シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

夜景を見て何を思いますか

あるサイトに、東京の夜景が綺麗だ、という話があった。以前は電気のムダ使いで素直に夜景が綺麗とは思えなかった、とあるのだけれど、僕は今でもそう思う。多分、僕はひねくれた人間なんだろう。クリスマスのきらびやかな電飾を見て綺麗だな、と思う。街の夜景を見て綺麗だな、と思う。だけど、心の底から感嘆することは出来なくて、どこかで「これで良いのかな?」と、思ってる。電気なんて来るのが当たり前。そう思えれば何の疑問も感じないかもしれない。だけど、コンセントの先に繋がっているであろう、昼夜を問わずフル稼働している巨大な発電設備と、ひっきりなしに入港して来る巨大なタンカーを見てしまうと、これで良いのかな?と、思わずにも居られない。
街の明かりに限った話ではなくて、電灯で使われる電力よりも工場設備の電力消費量の方が遥かに大きくて、会社で仕事をしながら「世の中本当にこれで良いのかな?」と疑問に思う時がある。多分、良くないんだろう。だけど、毎日毎日莫大な電力を消費していく工場も生活の糧を得る為には必要なもので、食べ物や、衣類や、電化製品や、その他生活に必要な様々な物もこうした工場から生産されている物で、僕がこの日本でサラリーマンとして普通に生活していくにはそうした矛盾を抱え、目を背けなきゃいけない。多分みんなそうなんだろう。日々の生活で手一杯で、この世の行く末を憂う余裕も無いのかもしれない。僕は都会に住んでいなくて良かった。目に映るのもの全てに疑問を抱きながら生活するのは辛いから。いや、住んでしまえばそれも当たり前になって、疑問も感じなくなるかもしれない。そういうものかもしれない。
夏でも涼しくて、冬でも暖かくて、夜でも明るい。便利で快適な世の中になったけれど、自然の摂理からはどんどんかけ離れて行くんだね。一度経験してしまった快適さからは、もう後戻りは出来ないし、いつか人の業を背負わなければいけない時が来るかもしれない。でも、そのツケを僕らの子供が背負わなきゃいけないとしたら、それはとても悲しい事だよね。
夜景を楽しむ人達を非難するつもりはない。むしろ、ムダに放出されるエネルギーならば、眺めて楽しんだ方が有意義というもの。だけど、僕には街の明かりがどことなく切なく感じる。