シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 一体

朝、いつもの様に起きて、目覚ましを止めて、メガネを掛けようとしたらメガネがありません。メガネメガネと両手をふるふる左右に振りながら探してもメガネがありません。寝る時はいつも同じ所に置いているのに、いつもの所にメガネはありません。とりあえず子供を起こし、電気を点けて本気で探してみるものの、メガネはありません。あせります。奥さんに「オレのメガネ知らない?」と尋ねても、「あなたのメガネの事は存じません。私は昨日あなたより先に寝たので知っているはずがありません。」という様な事をもう少し違ったニュアンスで言われました。今までこんな事無かったから、もしや奥さんがラブラブダーリンのメガネをこっそり隠してしまってハッピーサプライズとか、メガネのレンズにキスマークを付けてラヴラヴサプライズとか、やってんじゃないの?と、再度尋ねようかと思ったのですが、奥さん子供のお弁当を作るのが急がしそうで冗談を言う雰囲気ではなくて、というか出勤前の朝っぱらからアホな事やってられないので必死で探します。マジやばい。
視力が悪いのにメガネが無いという事がどれほど重大な事態か想像できるでしょうか。まず、朝起きて顔が洗えません。間違ってお湯の蛇口をひねって熱湯で顔を洗ってしまうかもしれません。で、朝食も危険です。鼻でコーヒーを飲んでしまいかねません。ズボンを反対向きに履いてトイレで「あれれ!?用がたせない!」と緊急事態になりかもしれません。靴は左右間違え、車の運転もヤバイし、女子高生のスカートがいくら短くても全面モザイクだし、安全看板に向かって「課長、おはようございます。」と挨拶してしまい、仕事中はハンマーで指を叩き、階段を踏み外し、側溝に足を突っ込んで、昼食は隣の人のおかずを食べてしまい、大変です! 一大事です! これでは生活できません。仕事に行けません。
と、思ったら、僕の布団の中から出てきました。あぁ、良かった。昨日うっかりメガネ掛けたまま寝ちゃったんだね。やっぱ、これからはいざという時の為に予備のメガネも用意しておかないとね。というか、メガネ掛けたまま寝ても違和感を感じないなんて、もうメガネの体の一部なんだね。というか異常だね。