シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

冒険とエール

以前から幾度か書いてきた、北京からモンゴルのウランバートルまで走り抜けるラリーレイド。そのラリーの広告が、バイク雑誌の後ろの方に載っていた。先日まで中国では反日デモが激化していて、ラリーが無事に開催されるのかどうか少々心配していたのだけれど、エントラントは思いの他集まっているみたいだ。
広告には、エントラント(参加者)が一人紹介されていた。銀行に勤めるその人は、ラリーにカブで出ると言う。あの原付バイクで、だ。それを聞いて、どう思うだろう。仕事でカブに乗るだけで、手練のライダーじゃない。それに、いくらカブがヘビーデューティーだからといっても、未舗装路を激走したり、砂漠を走ったりする様には出来ていない。大体、パンク修理だってやった事が有るんだろうか。完走出来るかどうかは、やってみなければ分からない。でも、一般的なオフロードバイクに比べたら、それは極めて困難になるだろう。バイクの事を知っている人なら、「そんな馬鹿げた事を」と、鼻で笑うかもしれない。
でも、それを笑えるだろうか。もしそのライダーが途中でリタイヤし、完走出来なかったとしても、机の上で確率を計算し、「そんなの無謀だ。出来っこない。」って決め付けてしまって何も出来ないで居る僕らがそれを笑えるだろうか。
冒険って、金を掛けなければいけない、というものじゃないんだ。冒険に一歩踏み出した彼らに、エールを送りたい。