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登山の膝痛を検証する

 

まえがき

まず膝痛はとても難解で、個人差や症状によって解決方法や予防方法も全く違います。ネット上では様々な症例や対策法が紹介されていますが、信憑性(自分の症例と合致するかどうかも含めて)に乏しくあまりアテに出来ません。対策を間違えば悪化させる事になります。故にこの記事も読む人のためになるかどうかは非常に怪しいです。これはあくまで個人的に検証して症状の改善を試みる個人的な覚書でしかありません(検証に間が空くと詳細を忘れてしまう)。本当に膝痛を治したいのであれば専門医の受診お勧めします。

 

 

 

【膝痛が出るシチュエーション】

15km以上のランニング

長距離の山行の下山時

 

【膝痛の個所】

膝の皿の裏側

 

「膝の痛み」と言っても様々なので、まず自分がどんな時に何処が痛むのかをなるべく正確に把握しておきたい。痛みを感じるシチュエーションを詳しく観察すると、継続して負荷を掛け続けると痛み出す。登山の場合、下山時に痛む、痛み出しても登りはあまり痛まない、林道等比較的平坦路でも痛まない。痛みの個所は膝の皿の内側真ん中辺り。下りで膝を曲げて膝関節に体重が掛かるタイミングで痛む。膝用サポーターを使っても変化は見られなかった。

膝痛は難解で整形外科に行っても簡単に解決しない。以前首の痛みからくる片頭痛でも結局異常無しで解決しなかったし、膝痛に関するサイトでも「問題ないと診断されるケースが多い」と書かれている。そこで知り合いの接骨院の先生と話す機会が有ったので聞いてみた所、「膝蓋大腿関節症」だろうと診断された。ちなみに、接骨院でもアスリートや運動系部活動の子供が多く通うスポーツ系に強い所の方が関節の悩みには的確な回答がもらえるんじゃないかと思う。

 

【膝蓋大腿関節症の原因】

太ももの筋肉を酷使する事で膝の皿が圧迫される

 

【推奨された対策】

アイシング

筋肉をほぐすマッサージとストレッチ

 

太ももの筋肉から伸びる筋は皿の上を通って脛の骨に繋がっている。太ももの筋肉を酷使すると筋肉がこわばって筋が引っ張られ皿を圧迫して膝が痛む、という事の様。痛みが出るタイミングと痛みの個所を考えると納得出来るので、膝蓋大腿関節症の疑いが強い。

 

階段を下りる時に膝が痛む | 40代女性へ!膝の痛みを自分で治す症状別改善方法


膝の痛みの原因となる『膝蓋大腿関節症』について/特徴・症状・治療

 

 そこで、風呂に入った時に太ももの筋肉をマッサージしてみたり、登山で下山する時に膝をアイシングしてみたりしたんだけどやっぱり膝が痛む。歩行距離16km/累積標高1500mの行程。距離は長めだけどそれ程ハードでもない行程なのに痛みが出た。それを踏まえてもう一度接骨院の先生に相談したかったんだけどお互いなかなか忙しいので、自分なりに対策を考えてみようというのがこの記事の主旨。(後から思えばアイシングするのは膝関節ではなく、太ももの筋肉だと思う。反省材料。)

 

 【膝蓋大腿関節症の対策として挙げられている事】

1)バランスの取れた筋肉つくり

2)太ももの筋肉の負荷を減らす

3)登山靴を変える(経験則から)

 

1)バランスの取れた筋肉つくり

太ももの前の筋肉が強過ぎる事が要因なので、他の筋肉を増強してバランスの取れた筋肉構成にするのが最も理想的な解決方法。太ももの内側やお尻の筋肉を強化する事が効果的らしいけど、そんな筋肉をどうやって部分的に強化出来るのか分からないのと、筋トレしてすぐに解決するものでもないのでこれは長期的計画として後回しにする。

 

2)太ももの筋肉の負荷を減らす

酷使する事で痛みが出るなら酷使しなければ良い。ただ行程が長い山行、標高差が激しい山行はどうしても酷使せざるを得ない。そこで登りからダブルストックを積極的に活用して負荷を分散し、太ももの筋肉に掛かる負荷を減らそうという狙い。

 

3)登山靴を変える

これはあくまで僕個人の経験よるものなんだけど、トレッキングシューズを履いた場合、膝に痛みが出る。重登山靴を履いている時は痛まない。重登山靴は積雪期と残雪期しか履かないので、路面の違い(雪が有るかどうか)で膝に掛かる衝撃荷重が変わるからかもしれないと思ったんだけど、積雪期の登りは夏山以上に酷使するので単純に路面の問題ではない様な気がする。素人考えでは日帰りの軽装なら軽くて柔らかい靴を履いた方が足に掛かる負担も少ない様に思えるんだけど、重登山靴を履いた方が負担が軽くなる要因が有るのかもしれない。

 

 

検証 (1)

日付 2017年9月2日

場所 空木岳~南駒ヶ岳

距離 24.0km

累積標高 2440m

靴 縦走用(DOLOMITE CONDOR CROSS GTX)

結果 膝に疲労感は有るけど目立つ膝痛無し

 

【考察】

歩行距離24km、累積標高2400mは明らかに膝痛が出る行程。以前も同じルートで下山時に痛み出してペースがガタ落ちした経験が有る。そこで靴を登山靴(冬対応ではない縦走用)にし、スタート時からダブルストックで歩いた。

ダブルストックはかなり有効な印象。感覚的なもので数値化出来ないんだけど、岩場に入ってストックを使わなくなったら明らかに太ももの筋肉の負担が増えたのが分かる。代わりにストックに充分に負荷を掛けられる様にするにはペースを落とさなければいけない。バランスを取る為ならともかく、ストックに充分負荷を分散させようとするとガンガン歩くペースに追従できない。

歩行時に膝を観察すると、登りはほとんど膝が伸びていない。膝が伸びる前に次のステップに移行するから、常時膝関節が曲がった状態になっている。つまり常時太ももの筋肉に負荷を掛けた状態になっている。この事から、登りの時からガンガンとペースを上げる事で太ももの筋肉を過度に酷使していたのではないかと思う。高負荷に耐えられるだけの太ももの筋肉がついてしまったのも、ある意味問題だったのかもしれない。

 逆に下りは膝関節に衝撃を与えない様にゆっくりと下りる為、その「ゆっくり」の間は膝関節が曲がった状態をキープしていて、これも太ももの筋肉に過大な負荷を掛けている。登りの「ガンガン」と下りの「ゆっくり」の両方で太ももの筋肉を酷使し、結果的に膝が痛む原因になっているのではないか?膝が痛みだしても林道程度の傾斜では膝関節は「くの字」になるほど曲がらないので痛みが出ないのではないか?

と、ここまで考えて、

「そろそろと下るのは逆効果ではないか?」

って事に気付いた。僕の症状から推測すると、膝痛の原因は足を着いた時に膝関節に掛かる衝撃荷重ではない。膝関節に衝撃荷重を掛けない様に膝をゆっくり曲げながら下るのは、膝関節を曲げている時間が長くなる=太ももの筋肉に負荷を掛ける時間が長くなるという事で、実は余計に悪化させているのではないか?現にえげつない斜面を事も無げにすたすた下っていく登山者を見掛ける。それは特別屈強な膝関節を持っているからではなく、その方が効果的だからじゃないのか。それに気付いて下り終盤ですたすた下ってみたけど膝の痛みは出なかった。ただ、速く下るのと「太ももの筋肉に負荷を掛けない」のとは違う。着地のショックを吸収する為とか、着地時のスリップを嫌って膝関節を曲げた状態で速度を上げるとあっと言う間に痛む。長い間「着地の衝撃荷重はNG」だと思い込んでいたし、膝を使わない歩き方はスリップを誘発しやすいので歩き方に慣れるまでには時間が掛かりそうだけど、これが有効なら「膝も痛まず速度も上げられる」という一石二鳥の効果が得られるかもしれない。

 登山靴にかんしては、今回膝に痛みが出なかったので、それがストックと歩き方の効果なのか、靴によるものなのか判断出来ない。それと、痛み出しても登りではあまり痛まない理由は良く分からない。

 

 これからの検証

正直、ストックを使ったせいなのか、靴のせいなのか、たまたまなのか、1回だけでは分からない。同じ程度の行程でも痛まなかった時も有るので、今後もっと検証してみようと思う。

とりあえず今度は

トレッキングシューズ+ダブルストック+下りスタスタ

で膝痛が出るかどうかを検証してみる。これで痛みが出るなら登山靴の影響だし、出ないならストックと歩き方によるものと思われる。

 

 

 膝蓋大腿関節症はネット上の解説では「膝関節の軟骨が減って痛む」と書かれている。筋力バランスの問題なら良いんだけど、軟骨の問題も併発しているとするとハードに歩くのは控えた方が良いのかもしれない。どちらにしろ素人判断ではなく、専門医に詳しく診てもらうのが結局は一番近道なんだろうけど、整形外科とか腕の良い接骨院とかはやたらと混雑していて働き盛りの社畜が行ける所じゃないんだよね。

 

 

検証 (2)

日付 2017年9月10日

場所 養老山系 笙ヶ岳~小倉山

距離 12.0km

累積標高 883m

靴 トレッキング(adidas TERREX SWIFT GO)

結果 違和感、膝痛無し(前回は違和感~若干の膝痛有り)