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目指すのはジャンガリアンな生き様

 岳

コミックを無闇に買うとかさばって邪魔になるという事を以前書きましたが、邪魔になる上に1度読んだきり読み返さないものも多くて何だか勿体無くて、そんな訳で少々気になるコミックが有ってもそれを本当に買ってまで読むべきかどうかかなり悩む様になりました。本当に手元に置いておきたくなる様なものなら良いのですが、一度読んでそれっきりならマンガ喫茶で読むとか、電子書籍とか、実際に書店で買わない方が良いんじゃないかと思うからです。
そんな訳で、ここの所ずっと買おうか買わないでおこうか悩み続けていたコミックが有ります。ビッグコミックの「岳」というマンガ。山登りの話です。

岳 (1) (ビッグコミックス)

岳 (1) (ビッグコミックス)

以前から、漠然と登山をしたいなぁと思っていました。実際に山登りをするには相応の装備と知識が必要になりますが、僕はそのどちらも持ち合わせておらず、とりあえずトレッキングの真似事みたいな事でも出来たら良いなと思いつつアウトドア系の雑誌を眺めたりしています。そんな訳で「岳」というコミックも興味は有るのですが、外から見ただけではそれが面白いのかどうか判断する事が出来なくて、悩んでいる間に4巻まで出てしまって、まとめて買うと2千円オーバーの出費になってしまうから余計に慎重になってしまって、先日たまたま雑誌の連載を読む機会があったので読んでみたら面白かったので、これは買う価値が有ると判断したものの、2千円の出費はいかがなものか。いや、2千円程度で悩む僕の経済状況も悲しいものがあるのだけれど。コミック売り場のまえで悶々と悩むオッサンが1人。
結局思い切って買ったんですが、読んでみて、これはとても素晴らしい作品だ。2千円ぽっち出す事に悩み続けていた浅はかな僕を許してください。と思えるほど良かったです。山登りというよりは山岳救助の話なので、どの話も登山でのトラブルが中心です。毎回毎回遭難です。で、よく死にます。既に死んでいたり、救助の途中で死んでしまったり、パーティの仲間が死んだり、助かる見込みが絶望的な仲間を置き去りにしたり。もちろん助かる話も有るのですが、とても残酷でとても過酷で、だからリアルです。そして、どの話にも秀逸なエピソードがあります。山登りのマンガで泣けるとは思わなかった。
いつか山登りが出来たらいいなぁ。