シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

休日の午後の冒険

ここのところ雪が多く、降っていなくても夜間の冷え込みで路面が凍結するものだから、僕のバイクのメインの使い方である通勤の時間帯にはバイクなど乗れたもんじゃないんだけど、それでも晴れた日の午後には気温も幾分か上がり、乗れないこともない。休日の午後、少し時間が有ったから、もう1月以上も乗っていないバイクをガレージから引っ張り出して、エンジンをかけてみる。タイヤの空気圧を調整し、アイドリングが落ち着いた頃を見計らって、バイクを全体的にしっかり暖める為に少しばかり走らせようと思いヘルメットを被ると、自宅前で遊んでいた娘がすかさずにじり寄って来て、自分も乗せろとせがむ。仕方なく娘を乗せて家の周りをぐるりと走る。自宅前で娘を降ろすと、今度は上の娘が乗せろとせがむ。仕方なく僕は上の娘を乗せてぐるりと走る。自宅前で上の娘を降ろすと、今度は近所の子供が乗りたいと言い出す。僕は近所の子供を乗せてぐるりと走る。自宅前で近所の子供を降ろすと、また下の娘が乗せろとせがむ。今度は下の娘を乗せて・・・。おかげでバイクはしっかり暖まった。
子供を乗せて走るのは、非常に緊張する。万が一は許されない。ほんのわずかな距離とはいえどもそこは一般道であって、車が通るかもしれないし、自転車や歩行者も通るかもしれない。しかも僕のバイク、シートが高くてつま先立ちなのに、子供を乗せて更に不安定だし。そんな中で、僕は極力丁寧な運転を心掛けて走る。何事も最初が肝心。この僕のライディング1つで、子供達が「バイクってすっげー!すっげー楽しい!」って思うか、「バイクって怖くてイヤ!もう絶対乗りたくない。」って思うかが決まってしまうから。バイクを降りた後、みんな笑顔で「もっと乗りたい!」ってせがむ。もう少し暖かくなったらね。そうしたら、もう少し遠くまで走ってみようね。
子供とお風呂に入りながら、「バイク楽しかった?大きくなったらバイク乗りたい?」って尋ねると、「楽しかった。大きくなったらバイク乗る!」って答えた。別に大人になってバイクに乗らなくったって全然構わないんだ。僕自身、子供の時に父さんが運転するカブに乗せてもらい、自販機でジュースを買ってもらった事、今でもよく覚えてる。この時期の子供にとって「バイクに乗る」っていうことは、ただそれだけで凄い冒険なんだ。そんな素敵な冒険の思い出を、子供たちにも経験させてあげたいだけ。暖かくなったら、一緒に近所のコンビにまで冒険に出掛けよう。
ただ、困ったことに、バイクって2人しか乗れないんだよね。