シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

山に登る前に用意しておく物

登山は人それぞれ楽しみ方が有ると思うんだけど、僕は何か少し不確定な要素が有ってそれを自分なりに解決してみるというチャレンジ的なものが有ると面白いと思う。ただ、そういうものを取り入れていくと必然的に危険度が増してしまう。それに僕はいつも独りだから、安全に対するマージンには気を遣う。それでも「万が一」が無いとは言い切れない。だから出かける前には家族に必ず行先を告げて、予定するルートを書き込んだ地図と山岳保険の証券を置いて出かける。だけど、それでは足りないんだ。僕がもし遭難した時、何をすれば良いのかが家族には分からない。

まず、もし僕が帰って来ない時にどのタイミングで捜索の依頼をするのか。早過ぎると自力で下山している途中で捜索が開始されてしまうかもしれないから、日帰りなら丸2日経っても連絡が無い場合に届け出てくれ、と一応言ってはいる。

次に、捜索する規模と期間はどうするのか。僕が加入している保険は夏山冬山問わず330万円まで補償されるけど、その旨が証券では分からない。幾らまで補償されるのか、何に対して補償されるのか、何処に連絡してどの様な手続きを行うのか、330万円を超過する場合はどうするのか。誰でも分かる様に書いておく必要が有る。

更に、運悪く死んでしまったら、山岳保険請求手続きの他に生命保険の手続きも行わなければいけない。扶養主が死んでしまったから、公的な補助を受ける為の手続きを行わなければいけない。もちろん葬儀も必要になる。僕は極力簡素で良いから予め最低限の葬儀の見積もりを取っておき、それに従って葬儀を行ってもらう様に書いておいた方が良いかもしれない。

遭難して遺体が発見されればまだマシ。捜索しても遺体が見つからない場合はどうすればいいのか。遺体が無いから死亡届が出せない。一定期間後にもう死んでるだろうという想定から死亡とみなす事になるだろうけど、その期間は補償が無い。子供も金が掛かる時期に世帯主の収入が突然無くなる。家族がいきなり路頭に迷うことになる。

死んでしまってからも問題は残る。僕の口座に幾らあるのか、それらはどうやって下せるのか、家族が把握していない月々の支払いは有るのか、それは解約しても良いものなのか、解約するならどの様な手順が必要なのか、携帯電話にしても格安SIMで僕がネットで契約したものだから、何処と契約しているのか、解約するにはどうしたら良いのか家族は知らない。僕の車やバイク、自転車、ギター等はどうするのか。何も言わなければバイク王なんかに査定に出して二束三文で処分されてしまうだろう。

僕は「山で死んでも良い」とは思っていないけど、「ひょっとしたら死ぬかもしれない」程度の覚悟はしている。雪山とか滑落しそうな岩場とか好き好んで行っているんだから、「万一」が絶対無いとは言い切れない事くらいは理解しているし、車を運転する距離も相当伸びるから交通事故を起こす可能性もその分高くなる。だから、万一の時に残された家族が慌てなくても済む様に、やるべき事柄と手順を箇条書きにしておくべきなんだ。そういう物、作っておこう。

あと、「今までありがとう」くらいは書いておいた方が良いかもしれない。でも、そうするとまるで遺書みたいだな。