シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 お見舞いは誰のため










会社の男の子が怪我をしたので見舞いに行った。
僕の直属の部下じゃないから、行かなければいけない義理でもないんだけど。
見舞いの品は何にしよう。






病院のベッドの上で、いつも元気で大声でしゃべる彼は見た事が無いくらい沈んでた。
僕は、なるべく穏やかに声を掛ける。





僕は何がしたかったんだろう。
彼を見舞う事で、思慮深い大人をアピールしたかったのか。
見舞いの品に苦慮するのは、気が利いてセンスが良い事をアピールしたかったからなのか。
結局、彼の為の見舞いではなく、僕の保身の為の見舞いだったのか。






力づけられない無力さと、自分のあざとさとを感じて気分が重い。
それでも、あざとくてもやっぱり行かなきゃいけない。
気持ちを切り替えて。
引きずられちゃいけない。