ヒマラヤ山脈東部のカンチェンジュンガで大規模な雪崩が発生、4年前に登山をやめたはずの兄が34歳の若さで命を落とした。同じ山岳部出身の増田直志は、兄の遺品のザイルが何者かによって切断されていたことに気付く。兄は事故死ではなく何者かによって殺されたのか?相次いで二人の男が奇跡的に生還を果たすが、全く逆の証言をする。
どちらの生還者が真実を語っているのか?兄の死の真相を突き止めるため、増田は高峰に隠された謎に挑む。
★★★★☆
レビュー
人気の山岳ミステリー小説。読み進めるほどに謎が謎を呼び、面白かった。雪山遭難の話なので、雪山を歩いた事があると尚の事面白いと思う。
複雑に絡まった謎が最後に集約されていく展開は秀逸。特に4年前の遭難の「真相」が思いもよらぬものだったんだけど、案外あっさりと流されてしまったのが少々残念。
山岳小説としては面白いんだけど、人物の描写や展開はフィクション感がぬぐえなくて違和感を感じたので★4つ。
山岳モノやミステリーが好きならお勧め。