シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

やさしさコンボ

 

 

 

うちの奥さんはとある施設の受付の様な仕事をしているんだけど、時々目に余るアウトなお客さんの話を聞く。状況は様々なんだけど、そのほとんどが「年配者」だった。最近良く耳にする「キレる年寄り」だ。

それでも僕が奥さんから伝え聞くのは特に酷かった極一部の人達だろうから、全体に占める割合としてはそれ程高くないだろう、せいぜい2割位じゃないか、と思っていたら逆だった。つまり「年配者の8割方はタチが悪い」という事らしい。うちの奥さんは以前も他の施設で受付みたいな仕事をしていていろんなお客を見ているだろうから、著しく偏った判断という訳でもなさそうだし、それを聞いて僕は「え?マジか?アウトが2割じゃないの?」って2、3回聞き直した。そこまで酷いとは思わなかった。ちなみにアウトなのは男性ばかりじゃなく、性別はあんまり関係ないらしい。若者DQNも稀に居るらしいけど、圧倒的に年配者。

 うちの娘は今飲食店でバイトをしている。お酒も提供する様なお店だから最初は客層を心配したんだけど、割と落ち着いたお客さんが多いらしい。それでも昨日は愚痴をこぼしていた。「お店のルールを守らない」「おじさんは何であんなに高圧的なんだろう」って。割合は多少違うかもしれないけど、ここでも同じなんだ。

 そんな話を聞く度に、僕はそうなってはいけないと改めて思い直す。コンビニの店員、ファミレスの店員、スーパーのレジで手際が悪くてもしかめっ面はしないし、社員食堂のおばちゃん、掃除のおばちゃんにも丁寧に対応する。下請け業者にも丁寧に対応するし、仕事がやりやすい様に段取りや準備をする。もちろん家族にも高圧的な言動はしない。

そうやって、僕はどんどん優しくなっていく。あと3年ほどしたら僕は悟りを開いて仏になっているかもしれない。生き仏。お布施とか沢山貰えるかもしれない。

 

煩悩にまみれた僕が仏になれるとは到底思えないけど、でも人に優しくするというか、丁寧に対応するという事には大きなメリットが有る。それは道徳的な意味合いではなく。世の中の年配者の8割がアウトなんだ。つまり、周囲の人や店員さんに普通に対応するだけで世の中の「良い人の上位2割」に入れるって事だ。当たり前の事をしているだけで。更にちょっとだけ丁寧にするとか、労いの言葉を掛けるとかすると、もう完璧に良い人。良い人の上位1割に入れる。そしてその対応によって周囲の人や店員さんは「あぁ、この仕事をやってて良かった。」「世の中捨てたもんじゃない。」って更なるモチベーションにつながるかもしれない。もしかしたら、その人の人生を変えるキッカケになるかもしれないし、Twitterで「なに?この神対応!」って拡散されてバズっちゃうかもしれない。

ほんのちょっとした気遣い、それは当たり前とも思える様な些細な優しさかもしれないけれど、そうする事で相手もまた優しくなれるかもしれない。見ている人も優しい気持ちになるかもしれない。もちろん世の中いろんな人が居るんだから、「クソがっ!」って思う人だって居るだろうけど、それでもそうやってささやかな優しさが連鎖したら良いのに。優しさのコンボ。

 

年末年始のサービス業なんてただでさえ過酷なんだからさ、せめて優しさが連鎖してくれたら良いのに。 そういう僕も年末年始仕事なので、労いの言葉は掛けて貰っても全然かまいませんよ。いや、頑張ったよ。僕も頑張ったし、みんな頑張った。だから労いwelcome。