほど困難。歩いている人が少ないんだろう。トレースを見失いそうになるし、マーキングもかなり乏しい。麦草岳から牙岩方面への標識は難所と書かれていたけど、本当に難所。




静かで開放的な尾根を歩けるのは良いんだけどね。尾根に出ても結構藪なのよね。





木曽前岳はあっちかなぁ。って言うか、あそこを歩くって事は相当ガッツり下るんじゃね? ガスの隙間から荒々しい山肌が見える。この辺りでソロのお兄さんとすれ違う。ガスが出てきて視界が悪くなったのと、踏み抜きそうだったから引き返して来たらしい。直近の真新しい踏み跡は彼だったんだ。っていうか踏み抜きそうって何!?(-""-;)




やっぱりガッツり下ってるよ。崩落した痩せ尾根に向かって下りていく。




かなり心細いルート(笑) バランス崩したら転げ落ちるよ。マジで。




これから進む尾根。下りの終盤はルートが崩落していて、転げ落ちそうな斜面を適当に歩いてきた。




下ってきた斜面を振り返る。転げ落ちそうっていうのは誇張じゃないからね。




でも念願の痩せ尾根。一応トレースはついてるから、全く歩いてない訳でもないみたい。




鎖が有るって事は右に巻くんだろうなぁ。でも鎖は錆びていて使いたくない。鎖が必要な程の難所でも無い。




向こうに上松Aコースの尾根が見える。




あれが牙岩か。なかなかハードなルート。というのは崩落しているから歩きにくいのではなく、崩落地を避けて通る反対側斜面の巻き道が相当厄介だから。足幅程度の、時には崩れて足幅も無い様なルートで、尚かつ路面が斜面側に傾斜している上に木の枝が張り出していて、枝を避けつつ歩いていると落っこちそうになる。痩せ尾根だから崩落していなくても滑落したら相当したまで落ちちゃいそう。絶えず滑落の危険性が有る。ソロのお兄さんが踏み抜きそうって言っていたのはこの事か。




木製の梯子を登る。腐食が進んでいて、有る意味劔岳以上のスリル(笑)




歩いてきた痩せ尾根を振り返る。難所の連続だけど歩き応えは有る。




ここまで苦労して歩いてきたんだから、折角だから牙岩に登ろう。って意気込んで登ったら、あれれ牙岩隣じゃん(-""-;)




間違えて登った隣の岩。高度感はハンパないよ。




念願の?牙岩。意外に隣の岩の方がおっかなかった。っていうかこんな事してる時間の余裕無いんだけど・・・




歩いてきた尾根を振り返る。




牙岩と上松Bの痩せ尾根。




なかなかの歩き応え。思ったよりもハードだったよ。




木曽前岳はもうすぐかと思ったら、結構ガッツり登る。ここまでにかなり体力を消耗したから、標識にあった牙岩〜玉ノ窪間をショートカットする巻き道を進んだら、これまたこれまで以上に不明瞭+滑落しそうなルートで、このまま進んだら滑落するか体力が尽きてしまいそうなので素直に木曽前岳に登る事にした。この時点で駒ヶ岳は断念。




木曽前岳に向かうルートは明瞭で歩きやすいかと思ったら、そうでもなかった。かろうじてトレースは有るけど、かなり急斜面で歩きにくく、ルートも気を遣う。更にロープは劣化して素線切れしている。ロープはあくまでも補助的な物として、いつ切れても滑落しない様に。




やっと上松Aコースとの出合い。歩いてきた尾根が見える。しんどー(*´Д`)=з




13時過ぎに木曽前岳。所要時間は7時間45分。駒ヶ岳までは行けなかった。




駒ヶ岳は登山者が沢山見えた。好天の連休だからね。ロープウェイもでら混みだろうね。




振り返ると御嶽山。山頂付近はずっとガスってる。




時間も無いからそそくさと下る。眼下に上松Aコースの尾根が果てしなく続く。今からこれを下るんかいな。(´д`lll)




上松Aコースから木曽前岳。Aコースでも結構ガッツり登る。Aコースにも玉ノ窪へ抜ける巻き道が有るけど、こちらは明瞭。駒ヶ岳が目的なら巻き道を利用した方が楽。




剣岳駒ヶ岳駒ヶ岳はまた今度ね。




上松Aコースは明瞭でとても歩きやすい。けど長い(´_`。) 疲労した身体で長い下りはしんどい。ペース上がらない。




小屋付近に水場が有る。水量は少なめ。




五合目、金懸小屋。男の子を連れたお父さんが登って来た。今日は小屋泊かな。




敬神滝の小屋。やっと下ってきた。車は4、5台停まってた。連休にしては少ない。上松Aコースもとても静かな登山道。




さてあとは駐車場に戻るだけ。敬神滝の小屋から30分のはずが、堰堤工事の為歩道が迂回してる。もう踏んだり蹴ったり。


赤い鉄橋まで歩いて登らないといけない。とぼとぼ歩いていると、親切な登山者夫婦が声を掛けてくれた。小汚い格好で車に乗るのは申し訳なくてお礼を言って断ったけど、結構歩く。やっぱ乗せてもらえばよかった。っていうか、工事してなかったからこっそり渡ってしまえば良かった。





17:20 駐車場着。駒ヶ岳をキャンセルしたのに、予想以上に時間が掛かった。







コース
上松Bコース
アルプス山荘〜麦草岳
かなり林道を歩く。木曽駒荘までは舗装されて乗用車でも通れるから、上松Bのみ歩くなら木曽駒荘まで乗り入れた方が楽だけど、上松Bを往復する気にはならない。奇美世滝までは途中かなりの藪が有る。途中不明瞭な所も有るものの、トレースは有るのでルートを外さない様に。比較的新しいマーキングも有り、幸いルートファインディングに悩まされるというレベルではなかった。奇美世滝からは藪で悩まされる事は無かったけど、急斜面になり体力を消耗する。
麦草岳〜牙岩
難所。トレースは有るものの、藪と滑落しそうなルートで体力と時間を要する。頼りにならない錆びた鎖や朽ちかけた梯子など、他人任せでは歩けない。
牙岩〜木曽前岳
牙岩から玉ノ窪へ抜ける巻き道が有るけど、かなり不明瞭な上に絶えず滑落しそうなルートなのでエキスパート以外歩くのはやめた方が良い。直近歩いた跡が有ったので僕も進んだものの、とても歩ききれそうな感じではなかった。一体どんな人が歩いてるんだろう。
牙岩から木曽前岳は急登で歩きにくい。ルートもAコースの様に明瞭ではない。ロープが有るけど劣化して切れ掛かっているので、ロープに頼り切る様な登り方をしてはいけない。こんなルートを歩く人はそんな事言わなくても分かっているだろうけど。
全体的に
上松Bコースはバリエーションルートと言って良い。観光案内に載せる様なレベルの登山道じゃない。少なくとも、標準コースタイムはかつて整備されていた頃のもので、今は全くアテにならない。ここを歩く人は余程の物好きだとは思うけど、体力も技術も要求されるので興味本位で行くととんでもない目に遭う。特に麦草岳から牙岩間はかなり困難なので、勢いで行ってしまって戻れないなんて事になりかねない。行けそうにない場合、何処で引き返すかかなり難しい判断をする事になる。その点では、今回すれ違ったお兄さんの判断は良かったと思う。


上松Aコース
明瞭で歩きやすい。難点は距離が長い。標準コースタイムは6時間半(上松町観光協会より)。コースタイムが長い為登山者が少なく、その割にはよく整備されていてとても静かな山歩きが出来る。苦労して登った先に宝剣岳駒ヶ岳が見えると感動もひとしお。







事前に調べて、かなりの藪と不明瞭さ、距離の長さが分かっていたから、行くか行かないか悩んだ。でも連休の初日だから、時間と体力を使い果たしてしまっても大丈夫だろうし、しかも天気は良いし、こんな機会も無いだろうしやっぱり困難なルートにチャレンジしてみたいって思う。
結果的には読みが甘くて駒ヶ岳には辿り着けなかった。上松Aコースまで行けたら後は何とでもなるという安心感は有るものの、「もう歩きたくない」って思う様な山行は今回が初めてかもしれない。自分の体力の限界はこれ位なんだって分かった。