以前からお師匠さんには「トライアルは良いぞ。練習になるぞ。お前も買え。」と、言われていたのだけれど、その頃は自分で所有するつもりは毛頭無くて、何でこんなバッタみたいなヘンテコなバイクに乗らなきゃいけないんだ。つーか、カッコ悪。と思っていたのだけれど、今やっと分かった。僕が今乗るべきバイクはトライアルマシンなんだ。
今時のオフロードバイクは非常に高性能で、少々荒れた林道でも難なく走ってしまって、マシンの限界まで持っていこうとすると途方も無い速度に達してしまう。いくら人気の無い山道とはいえ、それはもう暴走族と変らない。しかも年々走れるダートは減少しつつある。ＤＲという扱い難いバイクに乗る事で限界を引き下げ、結果的に暴走を抑えるという手だったのだけれど、そうすると今度は走れる個所が非常に限られる。
トライアルなら普通のバイクが入れない獣道でも入れるし、暴走と言うほどの速度も出ないし、何より見た目が攻撃的じゃないから周りに与える印象も違う。近くの山でも、河川敷でも、自宅の庭先でさえ遊べるというのは凄い事じゃないか。
エンジンが何ｃｃだとか、何キロ出るとか、そんな事はどうでも良いし、他人がどう思おうが構わない。僕はもっとバイクに上手く乗りたいし、もっと楽しみたい。トライアルは結果ではなくて、その為のスタートなんだけど、「何でトライアルなの？」と、奥さんには不評。
