中学生の頃、ふと「エレキ弾きたい」と思い立って、当時何も知らなかった僕はエレキ=ストラト(FENDERというメーカーのストラトキャスターというモデル。おそらく普通の人がエレキと聞いて思い浮かべる形の元祖的存在。)と思っていたので当然ストラト・モドキを買ったのですが、同時期に友人が買ったエレキはヤマハのレスポール・タイプだったのです。初めてみるその丸いデザインと、木目が透けるレッドサンバーストのカラーリングが凄く印象的でした。
その後、それがGibsonというメーカーのレスポールというモデルを模した物だという事を知りました。不透明でベッタリとしたソリッドカラーでペイントされる事が多いエレキギターの中で、木目が透けるグラデーションの掛ったその塗装は、デザイン家具とか工芸品を思わせるもので印象的でした。本家レスポールは途方も無い金額でしたが、ヤマハの製品も決して安い物でもなかったので、仮に予備知識が有っても僕が買う事は出来なかったと思いますが、今調べてみるとヤマハのサイトの過去の製品にも出てこないので、ヤマハとしては一流企業の立場で模造品を作ってしまった事に負い目があるのかもしれませんね。
レスポールは人気が有るからコピー品も沢山有っていろんなメーカーから販売されているのですが、とりあえず信頼出来るヤマハの中古を探してみたところ、随分古い割りには結構な値段が付いてます。そこで、Ariaや他のメーカー製品を見ている時に、S.G.Galanという得体の知れないレスポール・タイプを見つけました。綺麗だけどいかにも怪しいこのレスポール、どうも下倉楽器という楽器屋のオリジナル製品のようで、良くある激安低品質ギターとは少し違うようです。名の知れたメーカーの製品にしようか悩んだのですが、インテリアになるかもしれない物に多額の金を掛けるのもバカバカしい事と、程度の割にはかなり割安である事、楽器屋のオリジナル製品は意外にコストパフォーマンスが高いという事、日本製である事、そしてなによりそのバーストが掛っていない木目の塗装が美しいという事で買ってしまいました。これで6千円程度ならお買い得だと思うんだけど。
届いたギターはネットで見た画像と変わらないとても綺麗な状態で、心配していたネックの反りも無く、カバーやピックアップに保護シールが張られた様な状態でした。ソフトケースすら付属していなかったけど、どうせ持ち運ぶ予定も無いので問題無いです。アコギに比べるとかなり重たいですが、Ariaのサイレントギターよりは抱えやすい形状で弾きやすい。2弦だけペグの巻き方向が逆だったりする所から、前オーナーはギターを始めようと思って買ったけど挫折しちゃった組でしょうか。弦は既に錆びて使い物にならないので交換が必要です。ペグの動きがかなり悪くて安っぽい印象だけど、どうせ練習用でまともに音を出すつもりもないし、本当にモノになりそうで今後も末永く愛用する事になればペグだけ良い物に交換すれば良いし。アンプが無いので当然音が出せなくて、音が良いとか悪いとかは分かりません。そもそもエレキの音の良し悪しが分かんない。ピックガードが付いていて気兼ねなくガシガシとストロークさせられるから、ストロークの曲の練習には丁度良さそうです。あぁ、でもこんなに綺麗だと傷付けたらヘコんじゃうかも。たかが6千円のギターなのに。
多分そんなに高価な物じゃないとは思いますが、有難く僕が使わせて頂きます。エレキでもアコースティクな音色を出すエフェクターが有ったり、出力ジャックに挿して使うミニアンプが有ったりして、エレキもやりだすと色々楽しいかもしれません。
中学の時に挫折したエレキにリベンジ。