誕生日の夜、プレーリードッグや地球外生物が集い、老婦人は可愛い息子の将来を案じた日々を懐かしむ。年寄りだらけになった日本では誰もが贈り物のアイデアに心悩ませ、愛を語る掌サイズのおじさんの頭上に しぐれが降りそそぐ。不思議な人々と気になる恋。不機嫌上機嫌の風にあおられながら、それでも手に手をとって、つるつるごつごつ恋の悪路に素足でふみこむ女たちを慈しむ21篇。
★★★☆☆
レビュー
川上弘美の短編集。老若男女登場人物の描写が上手くて、あれ?これエッセイだったっけ?と思いかける。時折ファンタジーが織り込まれ、それぞれの短編はほぼ因果無く、ゆるく話が進む。
悪くは無いけど秀でて何かが残る訳でもない。ただ、作者のゆるい文体は嫌いじゃない。