シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 卵の緒

卵の緒 (新潮文庫)

卵の緒 (新潮文庫)

あらすじ
僕は捨て子だ。その証拠に母さんは僕にへその緒を見せてくれない。代わりに卵の殻を見せて、僕を卵で産んだなんて言う。それでも、母さんは僕を愛してくれる。
レビュー
久々に凄い良い本に逢いました。2つの短編で、どちらも泣ける話とか、感動に打ちひしがれる様な話ではないのですが、読んだ後に温かい気持ちになる、むっちゃんこ良い話でした。こんな大人になれたら良いなぁ。「卵で産んだ」って、そんな(笑) ヘタすると子供をバカにしていると思われかねないそんな事を言えるのは、トトロのお父さんの様にやっぱり普段から子供に対してきちんと向かい合っているからこそなのでしょう。
5点満点中10点。コレはお勧めです。

本当は読んだ順にレビューを挙げたかったのですが、もう既に面倒臭くなったので、イチオシの本だけ挙げておきます。暇があったら詳細を書く事にしますが、多分書かないと思います。

センセイの鞄 (文春文庫)

センセイの鞄 (文春文庫)

あらすじ
駅前の居酒屋で高校の恩師と十数年ぶりに再会したツキコさんは、以来、憎まれ口をたたき合いながらセンセイと肴をつつき、酒をたしなみ、キノコ狩や花見、あるいは島へと出かけた。歳の差を超え、せつない心をたがいにかかえつつ流れてゆく、センセイと私の、ゆっくりとした日々。
レビュー
親子よりも年が離れた人が恋愛の対象になるのか分からないし、ツキコさんも三十路にしては少々年寄り臭い嗜好に思えますが、こんな穏やかでほんわかとした付き合い方が出来たら良いと思う。 多分、歳を重ねてきたから出来る付き合いなんだろうね。そう思えば、歳を取るのもまんざら悪くないと思えます。
歳の差カップルの恋愛を描いた作品はいくつか読みましたが、この作品以上のモノはありませんでした。なので、歳の差云々という設定ではなくて、この作者の作風が良いのでしょうね。

風に舞いあがるビニールシート

風に舞いあがるビニールシート

あらすじ
単行本の為、あらすじはありません。いくつかの短編集です。
レビュー
森絵都さんの作品は以前も読んだ事があって、児童書にしておくには勿体無いと思っていましたが、この本は特に凄かった。
短編集ですが、どれもバックグラウンドの描写が半端じゃないです。そんな中で、いい大人が傷つきもがきながら、それでも前に進んでいく様は清々しい。 なかでも「守護神」が好き。あと、重い内容ではあるけど表題作も良かった。
これはお勧めです。

上記3点はかなりお気に入り。僕のイチオシです。