シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

苦労は買ってでも

 

 

 

奥さんはとある施設の受付みたいな仕事をしているんだけど、耳を疑う様な人々の話をよく聞く。その度に、世の中には変わった人が居るんだなって思ってたんだけど、先日は「券売機でチケットを買わずにわざわざカウンターに買いに来る客」という話を聞いた。決まって年配の人らしい。よくサービスエリアやショッピングモールのフードコートとかに有る様な券売機だけど、そこは大人〇〇円/子供〇〇円の2種類しかない。もう「大人」ボタンの一択しか無い、迷い様が無いのに、「分からん」と言ってくるらしい。普通に考えれば券売機で購入した方が遥かに早くて簡単で間違いが無いのにも関わらず。

これは一体どういう事なんだろう?って考えてしまった。僕が思う「普通」とか「常識」とか、そういう範疇じゃない。思うに、「考える事を放棄してしまった人たち」なんだと思った。まず自分で考えたりアクションを起こしたりする前に、とりあえず誰かにやってもらえば良いや的な。そしてそういう人達は往々にして声と態度がデカい。迷惑だからやらざるを得ない状況にしてしまう。そしてまた「誰かにやってもらえば何とかなる」という経験を1つ重ねていってしまうんだろう。決してそういう人達ばかりじゃない。だけど、声と態度が大きい人は目立つ。世の中がそういう人だらけみたいな印象になってしまう。ほんと、声と態度がデカければ何でも通るという風潮はやめて欲しい。

 先日も格安SIM(MVNO)に対する消費者の苦情が多くなっている、というニュースを見かけたけど、全く持って納得。券売機でチケットも買えない人(それに類ずる人たち)が、スマホの設定など自分で出来る訳が無い。だから誰か(店員)に作業を押し付けたいんだけど、格安スマホは実店舗が無いケースが多いから、押し付けられない。という様な事なんだろう。料金が安いのには理由が有る、それは過剰なサービスを省いているからで、つまるところ自分で面倒を引き受けるという事なんだ、というのは少し考えれば分かると思うんだけど、それは知った事じゃないらしい。考える事を放棄すると、理論的な思考は出来ないから。

世の中はどんどん便利になっていく。サービスも過剰になっていく。楽で便利なのに、わざわざ面倒で苦労する様な事は進んでしたくない。だから相当意識して行動しなければ自堕落になっていく。そして、無知で無力な大人が量産されていく。自分で考える事、自分で決断する事を放棄しちゃいけない。「若いうちの苦労は買ってでもしろ」という諺があったけど、今は「歳を取ったら苦労は買ってでもしろ」と言い換えた方が良いんじゃないかと本気で思う。自戒も込めて。