シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 上り

休日に時間が出来たので、ガレージの奥にしまいっ放しだったバイクのガソリンを入れ替える事にしました。タンク内が錆びないようにガソリンを一杯にして保管しているのですが、あまりに長期間放置するとガソリンが劣化して余計に大変な事になります。
まず、手前に置いてあるホンダのCRMを引きずり出します。ガソリンを抜いたり、すっかりペッタンコになったタイヤに空気を入れたりして、今度はその奥に置いてあったヤマハのSRX。
埃を被らない様に掛けてあったカバーを取ると、その流麗な車体が現れます。久しぶりに目の当たりにして、久しぶりに触って、あぁ、これってアガリのバイクだなって思いました。
百数十馬力が当たり前になった大型バイクがそこらじゅうに溢れかえる中、たった40馬力しかない空冷単気筒の大型バイクなんて誰も見向きもしないでしょう。でも、そんな事誰も分からなくたって良いんです。自分さえ分かってたらそれで良いじゃないか。SRXは、そういうバイク。逆に、若者がカリカリ乗っても似合わないバイク。もっと歳を取って体力的にオフロードバイクに絶えられなくなったら、もしくは普通の道路を普通にのんびり走っても満足出来るくらい精神的に大人になれたなら再び乗ろうと思ってしまっておいたSRX。やっぱり間違ってなかったと思う。
すっかり埃まみれになって、所々錆が浮き始めたSRXを磨きながら、久しぶりに走ってみたいと思った。このバイクに似合う渋い大人になれたら良いなと思うのです。