シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

ATはつまらない

 

 

日産マーチを処分して代わりに新しい車を購入して3週間ほど。新しい車は奥さんがほぼ毎日通勤に使っているので、僕はもっぱら今まで奥さんが乗っていた軽自動車(三菱アイ)に乗ってる。

軽自動車はとかくバカにされがちだけど、1人または2人で乗る分にはターボエンジンじゃなくても動力的には特に不便は感じない。加速が若干鈍いだけで、幹線道路の流れをリードする事くらいは容易い。だから別に軽自動車でも僕は構わないと思ってる。ただ唯一、MTじゃないのが苦痛というか、運転していても全く面白くない。久しぶりに思い出した。マーチに乗る前は全て我が家のメインカーはATだった。運転を楽しもうという気には到底なれなかった。

ATの利点はクラッチ操作を必要としない事、だからシフトチェンジの時にアクセルペダルを戻す必要が無いという事。だから例えばエンジンが一番調子良い回転数が5千回転だとすると、絶えず5千回転を狙っていれさえすればいい。だけど一見簡単そうに見えて、ATの場合はシフトチェンジのタイミングを的確に自分で決める事が出来ないからなかなか難しいし、意図しないタイミングで変速したりして気持ち良くない。ATは変速ギヤが無いCVTの方が相性が良いのかもしれない。今度我が家のメインカーになったのはフォードのフィエスタだ。フィエスタはDCT(デュアルクラッチ)だから、DCTを自分で変速するのが一番効率が良さそうだけど残念ながらフィエスタのマニュアルシフトは操作しにくい。ドライバー自らが変速する事はあまり重視されていない。そもそもDCTをマニュアル操作するなら、端からMTを運転した方がマシだろう。

 フォード・フィエスタは日本ではほぼ無名に等しい不人気ぶりだけど、欧州ではかなり評価が高い車だ。自動車関係のインプレッションを見ても、総じて評価は高い。だからある程度は期待していたものの、運転する面白さだけで言えばマーチのMTの方が遥かに面白かった。パワーフィール、ボディ剛性、ブレーキ性能、ハンドリング、シート形状、その全てがマーチよりも圧倒的に秀でている。だけど、乗せられている感しかない。あの自分の意のままに操っている感は感じられない。

多分、僕の好みや感性がちょっとおかしいんだろう。僕は、「バイク」を基準にしているのかもしれない。軽快感やリニアな反応を求めるのは、バイクのライディングフィールが痛快だからかもしれないし、極力シンプルな物を求めるのもそうかもしれない。リニアに反応しないバイクなどとてもじゃないけど乗ってられなくて、車とは比べ物にならないほど繊細な感覚を要求される。軽々しいハンドルも、不安定な車体も、バイクに比べればクルーザーみたいなものだし、軽自動車は危ないと言ったって運転者が生身でむき出しのバイクとは比べ物にならないほど安全で安心感が有る。そんな物を家族で使うか、というのは置いといて。

 今更ながらに、マーチのMTは面白かったんだ。こんなにも面白かったんだ。市街地を走るだけで、赤信号で減速停止、青信号で加速、それだけで一喜一憂出来る車なんてそんなに無かったんだ。「今のは絶妙な変速が出来た」とか、「今のはちょっと合わなくてショックが有った」とか、「今のは狙い通りのラインに乗せられた」とか、そんな事をいつも思ってた。今はモチベーションもテンションも上がらない。三菱アイもフォード・フィエスタも良い車だと思う。でも僕が選んだ車ではないし、特に思い入れも思う事も無いからインプレッションを書く気にもならない。

今時MTなんて、などもう言われ尽くした。だけど、今でもMTに乗る人なら分かっているはずだ。本当に運転する事を楽しみたいと思ったら、ATはMTには到底かなわないって事を。楽だとか便利だとか効率が良いとか、そんな事じゃない。面白いか面白くないか、だ。あと10年か20年か分からないけど、ハイブリッド化、電動化が進めばMTは必然的に淘汰されていくだろう。だからせめてそれまでの間位MTの楽しさを享受したって良いじゃないかって思う。