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目指すのはジャンガリアンな生き様

 55歳からのハローライフ/村上龍  阪急電車/有川浩











55歳からのハローライフ

55歳からのハローライフ

晴れて夫と離婚したものの、経済的困難から結婚相談所で男たちに出会う中米志津子。早期退職に応じてキャンピングカーで妻と旅する計画を拒絶される富裕太郎…。みんな溜め息をつきながら生きている。ささやかだけれども、もう一度人生をやり直したい人々の背中に寄り添う「再出発」の物語。



★★★☆☆
レビュー
よく有るであろう極普通の熟年層を描いている。恵まれた環境ではなくて幸せばかりを描いている訳でもなくて、先の見えない不安と閉塞感が妙にリアル。面白いといえば面白いんだけど、だからと言って何か強烈に残るものでもなかったから評価は普通。登場人物の年齢が60歳前後なので、ある程度歳くった人じゃないと楽しめない内容だと思う。















阪急電車 (幻冬舎文庫)

阪急電車 (幻冬舎文庫)

隣に座った女性は、よく行く図書館で見かけるあの人だった…。片道わずか15分のローカル線で起きる小さな奇跡の数々。乗り合わせただけの乗客の人生が少しずつ交差し、やがて希望の物語が紡がれる。恋の始まり、別れの兆し、途中下車―人数分のドラマを乗せた電車はどこまでもは続かない線路を走っていく。ほっこり胸キュンの傑作長篇小説。



★★☆☆☆
レビュー
この作者の作品は相変わらず甘い。ちょっと甘過ぎてくどい。先に「55歳のハローライフ」を読んだから余計にそう思うのかもしれない。
内容は電車に乗り合わせる登場人物がそれぞれ少しずつオーバーラップしながら関わり合う話で悪くは無いんだけど、余りにも上手い展開と、誰もが好青年で淑女過ぎて「あぁこれは理想像なのね」っていう思いが絶えず付き纏って感情移入は難しい。
読んでいて、これは何かに似てる。何だろう?コミック?って思ってたんだけど、ようやく分かった。「恋愛シミュレーションゲーム」だ。ベタな展開。上手い具合に立つフラグ。そんな事一生言われる機会無いだろうっていう激甘なセリフ。そう、これは夢見る少女(もしくは少年、もしくはかつて少女だったけど今でも夢見てる女性?)が読む小説。見下したり否定する訳じゃなくて、いくつになってもこの小説を楽しめる人はとても幸せなんだと思う。映画化されたって事は共感する読者が多いという事だし、幸せな人がそれだけ沢山居るっていうのは良い事なんだろう。