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目指すのはジャンガリアンな生き様

 カフーを待ちわびて 原田マハ







カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

カフーを待ちわびて (宝島社文庫)

もし絵馬の言葉が本当なら、私をあなたのお嫁さんにしてください―。きっかけは絵馬に書いた願い事だった。「嫁に来ないか。」と書いた明青のもとに、神様が本当に花嫁をつれてきたのだ―。沖縄の小さな島でくりひろげられる、やさしくて、あたたかくて、ちょっぴりせつない恋の話。
★★★☆☆





レビュー
今更ですが、何処かの「おすすめ恋愛小説」に挙げられていた作品。絵馬に願い事を書いたら嫁が来た、という突飛も無いストーリーだけど、読んでみると意外にもつじつまが合って破綻しない。散りばめられた伏線も上手くまとまっていて、とてもよく出来た恋愛小説だと思う。序盤からヒロイン幸の正体があらかた想像出来てしまう中で、単純にハッピーな展開になる訳でもなくラブストーリーの定番的な展開をするなど、これは映画やコミックなどのメディアと相性良いだろうなと感じた。
評価が低めなのは、僕は沖縄に対してはリゾート地というイメージしか沸かなくてリアルな生活観が浮かばないという事と、ヒロインが美人だという事に必然性が感じられなかったという事。幸が美人ではなく気立てが良くなかったなら、どんな展開になっていただろう。先日読んだ「昨夜のカレー、明日のパン」のテツコがタマゴのプラケースに例えられる様な、納得させられる必然性が欲しかった。そういう意味でも、視覚で表現される他のメディア向けという印象が強かった。
読みやすいし恋愛小説の定番ともいえるので、読書が趣味じゃない人には勧めやすいかも。