ウチの奥さんが、小学校のお母さん方と話している時に、とあるお父さんはギターをやっているという話が出たそうです。バンドか何かをやっているそうで、夜な夜なギターを抱えて出て行く姿が目撃されていて、その度に「怪しい」と思われているそうです。ウチの奥さんが「ウチの旦那も毎晩弾いているよ」と言うと、「それは危ない！」と言われたそうで。
一体、ギターを弾くことの何処がどう「危ない」のか理解出来ないのですが。切ない恋の歌を、よその女の人の耳元で囁いたりすると思っているのでしょうか。今の僕の上達具合からすると、弾き語りで女性を酔わせるには後１０年くらいはかかるんじゃないかと思います。女性を口説くなら、もっと手っ取り早い方法を選んだ方がよろしいかと思います。そもそも、ギター弾くだけで精一杯で、弾き語りなんて出来ねーし。まぁ、雑音に等しい音を耳元で毎晩毎晩鳴らされるのは、「危ない」と言えなくもないですが。
とは言うものの、少し上達すると良いギターが欲しくなったりはします。僕はギターを始めてから、良いギターというものはとても高価なものだという事を初めて知りました。ギブソンとか、マーチンとか、そういう名の知れた有名海外ブランドのギターならまだ分からなくもないのですが、例えばヤマハのギターでもトップモデルはとんでもない金額します。しかも、同じ型式で見た目は同じ様なのに、下位モデルは数万円でも上位モデルは数十万とかザラにします。２、３０万円なんて当たり前、普通の金額です。ちなみに僕が今愛用しているモーリスのＳ−３０というギターは定価で６万円しますが、Ｓシリーズの中では一番安いモデルです。良いギターが欲しくなるという事は、高価なギターが欲しくなるという事と等しくて、子持ち所帯持ち住宅ローン持ちのお父さんがン十万のギターを欲するのは、家庭にとって充分危険であると言えます。
もう１つ、ある程度弾けるようになると、誰かに聴いてもらいたくなる、というのもあります。ライブハウスなどで聴かせる程の技術が有れば良いのですが、何とも微妙なレベルだと披露する所もそうそう無い訳で、じゃあ路上に行こう！ 今はストリートライブなんて流行ってんじゃん？ などと血迷って駅前や公園に繰り出して、「○○ちゃんちのお父さん、駅前でギター弾いてたよ。プププ（^m^）」とか、「旦那さん、公園でギター弾いてたよ。プププ（^m^）」などと周囲から言われ、「お父さん、お願いだから外でギター弾くのはやめて！」と、家族から懇願されて、それも家族にとってはある意味「危険」と言えなくもありません。
あとは、突然「俺、ミュージシャンになる！」と言い出してギターを担いだ渡り鳥になってしまうとか、ロケンロールになって突然奇声を発しながら部屋の中でギターを振り回しだすとか。
･ ・ ・ うん、確かにギターって危険です。
