シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

京セラ TORQUE G03 を雪山登山でGPSに使う

 

 

 

 

おことわり

京セラ製スマートフォン TORQUE G03の雪山での使用を勧めている訳じゃないし、雪山での動作を保証するものでもない。市販のスマホを登山用GPS(しかも雪山)として使うのはリスクが有る。信頼性を求めるなら登山専用(ガーミンのGPS)を購入する事をお勧めする。常識だとは思うけど、念の為に。

 

 

京セラのスマホ、TORQUE G03を買いました。

www.kyocera.co.jp

 

2017年発売なので、今さらながらのモデル。既に新型のG04が発売されている。処理速度も大した事は無く、僕が今普段使いしている2015年に発売されたLGのNexus5xと比べても劣る位。それを何故今買うのかと言えば、安かったからだ。程度それなりの中古が5,980円。

いくら安くても使えない物に金を出すのはムダだ。ただ、TORQUEはアウトドアを強く意識した仕様で、カタログ上ではMILスペックを満たしているという。正直MILだろうが何だろうが過度に期待はしていないけど、防水と低温動作の条件を満たしているのは登山で使うには魅力的ではある。

 

 

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中古スマホのショップ「イオシス」で5,980円で購入。先日もイオシスで下の娘の為にモトローラのG8を買ったけど、割と安価に買えるしオークションとは違うので安心感が有る。ただ、商品は機種毎の参考画像しかなく商品のスマホ単品での画像が無いので、届くまでどんな物が来るのか分からない。今回はランクCの程度それなり品だったので背面カバーに結構擦り傷が有る。液晶画面も僅かに傷が有る。

 

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いくらヘビーデューティスマホといってもちょっと幻滅してしまうので、カバーを磨く。プラスチック用研磨剤を買おうかと思ったんだけど安価に買ったのに余計な金を掛けたくない。手持ちのバイクパーツ磨きのNEVRDULLで何とかならないか。

 

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意外に綺麗になった。凄いなNEVRDULL。ちなみに背面カバーは簡単に取り外す事が出来るし、カバーだけ売っている。緑色が欲しかったので、今後使ってみて金を掛けるだけの価値が有ると判断したら新品のカバーを買うかもしれない。背面カバーよりも保護カバーの方が欲しいけど。

 

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背面カバーを外すとインナーカバーが有る。インナーカバーを外すとバッテリーパックを取り外す事が出来る。ユーザーで簡単にバッテリーを交換出来るのはメリット。予備にバッテリーを買っておいても良いかもしれない。

 

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TORQUE G03 背面。ゴツいけど、無駄にゴテゴテし過ぎていないのは好感。

 

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TORQUE G03 正面

 

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iPhone8との比較。TORQUE G03の画面は4.6インチだけど本体はデカい。

 

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iPhone8との比較。背面。

 

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今まで登山用GPS専用に使ってきたソニーのスマホIS12Sと比較。IS12Sは2012年に購入してるのでかれこれ8年以上使っている。防水だしコンパクトなので携帯しやすく、冬山でも電源が落ちたりバッテリー切れになったりする事も無い。ただ、OSはandroid4.0.4でアップデートは終了しており、最低限の負荷しかかけなくてもさすがに動作ももっさりしている。

 

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IS12Sは防水だけど、カバー付けて大切に使ってきたので今でも綺麗だ。

 

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TORQUE G03はとても分厚い。横向きで立つ。グローブをした状態でも操作できる様にカメラのシャッターボタンがデカい。

 

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今時珍しいストラップホールが本体についている。左側面のボタンは機能を割り当てられる。

 

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SONY IS12Sに比べれば相当ハイスペックにはなるけど、登山で、しかも雪山で使うので極力負荷を軽くする。必要無いアプリは全て削除し、使わないアプリは強制終了させる。キャリアスマホなので余計なアプリが沢山入っていてウザい。画面の背景も黒一色にして、必要最低限のアプリしか入れない。登山では「山旅ロガー」で歩いたルートのログを記録し、自分の位置確認や地形確認では「地図ロイド」を使っている。歩いている時は山旅ロガーしか起動していないのでバッテリーの持ちはすこぶる良くて、冬山歩いた後でもIS12Sでも8割位残っている。IS12Sがいまだに使えているのは、この2つのアプリがとても軽いからだろう。

 

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地図ロイドで地形図を表示させる。右がSONY IS12S、画面は4.3インチ。左が京セラ TORQUE G03、画面は4.6インチ。本体サイズの割には画面サイズは大差無い。TORQUE G03は防御力に全振りしてる。

 

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TORQUE G03はキャリアがauなのでドコモ系の格安SIMでは使えないみたいだ。アンテナは立つけど通信しない。元々オフラインで使う予定で、自宅のWi-Fiでしかネットワークに繋がないので特に困らない。出先でネットワークに繋ぎたい時が有るかもしれないので、一応デザリングの設定をしておいた。デザリングはスレーブ側(子機側/ネットワークを借りる側)は出来る。マスター側(親機側/ネットワーク元)はauのオプション設定をしないと出来ない。LGのNexus5xに対してはBluetooth設定すればネットワークに繋がった。

ストレージは32GB。micro-SDカードスロットが有る。OSはandroid8.1.0までアップデート出来る。

 

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登山での携帯はザックのショルダーストラップにセミハードケースをつけ、それに収納している。雪山でもこの状態だけど、今まで止まった事は無かった。

 

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SONY IS12Sだと丁度良いサイズ。

 

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TORQUE G03だとギリギリ。無理やりなら何とか入る感じ。スマホカバーを付けたら入らない。収納も考えないといけない。

 

本体サイズは大きくて重い。その割に画面サイズは小さく、処理能力も秀でてはいない。それでも後継モデルが販売されているという事は、ヘビーデューティスマホを望むユーザーが一定数は居るんだろう。TORQUE G03もスマホとしての基本性能は期待出来ず、ヘビーデューティ仕様が逆に使いにくくさせている面も有るので普通の人なら買わないだろう。だから安価に購入出来たんだけど、アウトドアなどの特定の用途に対しては非常に有効だと思う。

個人的には防水も耐衝撃性も期待はしていない。新品購入直後ならまだしもパッキンは劣化するしヘタって柔軟性も低下する。防水を信じて精密電子機器を水中に突っ込むなど無謀だし、精密機械を乱暴に扱って落としたりぶつけたりするのもナンセンスだろう。期待しているのは非防水よりはマシ、防滴程度の性能で、雨や雪の中を歩いても壊れないレベル。普段使いの通信用スマホは電源を切ってジップロックに密封して持ち運んでいるので、そういう手間が無く、雨や雪の中で操作しても大丈夫、というのは便利。いざという時に正常に動いてくれれば良い。

 

 

購入の検討

メーカーはアウトドア仕様をうたい文句にしているけど、鵜呑みにする程お人好しじゃない。過酷な環境下でも使えるのか買う前に調べてみた。

time-space.kddi.comまぁauKDDI)の広告的な記事だから贔屓目ではあるだろうけど、一応-20℃以下でもちゃんと動いている。

 

 

www.greattraverse.comグレートトラバースの田中陽希氏も使っているらしい。まぁこれも広告というかスポンサーだろうから良い事しか言わないだろうけど。

 

 

耐衝撃性はどうかというと、MILスペックは伊達じゃない。

www.smart-max.jpこれはG02で前のモデルになるけど、マンションの3階から落っことしても液晶割れ程度で済んでいる。内部基盤まで破損していないのは凄い。思ってた以上に頑丈。

 

プロモーション記事だろうけど、概ね高評価だ。個人のレビューを見ても否定的な意見はとても少ない。多分これを購入する人はこの製品の性格を理解してるんだろう。それでも否定意見が少ないのは珍しい。

と言う訳で、僕が歩く雪山程度なら正常に動作しそうだ。

 

 

 雪山用GPS

今までSONY IS12Sを使ってきて、動作は重いものの致命的な不具合やトラブルもなく特に買い替える予定は無かった。ただ、先日ホワイトアウトの霊仙山で迷ってしまってGPSは最後の生命線だという事も実感。地図とコンパスで進むべき方向はある程度分かる。ただ、完全なホワイトアウト状態だと数m先までしか見えなくて、うっかり雪庇を踏み抜きかねない。体力も時間も余裕が有ったとしても、一面真っ白で、自分が今何処に居て、どの方向へ進めば良いのか分からず、周囲の地形や状況も分からないとなると何も出来ない。GPSが無くてもリカバリーは出来るだろうけど、GPSが有ればより速くより正確にリカバリー出来る。体力も時間も余裕が出来る。

なので、この先も雪山に登るなら登山用GPSを持った方が良いんじゃないかと思った。エントリーモデルなら2万円台で買える。ただ、ガーミンのGPSを持てば安心というものでもない。ガーミンはプロでも使う信頼性が高い製品だけど、絶対ではない。使い勝手も使ってみないと分からない。GPSを持てば良いという単純な事ではなく、リスクに対してどうする事が一番有効なのか判断する事が一番重要なんだと思う。

だからTORQUE G03も過剰な期待はしていない。リスクを軽減する為に、SONY IS12Sよりはマシだろう程度の期待だし、まずはGPSに頼らなければならない状態に陥らない事が大事だろう。しばらくは予備機でIS12Sも携帯するかもしれない。