シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

必須

トライアルバイクは普通の道を走るにはとても不便で、普通のバイクのつもりで普通に走ると普通に走れません。信号待ちからスタートする時に普通はローギヤ(1速)に入れて発進しますが、トライアルバイクの場合ローギヤで発進するととんでもない事になります。分かってるって。ギヤが低いからだろ。って思ってるでしょう。その通りです。でも、分かっていてもとんでもない事になります。もっと言うと2速でもとんでもない事になります。僕は普通3速発進。通勤で使うのは3、4、5速だけで、3速も発進の瞬間しか使いません。何だコレは。これじゃまるでギヤが3速しか無いバイクみたいじゃないか。おかげで最高速は原付並みで、チェーンとスプロケットを交換する時にもう少しギヤ比を上げてみようかと思ったのですが、トライアルにとって低いギヤ比は必須なんですよね。
先日ちょっとした土手で練習していたのですが、下りはともかく上りでは低いギヤを使わないと上れません。普段は低過ぎて全く役に立たないローギヤが、ここでは必須になります。もっと低くても良い位です。逆に街乗り用にギヤ比を上げてしまうとトライアル的な走行が出来なくなります。元々が非常に限られた用途の為に造られたバイクなのですから、快適性とトライアル性能を両立させるのは無理なのでしょうね。ギヤが低過ぎるとか、タンクが小さ過ぎるとか、燃料が混合ガソリンだとか、一見すると理不尽に思える色々な事も、1つ1つに意味が有って、必然的に成り立っています。本当に究極のバイクです。
もう1つ、黒山健一のステアケースを見ていて意外だったのは、上手い人はバイクにダメージを与えないという事。段差を乗り越える時も、アンダーガードをぶつけません。これは1つの例ですが、恐らく上手い人は全ての動作において無駄がなくてスムーズなのでしょう。結果、実際はとんでもないを事やっているのに全然凄そうに見えない、ということになります。逆にいかにも凄そうな事をやっている様に見える人は、案外ムダが多いだけなのかもしれません。これはトライアルに限った事ではない様に思えます。
まぁ、偉そうに言った所で口でバイクに乗る訳ではないし、最初は誰だってヘタクソなのですから仕方が無いのですが、台風が過ぎたら地味に練習しようかと思います。