シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 優しい音楽/ぐるぐるまわるすべり台

ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)

ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)

★★★★☆
あらすじ
僕は大学を辞め、塾講師をする傍ら、バンドのメンバーを募集した。<熱くてクール、馬鹿でクレバー。最高にして最低なメンバーを大募集>そんなうたい文句に集まったロックな面々。ボーカル志望の中浜に自らの分身を見た瞬間、僕の中で新たな物語が始まった。(本書裏表紙より)

レビュー
バンドが関係する短編が2つ。どちらも起承転結がハッキリしてる訳ではないというか、コレという決定的な結末が待っているというものではなくて、どちらかというと何気ない普段の生活の中の些細なキッカケによって、今まで自分が向いてきた方向が少しだけ変った、そんな感じの話。
熱い恋愛の話が出てくる訳でもなく、かといって熱いロックの話が出てくる訳でもなく、淡々としたストーリーを退屈に思うかもしれませんが、ちょっとした物事の描写とか、音楽の片鱗とかが面白い。女の子のダメ出しとか、イカ天丼とか。この作者のそういう些細な日常の描写が結構好き。でも、決定的なものが無かったので★は4つ。この辺りは人によって評価がかなり変ると思います。
丁度最近エレキを買ったとこだったので、バンドの話は興味深かったです。中学生の時に友達と集まってビートルズをやってたのを思い出しました。なんだかバンドやりたくなった。

優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1)

優しい音楽 (双葉文庫 せ 8-1)

★★★☆☆
あらすじ
駅でいきなり声をかけられ、それがきっかけで恋人になったタケルと千波。だが千波は、タケルをなかなか家族に紹介しない。その理由にタケルは深い衝撃を受けるが、ある決意を胸に抱いて一歩を踏みだした。(本書裏表紙より)

レビュー
3つの短編集。良い話。例え最初から展開が読めてしまったとしても、温かくて良い話。ただ、表題作は良かったけど他の2作は表題作ほど印象深いものが感じられなくて★3つ。
作者の「卵の緒」が特に印象深くて秀逸だったから、やや期待し過ぎだったでしょうか。