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目指すのはジャンガリアンな生き様

 献血

夜中、修理の電話があって仕事に出掛けたので、翌日の朝は少し遅れて出社する事にしました。天気予報では最高気温は29℃とかとんでもない事を言ってるので、会社の近くのスーパーでペットボトルの飲み物を買っていこうと思ったら、スーパーの駐車場に献血車が止まってました。
以前はウチの会社にも献血車が定期的に来ていたのですが、献血する人が少なかったのかやがて来なくなってしまいました。別に会社じゃなくても休日のショッピングセンター等で見掛ける事もあるし、名古屋に行けば大須では常時献血してるんだけど、時間が掛かったり、腕まくりしにくい服装だったり、なかなかチャンスが有りません。そもそも注射針を打たれる(事前検査を含めると最低2回は刺される)という苦痛を伴うものなので、こちらとしてもそれなりの覚悟を決めなければなりません。しかも僕は血管が細くて血圧も高くないので、普通の人よりもかなり余計に時間が掛かります。そんな訳で4年も献血する機会が無かったのですが、平日の朝の献血は誰も居なくてすぐ終わりそうだったし、この機会を逃すと次はいつ出来るか分からないし、別にどうしてもやらなければいけない事でも無いのだけれど、僕が出来る数少ないささやかな世の中に対する奉仕なので、頑張ってみることにしました。
案の定事前の血液検査でも血管を探されて、右手にしようか左手にしようか悩まれたりして、でもお陰で担当の看護婦さんと他愛ない話をするきっかけにはなったみたいです。平日の朝っぱらから献血に来る物好きもそうは居なくて暇なのか、それともその人の性格なのか、何でこんな時間に献血に来てるのかとか、献血の話とか、色々世間話をしてくれて、いつもはうつむいてただひたすら終わるまで我慢しているだけの苦痛な時間が、今回は苦になりませんでした。「夜中仕事だったから少し寝不足気味なんです」と言うと、今日は暑くなるから飲み物を飲みながらの方が良いですよ、とお茶をくれたり、お茶だけだと飲みにくいですよね、とお菓子くれたり、なんだか献血なのに和んでしまいました。人見知りで、特に若い女の人と会話するのが苦手な僕にしてはかなり珍しくて、初めて献血に時間が掛かるのも悪くないって思えました。
献血の話も色々話してくれて、血液パックを機械に入れてブルブルするのは僅かに負圧にして血液を出やすくしてるとか、血管が太い人でその機械を使うと早い人だと5分くらいで終わるとか(僕の1/4だよ!)、献血車岐阜県に4台しかないとか、下呂や高山方面に行く時は時間が掛かるから泊りがけだとか、休日は人出が多いからショッピングセンターやお祭りの会場に出向くとか。人が楽しんでいる所に出向いて仕事しなきゃいけないのは辛いよね、というと、「そうですね。私も遊びたいって思いますよね。」って苦笑いしてました。まぁ、献血の仕事に限らず病院の看護婦さんだってそうだし、サービス業なんてそれが当たり前なんだけど、でも恋人が居ても休日合わないと悲しいよね。そもそもこんな所で仕事してて出会いのチャンスなんて有るんだろうか?などと余計な心配したりしたけど、いや、待てよ、考えようによっては「献血」という行為でふるいに掛けられる訳で、だってどうしようもないロクデナシな男が献血しに来るとは到底思えないし、そうすると献血してくれる割と寛容で慈愛に満ちた人が向こうからやって来てくれるんだから意外にオイシイ仕事だったりして? 男はみんな看護婦(の格好)には弱いに決まってるんだし。まぁ、若い男がやって来るかどうかははなはだ疑問だし、献血車の中で口説く人なんて見たこと無いけど。
どんな仕事でも大変なんだろうけど、頑張りが報われる事を願いたいです。特に献血なんて世の為人の為の仕事なんだし。
さて、次はいつ献血の機会があるでしょうか。いつも今回みたいに待ち時間が苦痛じゃなければ良いんだけど。