シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

 イン・ザ・プール ためらいもイエス

イン・ザ・プール

イン・ザ・プール

★★★★★
あらすじ
「いらっしゃーい」。伊良部総合病院地下にある神経科を訪ねた患者たちは、甲高い声に迎えられる。色白で太ったその精神科医の名は伊良部一郎。そしてそこで待ち受ける前代未聞の体験。プール依存症、陰茎強直症、妄想癖・・・訪れる人々も変だが、治療する医者のほうがもっと変。こいつは利口か、馬鹿か?名医か、ヤブ医者か?(本書裏表紙より)

レビュー
久しぶりに恋愛モノ以外で読みましたが、続編の「空中ブランコ」は直木賞受賞作品だけあって、とても面白いです。患者1人のエピソードで1話になってますが、どの話も少々極端ではあるものの何処か少し共感する所もあって、誰もが何かしら思い当たるものがあるんじゃないでしょうか。そういう症状を医者が治療するというか促進させてる?様で、でも結局スッキリ解決する訳ですが、そういう大人気なくて、自己中心的で、他人の目を気にせず、孤独を恐れない、というのも有る意味理想で、何かしら思い当たるフシと、その突飛無い理想で解決されるスッキリ感が心地良いんだと思います。
僕自身、鬱々としている状態なので面白かった。

ためらいもイエス (文春文庫)

ためらいもイエス (文春文庫)

★★★★☆
あらすじ
わたしは仕事以外になにもない、さっぱりとした日常をいたく気に入っていたはずだった−。二十八歳にして処女、仕事ひとすじの奈津美に訪れた予想外のモテ期。三人の男を前に、はたして彼女は、棒に振ってしまった思春期を取りもどすことができるのか。(本書裏表紙より)

レビュー
男慣れしていない三十路前の女が男達の前でウロウロする話で、割と厚いのですが飽きずに読むことが出来ました。ともすると優柔不断で嫌な女になりかねないのですが、育った家庭環境であったり、それ故に逃してしまった青春時代を謳歌したりと、嫌味な印象は受けにくいです。ただ、後半にエピソードを盛り込み過ぎた印象で、前半のまったりとした印象に対して展開が早過ぎて、最後に彼の意外な秘密(過去)が分かったりして盛り上がる場面が、何だかコッチの彼がダメだからアッチの彼にするという様なイメージになりかねなくて残念。あと、どうせなら結婚するまで貞操を守って欲しかった(笑)