シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

輝くオッサン

本屋の雑誌コーナーで、いつものバイク雑誌をパラパラとめくる。あぁ、この雑誌もか。この雑誌も「大人系」か。
世間では、ちょい悪オヤジなどとオッサンのファッションを煽り立てるのが流行りだけれど、いや、むさくるしいオッサンが小奇麗になる事は良い事だと思うけど、バイクに関してもどうも「大人」をイメージした物が多く目に付いて、「大人」はつまり高級品ということ。
高級品が悪いということじゃない。高価な物、評価が高い物というのはそれなりの理由があるからで、その価格に見合う何かが有るはずだから。だけど、僕の年代ならば、住宅ローンや家賃を支払い、生活費に車の維持費、子供の養育費などなど、必要な経費を差し引くと一体どれだけ残るだろう。景気は上向きって言うけれど、僕の給料が激増するなんて有り得ない話で、そんな状況の中、家族には何にも利益をもたらさないバイクやバイク用品にお金を掛ける事が出来るはずもない。中には良い物を買える人も居るだろう。でも、買えない人もまた沢山居るはず。
会社の人が「バイクに乗りたいなぁ。」と、言っていた。最近流行りのビッグスクーターに興味を持って、バイク屋に見に行ったり、オークションを見たりしてるけど、新車で5、60万円、中古でも2、30万円するそうだ。しかも免許が無いから、乗るなら免許も取らなければいけない。良い大人が、ただ「バイクに乗る」というだけでもどれだけの冒険だと思う?
良い物は良い。それは分かるけど、どう考えても買えない様な物を見たって仕方が無い。それらを羅列しても僕にはスーパーカー大百科と同じくらい非現実的でしかない。だから、高級品を並べて「大人はこうあるべきだ」と煽り立てられるはもううんざりだ。そんな物をいくら持っていたって仕方が無いんだよ。バイクは乗る為の物で、道具は使う為の物で、何を持っているかが問題なのではなく、どう使うかが一番大切なこと。どう見られるかが問題なのではなく、自分がどうしたいかが大切なはず。
例え軍手でも、頑張ってバイクに乗ろうとするオッサンの方が僕は輝いてると思う。