シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

夏休みGO

 

 

 

家族のスケジュールを把握していなくて、週末に何も予定が無い事に気付いたのは金曜の夜だった。登山に行く予定でも組んでおけば良かった。春先や秋冬なら朝起きてひょいと近場の低山でも行けるけど、今の時期だと前々から予定を立てて準備して遠方の高山に行かないと暑くて歩いていられない。ここの所ずっと時間が取れなくてたまに空いた休日だったから、予定を知らせなかった子供たちに対して感情的に当たってしまった。

 翌日の朝、ちょっと言い過ぎたかなと思って見ると、子供たちは普段通り昼近くまで寝てた。ようやく起き出してスマホをいじって、ポケモンGOを起動してなにやら楽しそうに話してる。「レイドバトルがなんとか」とか「どこそこに何やらが出る」とか言い合っている。お昼ご飯の後、近所のスーパーまでポケモンやりに連れてってくれと言う。うちは田舎だから、ポケモンGOを効率よく遊ぶには車で移動しなければいけない。近所のスーパーまで、という子供なりの遠慮が微笑ましい。良いよ。もっとポケストップやジムが密集した所に出掛けよう。クソ暑い昼下がりに、子供とポケモンGOをやりに行く。

 年頃の娘がお父さんとポケモンGOってどうなのよ?って思わなくもない。友達とか、彼氏とか、ドライブとか、海とか、ランチとか、ショッピングとか、青春時代はそういうものじゃないのか。僕は子供が苦手だ。だけど自分の子供が生まれた時に、この子たちが小学校を卒業するまでは一緒にいっぱい遊んであげようと決めた。中学にもなれば女の子は父親を敬遠する様になるだろう。それまで数年という短い期間しかない。それまでは子供を中心に一緒に遊ぼうって。それがどういう訳か中学を卒業し、高校を卒業した今でもいまだに一緒に居る。それが良いのか悪いのか良く分からない。でも僕の方から邪険にする必要はないだろう。就職すれば、仕事もプライベートも忙しくなって父親どころじゃなくなるだろう。「青春時代はこうあるべきだ」と決めつけなくても良いんじゃないか。本人が楽しければ。

子供は親に逆らえない。学生であれば尚更で、生活する為にはどうしても親に頼らなければいけない。だから、一時的な感情で理不尽な責め方をしてはいけないと思う。子供はそれに耐えるしか術がないんだから。 本当は子供なりに僕に気を遣っているのかもしれない。遊んでもらっているのは僕の方なのかもしれない。山登りする事だけが楽しみじゃない。汗だくになりながら、スマホを握りしめて一緒に短い夏を満喫しよう。