シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 意識

時折、僕はこのままココに居て良いんだろうか?って凄く思う時があります。
先日、会社で「水道の水が出ないから見て欲しい」と言われました。見に行くと、既に業者を呼んだらしく、水道屋さんが調べている所でした。会社の水道は井戸水を使っています。工程としては、
井戸ポンプ → 電磁バルブ → 高架水槽 → 圧送ポンプ → 蛇口
という感じ。電磁バルブを制御する回路が組まれていますが、全体としては非常に単純な構造です。設備が分散されているので調べるのが面倒ですが、とても難しいというレベルの仕事ではありません。
井戸ポンプには水圧が掛るので、井戸から水は汲み上げているのは分かります。でも水槽には水が来ない。じゃあ電磁バルブが悪いんだ。というのが水道屋さんの意見で、電磁バルブを分解し始めました。水は汲むけど、水を送らない。だからバルブが悪い。普通ならそう考えるかもしれません。でもね、僕らは素人じゃないんですよ。もっと色々な要因を見極めて、不具合個所をピンポイントに絞り込みましょうよ。つまり、バルブが悪いのか、バルブを制御している部分が悪いのか、を調べないと直接の原因を突き止める事が出来ないのです。そこで、電磁バルブに強制的に電気を流してみると、バルブは動作します。つまりバルブが悪いのではなく、バルブを開く信号が届いていないという事です(電気を送って動作はするけどバルブが正常に開かないというケースも有りますが今回は違う)。水道屋さんには「悪いのはバルブではなく、制御部分だ」という旨を伝えて、僕はアチコチ調べてみて、最終的には電磁バルブに信号を伝える為のケーブルが途中で断線しているという事を突き止めて、補修しました。で、水道屋さんが分解しちゃった電磁バルブを戻そうと思ったら、戻せないんですよ。ダイヤフラム(ゴム幕)を切っちゃったから。
もう、呆然としちゃいましたよ。バルブが悪い訳ではないって確かに忠告したのに。水が出ないままでは困るので何とか水を送る様にしてくれと会社の誰かが水道屋さんに頼んだのかもしれません。にしても、元に戻せない完全に破壊する様なやり方はマズイでしょ。これがプロフェッショナルな仕事なのかよ。って猛烈にガッカリしました。バルブだって数万円はするだろうに、悪くも無いバルブを壊しちゃうなんて信じられない。
これは1例で、社内では良くある話です。工場の保全の仕事は、同じ工場内でしか仕事をしません。外に出て顧客に文句を言われる事もないし、少々専門的な作業になると社内でも意見を言える人間が居ないので、後はもう作業者の意識だけです。良い仕事をするにはどうしたら良いのか。そもそも良い仕事とは何なのか。そういう事を常に自問自答しながら作業しないと自堕落になるだけだし、長年そういう意識を自ら持ち続けるのも大変な事です。誰だって楽したいから。そんな状況で、そんな人達ばかりだから、ちょっと複雑な作業をしようと思っても、信頼して任せられる人が居ないのです。僕だってマメな性格じゃないし、ナマケモノだし、すぐに手を抜きたくなるし、だけどそんな僕でさえ、長年仕事してきてコレかよ!? 何でそんな事が分かんないの!? ってガッカリする事ばかりじゃ、そりゃ失望もするでしょ。
でも、それは工場内だからだと思ってました。なんだよ。外注業者も変わらないじゃん。何なんだろう、このプロ意識の無さは。それでお金貰って恥ずかしくないんだろうか。給料を貰う、料金を請求するっていう時点で既にみんなプロなんですよ。分かりません。とか、ダメでした。では済まないんですよ。バルブを交換しても直らなかったら、「バルブじゃありませんでした」で済ませるのでしょうか。それでバルブと交換作業代金はしっかり請求するんでしょうか。きちんとした質の高い作業をする業者も知ってます。それに誰しも間違いはある事だし。だけど、世の中にはアテにならない「専門家」が本当に沢山存在するって事にガッカリです。
そんな中でモチベーションを維持し続けるのも疲れました。もっと意識的に質の高い仕事をしたい。高みに引っ張られるような仲間が欲しい。本当にそう思うんです。