シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 先生

先日、次女の通う幼稚園の家庭訪問が有りました。娘も進級して昨年とは違う先生になり、昨年の様な事も無いだろうし、元気に遊んでいるならそれで良いと思うし、先生だって「お宅のお子さんはみんなと仲良く遊べています。」などと30秒で終わってしまう様なお決まりの事しか言わないだろうと思っていたのだけれど、奥さんから家庭訪問での話を聞いたら凄い先生でした。
まず、子供の事をとても良く見ています。それも「監視」ではなく、子供の言動や状況をよく見ていて、必要以上に口出ししたり手伝ったりせず、たしなめなければいけない所と子供の自主性に任せるべき所を分かっています。そして、子供たちの言動に対して、なぜそうするのか本質的なところを理解しています。洞察力と考察力が素晴らしく、子供たちをきちんと認めてくれているのです。これがいかに凄い事か分かるでしょうか。実の親でさえ、「早くしなさい。」「いつまでやってるの!」「○○しなさい!」と、語気を荒げてしまいかねないというのに、子供がなぜそうするのかを理解して認めてくれているのです。多分、日頃から相当努力して、相当勉強している相当キレる先生だと思います。
ウチの近くの保育園は、多彩な先進のカリキュラムを取り入れた人気の有る保育園で、ほとんどの子供は保育園に通い、幼稚園にはあまり来ません。でも、ウチの娘にはそういう押し込まれる様な環境は合わないだろうと、奥さんと話し合って比較的自由な幼稚園に入れました。保育園では英語やパソコン、発表会では高度な楽器演奏に演劇、体操など、目を見張るものが有ります。だけど、それは所詮親を満足させる為のものでしかありません。歌が好きな子が居れば、工作が好きな子も居るし、運動が好きな子も居るでしょう。だけど、好きな事を思う存分する事は出来ず、親を喜ばせる為の発表会や運動会の練習に束縛されて過ごすのです。言われた事を言われた様に行うのが得意な子はそれでも良いと思いますが、ウチの次女の様に奔放でムラッ気が有る様な子供には不向きなのです。
結局、子供の良い所を伸ばすのではなく、子供の良い所を殺さないでくれればそれで良いと思うのです。1人1人の良い所を見つけて伸ばすなんて事は、3、40人も1人の先生が受け持たなければいけない保育園や幼稚園の様な環境では到底無理な話です。それに、結局は自分自身が「やりたい」という意欲を持たなければ伸びません。目を見張るような演奏や演劇も、所詮は「保育園児にしてみれば」というレベルでしかなく、それ以上本当に伸ばしたいのなら子供の自主性にゆだねなければなりません。だから、子供たちの「やりたい」という意欲を否定したり押し込めたりせずにきちんと認めてくれさえすれば、僕はそれ以上は何も望む事はありません。そこから先は、家庭の守備範囲ですから。そういう意味で、この幼稚園の、この先生に受け持ってもらえる事は、子供にとって凄く幸せな事だと思うのです。
僕も、ほし組さんに通いたい気分です。