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マイカー購入契約 格安のMT軽自動車を考察する

 

 【いきさつ】

娘と共用していた軽自動車(三菱アイ)の車検が年末に切れる、既に16万km走っている、シャフトブーツが破れた、等々、このまま継続車検で乗り続けるのも微妙になってきたので車を買い替えたい。というか、娘が全然乗らないので、それなら僕が運転して楽しい車が欲しい。

 

【条件】

金が有れば苦労はしない。しかし無い袖は振れぬ。現実に照らし合わせ、限られた条件下でいかに面白い車を得るかを考えよう。ちなみに、僕は中古車に対して特に抵抗は無い。そして、「格安で面白い車」に主眼を置いているので、多分世の中の大半のドライバーとは嗜好が異なると思う。購入に至るまでの経緯を書き記しておくだけなので、以下の記事で共感を得ようなどとは微塵も思ってない。

 

1)軽自動車

うちのメインカーは普通車(奥さんの好みで選定し主に奥さんが乗る。家族で乗る時も大抵コレ。)なので、セカンドカーは必然的に軽自動車になる。何故奥さんが主に乗る車がメインカーなのか?は以前記事に書いたから割愛。移動距離が極端に長いとか大柄な荷物や大人数を頻繁に運ぶ必要が有るとか、やむを得ない条件が無い限りはランニングコストの関係上軽自動車が妥当だろう。でも僕は元々小さくて軽い車が好みなので、軽自動車に対しては全く抵抗が無い。

2)イニシャルコスト

何かと物入りな家庭事情と、景気の不安定さもあって極力金は掛けたくない。希望は乗り出しで20万円。最大でも40万円。そんな中古車はほぼ底値の市場価値が無い車限定になるけどやむを得ない。不人気車に限定すれば、比較的程度の良い物も有るには有る。

3)ランニングコスト

いくら安い車両だからといって、維持費が掛かるのでは元も子もない。税金などの諸経費に加え、ある程度燃費が良く、トラブルが少なく、補修部品が入手しやすく安価である事は維持していく上で重要。結果、面白みは無いが比較的新しめの国産車になる。

4)MTであること

MT(マニュアル・トランスミッション)はどうしても譲れない条件。今まで運転してきて、自分の意のままに操作できるMTはやっぱり圧倒的に楽しいし気持ち良い。多段速AT、CVT、DCT、マニュアルモード付きAT、そのどれもが3ペダル(クラッチ操作が必要な)MTには敵わない。特にパワーが無い車の場合はMT以外は考えられない。楽だからとか便利だからとか今時のATはMTよりスムーズで速いとか、そんな事はどうでも良い。面白いか、気持ち良いか、だ。家族でMTを運転出来るのは僕しか居ないので、一番譲れない条件で有りながら一番厄介な条件でもある。

5)10年乗る

乗るからには、気に入った車を10年乗りたい。それだけ愛情を注げるだけの魅力が有る車が良いし、それだけの耐久性(車両の状態)は欲しい。これは今回に限らず、購入する時は常に考えている。

 

こんな条件を満たす車を探すのは非常に困難だ。というか普通に考えたら不可能だ。だけど大丈夫。僕の感性は普通じゃないから。なんせ今までのサイコーの車が日産マーチだから。ちなみに軽自動車限定でなければ、今でも日産マーチのMTのコスパは抜群に良い。

 

【候補】

MT設定が有る軽自動車、という条件で大半の車種が消える。その中から20万円以下という条件で更に減る。そんな中かろうじて条件に見合うもの。順番は僕の希望ランキング順。

1)軽トラック

本当は軽トラが欲しかった。狙っていたのは三菱ミニキャブトラックのMT、4WD、1999年~2000年式。軽自動車の新規格に合わせて三菱が開発した渾身の1台だ。あまりに先進過ぎて受け入れられず僅か2年でマイナーチェンジしてしまった不遇のモデル。次点でホンダ・アクティトラック。ミッドシップにビスカスカップリングのリアルタイム4WDってスポーツカーかよ。ただ、どれも古い割に結構な値段するのと、子供2人乗せる必要が有る時に対応出来ないので泣く泣く断念した。ちなみにこの年代は割とエアコンレスが有るので注意が必要。

2)ダイハツ エッセ

最後まで悩んだ1台。軽量でコンパクトな車体に5MT、おしゃれと言えなくも無いデザインで好みに見事にマッチ。クラシック・ミニとルノー・サンクを足して2で割って-5位した様なデザインだし、レースやジムカーナに使っている人も多い。比較的近代的なシャシーとエンジンで燃費も良く、今でも充分実用に耐え得る。ただ、ノーマルのフィーリングは日産マーチの方が良かった。新車の車両価格がかなり安かったので、それを考えると旨味は少ない。

3)ダイハツ ムーヴ(L175/4代目)

ムーヴの4代目、流線形のワンモーションフォルムになったモデル。カスタムではないベーシックなモデルの方。デザインが好みだったのと、売れ筋車種だからコストも掛けられており、トータルではエッセよりも満足出来そう。ただ、代車でCVTモデルを運転した時は全然トキメかなかったし、これがMTになったからといって楽しめるのか疑問。プラットフォーム(シャシー)やエンジンは比較的近代的で非常に出来が良く、車内の広さやシートアレンジが多彩など、使い勝手は今でも抜群。なのに、L175は不人気な上にMTのムーヴなど誰も欲しがらないので程度が良い車両が安価に手に入るのが悩ましい所。足車には良いけど、MTにする意味が薄い。

4)スズキ kei

軽自動車SUVのハシリ。ハスラーの前身に当たるモデルだけど、keiは底値だ。以前OEMマツダラピュタ(AT)がうちのセカンドカーだったけど、見た目と裏腹に広い室内、充分実用的な後部座席、パワフルなエンジンと満足度が高かった。ワークスモデルでなければMTは底値で買える。トータルではかなり満足度が高い。ただ、一度所有しているし、今更買って10年乗り続けるだけの魅力が有るかというとイマイチ決定打に欠ける。

5)スバル R2

R2にはMTが設定されていた。不人気車で更にMTだから、これも底値で買える。軽自動車の660ccエンジンなのに4気筒という妙にマニアックなエンジンを積んでたりする。良い車なんだけど、デザインは三菱アイの方が洗練されている印象。スバルR1にMTの設定が有れば第一候補だったんだけど残念ながらCVTの設定しか無い。

6)スズキ ジムニー(JB23型/3代目)

新型ジムニーが高評価だけど、僕は旧型の方が好み。ジムニーは未だに1年近い納期待ちが有る程の人気なので旧型の値が下がるかと思いきや相変わらず高い。20年落ちで車両価格20万円位なら欲しいけど、古くて過走行車でもとんでもない値段がついてる。そもそも僕はクロカン四駆が好きじゃない。車体は重いし重心は高いし、舗装路でのコーナーリングは圧倒的に不利になる割に、メリットである未舗装路(それも道とは呼べない程荒れた)に入り込む事がほとんど無いからだ。だから古くて程度が悪いのにプレミア価格のジムニーを選ぶ理由が無い。ただ、極めてシンプルで機能的な構造は重機みたいで機械的な魅力が有るし、人気車種故の膨大なアフターマーケットパーツは長期間所有する上では魅力的ではある。

7)スズキ アルト

上記に挙げた条件ではベストな選択。軽い、シンプル、安い。ただ、どうしてもデザインが気に入らなかった。前モデル、前前モデルもダメだったし、マツダOEMもダメだった。ラパン位のデザインなら良かったけど、ラパンのMTもアホほど高い。ワゴンRもMT設定が有り中古車も沢山出てくるけど、これも僕の琴線には触れなかった。アルトもワゴンRも、軽自動車の中では性能的にとても優れているので足車の外観なんかどうでも良いと思うかもしれないけど、長期間愛用するには重要なポイントだ。

8)三菱 ek-wagon

ekワゴンもかつてはMTの設定が有った。ただ、アイに比べるとどうしても廉価な造りで、かつての「安い足車」から「必要にして充分な軽自動車」への過渡期なモデルで決定打に欠ける。トッポBJも同様。シンプルな外見は地味な反面流行りに左右されない為、あまり古さを感じさせないのは利点か。常々アイにMTの設定が有れば良かったのにと思う。可愛らしい外見だけど中身は相当マニアックな造りなので、あれは絶対にMTの方が楽しい。MTに拘らなければアイを買い直していたかもしれない。

9)ホンダ ビート

バブル時代のスペシャリティカーも、S660が販売されたおかげでプレミア感が薄れてきた。しかし30年ほど前の車になるとそこそこの程度にするにも金が掛かるので予算オーバーになるし、足に使うには雨漏りも心配。そもそも2シーターが許容できるなら軽トラックが欲しい。

 

他)ホンダS660、スズキ・ハスラーは好みだけど高過ぎて除外。あと、1998年以前の旧軽規格のモデルも古過ぎて除外。余程の名車でない限り、シャシーとエンジンは新しい方が良い。

他に、VWゴルフの5型が好きだったけど今なら底値で買える。ただ、MTの設定が無い(GTIはMTが有るけど高額なのとターボの故障が目につく)のと、デカくて重いのと、税金が高いのと、古い外車はトラブルが頻発してウンザリするのが目に見えてるのでやめた。でも、あの造りの車両が30万円程度で手に入るのは魅力的ではある。MTに拘らなければトラブルを潰しながら乗るのはアリかもしれないけど、MTに拘らないのであれば他に候補は幾らでも有る。

 

 

【決定】

三菱パジェロ・ミニ(1999年)

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散々悩んでパジェロミニ三菱アイから引き続き三菱車なのは僕がコアな三菱ファンな訳では無くたまたま。三菱は不人気だから他メーカーと比べると程度の良い物が安く買える傾向にあるので狙い目ではあるけど、理由は機能的で実用的な割にジムニーに比べてかなり安いから。

先日行きつけの車屋さんに、修理中のジムニーがリフトアップされていた。下から覗くとトラックの様な質実剛健さで非常に機能的な構造になってる。10万km、20万km走った車両が平気で中古車市場に出回っているのも分かる気がする。とにかく、シンプルで機能的で軽自動車のレベルではない丈夫さだ。ただ、ジムニーはバカ高い。だけど、パジェロミニは比較的安い。もちろん構造の違いは大きいけど、ジムニー特有の独立したラダーフレームとか前後リジッドアクスルなどは片輪が浮き上がるほどの「超」過酷なオフロード走行でしか意味をなさない物で、僕の使用用途では必須ではない。パジェロミニジムニーほどオフロード性能に振ってないけどそれでもかなりの性能だし、コンパクトな車体と相まって使い勝手は良さそうだ。SUVというよりはクロカン四駆に近い性格なので頑丈だし、既に古い車両だけどそこそ良い程度の車両を手に入れておけば、それほど金を掛けなくてもこれからも長く愛用出来そう。

なんせ安い。ジムニーほどMT車が人気ではないので、比較的安価に手に入る。「三菱」というブランド力の低下も拍車を掛けている。お陰で程度が良い車両を安価に入手出来た。第一希望の軽トラックではないのは残念だけど、日常的な使い勝手はトラックほど悪くないし、致し方ない。