シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

新人君と職人さんと僕の日記

僕の職場に、新人君が入った。僕が中途で入社して以来8〜9年ほどの間、新人が入ることは無く、僕は35になるのにいまだに一番下っ端のペーペーだ、というのは以前も少し書いたけれど、ペーペーはともかく職場は慢性的な人手不足だったから、待望の新人君という訳だ。だけど困った事がある。
それは、僕が新人君の教育担当(という程の大げさなものではなくて、一緒に仕事して色々覚えてちょうだいという程度)になったのだけれど、僕は人を教えるのが凄く苦手だからだ。就職して以来ずっと一番下っ端だったから後輩が存在しなくて色々教えたり指示したりする事も無く、それ以前に学生の時の部活動だって率先して後輩の面倒を見る様なタイプではなく、「あれ?先輩居たんですか?」という程の存在感の無さで、オマケに口下手で、寡黙で、知的で、渋くて、ダンディな僕は(一部誇張)、つまり教育係には向いてないんだ。僕は一人で黙々と機械の相手をしている方が性に合ってる。
そんな折、ふと職人の話を思い出した。その道に精通した職人とか師匠は、弟子に事細かく指導しない、などという話。技術は師匠や先輩の作業を見て盗むものだ、とかいうもの。それは職人が教えたくないからではなくて、もしかしたら教えるのがヘタだったからじゃないのかな。饒舌でもなく、世話好きでもない寡黙な職人にとって、様々な技術やノウハウを逐一事細かに説明して教えるという事は、順序立てて分かりやすく説明したり、また、時間的な事なども難しかったのかもしれない。だから、黙って作業して、その様を見せてやるしか術が無かったんじゃないかな。逆に言えば、人に教えるのが上手いというのも、1つの優れた技術でもある。僕は職人ではないけれど、新人君と時間を共にして、そんな事を思った。
まぁ、新人君と一緒に仕事をする上で僕が一番困るのは、「仕事のフリをして日記やネットが出来ないこと」なんだけどね。