シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 一面

他人のネガティブな事を書くのは好ましい事ではないとは思うのですが、僕の職場の新人君(既に入社3年/職場に2年で新人とも言えないので後輩君にしておきましょう)は気が利きません。悪い人ではないし、指示すれば言われた事はするし、口答えや嫌な顔をする事もないのですが、指示しないと出来ません。例えば、在庫管理とか、掃除とか、片付けとか、ゴミ捨てとか、そういう雑務を「やっといてね」と言えば「はい」とその時はやってくれるのですが、「気が付いたら」とか「定期的に」とお願いしても定期的に継続してはやってくれないのです。これは1例で、何で僕が毎日ゴミ捨てしてるんだろう? と思いつつ、アテにするからイラつくんだから最初からアテにしなきゃ良いんだ、と思いつつ、それでは彼の為にもならないし、今後も一緒に仕事をしなければならないのなら結局僕自身の首を絞めているのと同じ事じゃないか、などと複雑な思いです。なぜ下っ端が掃除や片付けをしなきゃいけないのか?って事はわざわざ説明するまでもないと思うのですが、そういう雑務を処理してくれれば他の人がより多くの複雑な作業に集中出来るという事であって、僕よりも彼の方が高度で確実で丁寧な作業が出来るのなら、効率よく作業する為に僕が雑務を引き受けるでしょう。そういう事も言ってはみたのですが、多分僕が何度言ってもダメな様な気がします。きっと彼はそういう事に対して意識出来ないのでしょう。
以前TVで高校野球の監督の話が有ったのですが、球児達の生活態度を改める事で能力アップを図る、という様な事を言ってました。具体的には規則正しい生活、掃除や片付け、朝の散歩など。それらがどうして野球のレベルアップに繋がるのか見当が付かないのですが、いわく、些細な変化に気付けるかどうか、という事らしいです。
職場の後輩君も特別掃除が嫌だとか片付けが嫌だとか、そういう訳ではないと思うのです。ただ、掃除をした方が良いんじゃないか、片付けた方が良いんじゃないか、という状況に気付けないんじゃないかと。それはある意味メンテナンスに携わる人間として大きな欠点の様にも思えます。些細な変化に気付けないという事は、設備のトラブルの予兆である些細な変化に気付けない、トラブルの原因である些細な変化に気付けない、それはつまり致命的なトラブルになるまで異常に気が付かない、原因を特定するのに時間を要する、という事と変わらないからです。そうすると、先の高校野球の監督の方針も一理有る様に思えます。僕は特別几帳面でも神経質でもなく、ズボラでいい加減で怠け者の部類だと思うのですが、そんな僕でも気が付く事に気付いてもらえないというのはちょっと問題かもしれません。
そんな彼ですが、意外にも会社の女性社員には人気みたいで楽しそうに会話しているのをよく見かけます。僕がもし女だったら彼みたいに気が利かない男はまっぴら御免だと思うのですが、やっぱり見た目でしょうか。まぁ、少し世間話をしたくらいで気が利くマメな人かどうかなんて判断出来ないだろうし、気が利かない人だからって世間話をするのにはなんら問題にならないのだろうし、それならば気が利くか利かないかよりも顔が良いか良くないかの方が重要で、そうか! 今頃やっと分かった! 良い男は苦労して気遣いしなくても女性の方から寄ってきてくれるのか! だから気が利かなくたって一向に問題にならないのか! だからいつまで経っても自分のネガティブな面に気が付かないのか。
なんて事を言っている僕自身も、きっと自分のネガティブな面には気付けないでいるんだろうけど。