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目指すのはジャンガリアンな生き様

 漁師の愛人 森絵都









漁師の愛人

漁師の愛人

漁師になった長尾が属する海辺のコミュニティは、“愛人”を拒みつづける。採譜の仕事をしながら彼と暮らす紗江はそのままでかまわないと思っていたのだが―。“妻”と私と、ひとりの男の“回復”をめぐる物語。
★★★☆☆




レビュー
森絵都の小説が有ったので読んでみた。インパクトの有るタイトルだけど、5編の短編集でドロドロとか毒々しさは無い。逆に訴えかけるものとか、しんみりと残るものは無かったので印象薄。「漁師の愛人」は、特に描写が上手かった。愛人というよりはうら寂れた漁村の閉塞感を上手く描いてる。何という話ではないけど、そんな日常を描いて、少し前向きに締めくくる辺りは上手いなと思う。単行本を買ってまで読みたいとは思わないけど。