シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

ポジティブな後ずさり

会社の若い子が、新しい車を買ったそうだ。某国産メーカーのラリーカーのホモロゲマシン。当然ながら、途方も無いスペックの車。「へぇ、凄いねぇ。」と、感嘆の意を表しておくけど、インタークーラーターボで何馬力だとか、何km出るとか、正直僕にはどうでも良かった。
以前車の雑誌のインプレッションでドイツ製のスポーツセダンが取り上げられていたのだけれど、そこで「これは良識のある大人が乗るべきだ」という様な事が書かれていた。かなりのハイスペックでありながらそれを感じさせない上質(?)な仕上げだから、思っている以上に速度が出てしまうというらしい。そのセダンに限らず、ホモロゲマシンも、スーパースポーツバイクも、一般道で一般的な使い方をするなら、若さに任せて勢いで乗っちゃいけない。それで済まされる様な性能でもない。そんな事、僕がとやかく言うことじゃない。分かってるよ。だけど、ウチの安っぽいキューブですら、遮音性と燃費を稼ぐための低回転で速度感覚がマヒしてしまうんだ。自分が運転している車がどういう物で、どういった状態にあるのかきちんと把握出来ているだろうか。
そういう僕も、若かりし頃はホモロゲマシンが欲しかったんだけどね。そう思うようになったのは、歳をとったせいかな。だけど、速さの本質とか、上手いとか下手とかって、そういう事ではないと思うんだ。一歩引くこと。それは尻込みではなくて、ポジティブでしたたかな一歩であると思いたい。