シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 カンムリヤマノボレ 冠山/岐阜県側林道から 冠峠で腹一杯



コースタイムや状況、使用道具類等の情報は、今後の私的なデータベースとする物で一般的には信頼性に欠ける物です。参考にされる場合は充分注意して下さい。


2014年3月29日(土)曇りのち晴れ
岐阜県側の林道経由で冠山に登る


07:05 林道入口 無風 6℃
10:05 冠峠 弱風 7℃
11:30〜12:05 冠山山頂 弱風 7℃
登り所要時間4時間25分(内林道3時間)
13:20 冠峠 弱風 10℃
15:45 林道入口 弱風 13℃


駐車場発〜駐車場着 18.2km(内林道13.6km) 9時間40分(休憩含む)
駐車場:標高431m 最高点:標高1256m 標高差825m
道中の飲料水 1.5L(不足気味)
着衣(上) 長袖ヒートシャツ ウインドブレーカー 防水風防パーカ(未着用) ULダウン(未着用)
着衣(下) 化繊のズボン
靴 冬用トレランシューズ 冬用ゲイター アイゼン スノーシュー(未使用)
他 ヘルメット(持っていった方が良かった)



家族はみんな用事で、僕独り自由になったから山に行く。今回はガッツリ歩こう。ギリギリのラインを考えて冠山にする。今はまだ車で林道を走る事は出来ないだろうから、かなりの距離を歩く事になるはず。でも林道から冠山は見えるし、登頂出来なくても構わないから行ける所まで行ってみる。

アクセス
岐阜・名古屋方面からだと、国道303号を北上し徳山ダムを目指す。横山ダムを直進して国道417号を進み、行ける所までひたすら進む。無雪期は国道417号からそのまま直進して林道に入り、冠峠まで。冠峠付近には車を停めるスペースが有る。国道417号は2、3ヶ所工事中だけど通行止めにはなっていない。


今回のルート
山旅ロガーでGPSのログを取り、カシミールで表示させています。
地形図を作りたい場合は、カシミールから地図を印刷する手順をまとめたのでそちらを参照下さい。






国道は何事も無くスムーズに走れた。林道手前でなごり雪。邪魔で通れない。その先も積雪なら諦めて歩くけど、中途半端に残ってるから仕方なく車が通れる分だけスコップで掘る。半分凍った雪で大変。林道がどうなってるか分からないから、長靴、軍手、スコップ、タイヤチェーンを持ってきた。役に立った。
しかしマーチ車高低過ぎる。ちょっとした落石でもヒットするから、いちいち降りてどかさなきゃいけない。やれやれスポーツカーはこれだから┐( ̄ヘ ̄)┌


結局林道入口までしか車で進めなかった。ここから歩く。もう1台の車は渓流釣りの人。丁度僕が雪を掘り終わった頃にやってきた。ナイスタイミング(-""-;)
準備して、7時過ぎに出発。


林道入口すぐからしっかり積雪。スタッドレスタイヤとか、タイヤチェーンとか、そういうレベルじゃない。クロカン4駆でも走れない。


冠山が見えてきた。遠い・・・(*´Д`)=з


林道分岐。高倉峠方面と、冠峠方面の分岐。冠峠は右。無雪期なら車でブーンなんだけど、ここまで歩いて40分。徒歩とほほ。


随分歩いてきた。冠山近付いてきた。迫力あるよ。


それは良いけど、林道埋まってる。まさか林道でトラバースするとは思わなかった。延々トラバース。(´д`lll)


ヤバいヤバい。まさか林道で滑落するなんて予想してなかった。


これ、どうすんの?壁やがな。ヤバいヤバい。マジヤバい。


足滑らせたら数十メートル滑落すんじゃないの!?林道歩くだけでここまでビビるとは思ってなかった。当然帰りもここを歩かなきゃいけない。


林道3時間歩いて冠峠着。既にやりきった感(´_`。)


でも、ここからが本番なのよ。まだ時間余裕有るし、天気もまだしばらくは大きな崩れは無さそうだし、冠山目指す。まずは手前のピークに取り付く。


冠峠から見た時、ヤバいって思ったのよね。手前のピーク結構そびえてたからさ。急斜面に蹴り込んで一歩一歩登る。


はぁはぁ言いながら登りきったピークからは絶景。


東向きから南東に向きを変えて冠山目指す。そびえる冠山。迫力。この後はハードなアップダウンは無いでしょ。


アップダウンは激しくないけど、尾根が切り立ってる。落っこちない様に一歩一歩歩くけど、林道で散々な目に遭ってきたから今更うろたえない。


冠山の取り付きでまたもやトラバース。夏道は完全に埋まってる。


画像では大した事無さそうに見えるけど、結構ヤバい。足を滑らせたら遥か下まで滑落しそう。


無事にトラバースをクリヤしたは良いけど、最後の難関。山頂直下の崖。無雪期でも結構な斜面だったけど、雪で埋まってる。ヤバい。どうしよう。登れる気がしない。


とりあえず、取り付く。ロープに助けられながら岩場を登り、雪面まで来た。画像は下りで撮ったから僕の足跡がついてるけど、登る時にトレースは見当たらず、自分でルートを考えなきゃいけない。この雪面はとても登れそうに無い。雪面で一旦左にトラバースして、露出した岩場を頼りに登る。


岩場に取り付いた。おしっこチビりそう。幸いな事に取り付いた岩場は夏ルートで比較的歩きやすい。


なんとか山頂まで登れた。スタートから4時間半。登りきったよ。もうダメかと思ったよ(´_`。)


絶景。ちょいと曇ってるけど。


冠峠越しに金草岳方面。歩いてきた林道が続いてる。


休憩して食事してたら、ソロの男性が登ってきた。うわっ登る人居るんだ!ってちょっと感動してたら、林道ではなく尾根を歩いて来たって教えてくれた。国道417号の終点付近の駐車場から尾根に上がり、県境尾根(冠山から東に伸びる尾根)を歩いてきたとか。「林道はデブリ(崩落した雪塊や土砂)で歩きにくいだろ」って、お見通しなのね。


色々教えてもらって、下る。山頂から下った所。県境尾根方面に伸びる尾根。リスキーな林道を歩くより気持ち良さそうだけど、難しい面もある。


晴れてきた。


晴れの冠山。


晴れると登りでも爽快。1つ目のピークに向かって登り返す。


ピーク登りきった。冠峠を挟んで金草岳方面。良い眺め。金草岳方面も気持ち良さそうな雪の斜面が続いてる。


ピークから冠山。おっかなかったけど良い山だった。


向こうに見えるのは能郷白山かなぁ。


思いのほか良い天気だった。のんびりしたいけど帰りも長い。林道の難所を越えるまでは気が抜けない。冠峠に向かって下る。


下ってきたピークを振り返る。雪原と青空と飛行機雲。僕の足跡が続く。


冠峠まで戻ってきた。金草岳方面に気持ち良さそうな雪の斜面。でも時間も体力ももうリミット。


林道から冠山。歩いて来た尾根が見える。


無事に帰ってきた。今日も良く歩きました。




ルート
林道〜冠峠

無雪期は冠峠まで車で進めるけど、まだ当分の間車は走れそうに無い。素人目にはGW頃に徒歩でなら、落石や土砂の影響で車は何時通れるか分からない印象。今現在、林道を歩くのはかなり危なっかしい。登山道よりも林道を歩く方が神経を使った。積雪期に林道経由で登る人はほとんど居ないのかもしれない。
冠峠〜冠山
無雪期の登山道はほぼ埋まってるけど、基本的には尾根伝いだからルートを見失う可能性は低い。峠から冠山までは距離も短く極端な高低差も無く歩きやすいものの、一部危険な個所も有る。特に山頂直下の崖は危ない。



感想
時間、体力、技術、どれも上手くギリギリで良かった。ギリギリと言うと無謀な行為と思われるかもしれないけど、ちゃんとマージン取って逃げを作ってる。ソロで人気の無いルートを歩くんだから、限界を超える=遭難になるのは分かってる。今回は林道経由という事、登山道の行程が比較的簡単で短いという事から、ルートファインディングに神経をすり減らすという事は少ない、要は体力次第という行程にしてみた。それはそれでちょっとイージーかと思ったけど、林道が予想外に厄介で思ったよりも難易度は高かった。

山頂で会ったおじさんに、「へぇー、あの尾根って歩けるんですか」ってしきりに感心してたら、「だって何処でも歩けるだろ」って言われた。確かに積雪期なんて夏の登山道は辿れないし、歩ける所を歩くしかない訳で、そうすると登山道なんて有っても無くても一緒なんだ。そのうち僕も地形図片手に道無き道に分け入ってしまいそうな気が・・・(´_`。)
来年はあの尾根歩くか。

反省
ヘルメット持って行くべきだった。滑落、転落、落石の危険性が有る。無雪期に1度歩いたきりだったから、どんな状況か予想出来なかった。

今回の最大の失敗は靴。今シーズンはSALOMONの冬用トレランシューズを使っていて、これは秀逸な冬用軽登山靴だって思ってたんだけど、致命的な欠点が有った。防水じゃない。カタログ上では防水機能を持たせているはずなんだけど、防水性能が低いとかそういうレベルではなく、完全な非防水で少しでも水に濡れると靴の内部が濡れる。常時氷点下で水濡れの可能性が無いなら使えるけど、中途半端な状況下ではトレッキングシューズにも劣る。不良品なのか、偽物なのか? 今回は気温が高く穏やかな天気だったから濡れたまま我慢して歩いたけど、山で使うのは考えもの。



林道はまだまだかなりの残雪だけど、それでももう春です。