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目指すのはジャンガリアンな生き様

 養老山惨敗 笙ヶ岳〜沢田から










コースタイムや状況、使用道具類等の情報は、今後の私的なデータベースとする物で一般的には信頼性に欠ける物です。参考にされる場合は充分注意して下さい。





2015年10月10日(土)薄曇り
沢田(養老山脈北端)から笙ヶ岳に登る。






07:40 駐車場(路肩) 無風 14℃
12:15〜12:35 笙ヶ岳 無風 12℃
登り所要時間 4時間35分
16:10 駐車場(路肩) 無風 17℃










駐車場発〜駐車場着 21.2km 8時間30分(休憩含む)
駐車場標高:37m 最高点:908m 標高差:871 累積標高登り:1575m
道中の飲料水 2.0L(お茶1.5L ジュース0.5L)
着衣(上) 長袖シャツ ウインドブレーカー(未着用) 防水防風パーカ(未着用)
着衣(下) 化繊のズボン(薄)
靴 トレッキングシューズ
他 ゲイター 帽子 グローブ





養老は自宅から近いという事で山登りを始めた頃は幾度か登った事があるんだけど、笙ヶ岳は登った事が無かった。養老山脈で最も標高が高い山だけど地味で歩く人はそう多くなくルートも不明瞭らしいって事で、面白そうじゃない(・∀・)  それで笙ヶ岳のルートを調べていたら、沢田(養老山脈の北端)から歩いている人が居る。面白そうじゃない(・∀・) 駐車場代要らないし。って事で、安易に考えていた笙ヶ岳なんだけど・・・





アクセス
岐阜方面からだと国道21号を西へ。関ヶ原で国道365号へ左折。国道365号から道なりに県道56号を直進して広瀬橋を渡り左折。アルナ輸送機用品の工場手前の路地へ右折。そのまま直進していくと獣害防止柵に突き当たる。






今回のルート
山旅ロガーでGPSのログを取り、カシミールで表示させています。
低山だしバリエーションルートだって何度も歩いているし、楽勝だろ。養老山まで歩いちゃおうかな。なんて考えてたら、とんでもなくハードだった。散々迷った。こんなに苦労した山行は初めてかもしれない。
GPSのデータはこちら。でもかなり迷っているからあまり参考にならない。他の人のデータを参考にした方が良い。






登山口の目星をつけて着たんだけど、駐車場が無い。麓の集落も路地が細くてうかつに路駐出来ない。工場従業員の駐車場の横が少し路肩が広くて、3台位駐車出来そうだったので押し込む。






低山だからのんびりめのスタート。今日は工場は出勤らしく、従業員が歩いていく。僕は山に向かって歩いていく。獣害防止柵を抜けて林道へ。






麓は道が入り組んでいて分かりにくい。東海自然歩道の看板が有るけど、僕は谷の西の尾根を登りたいので西に進む。






標識と先に笙ヶ岳の看板が。ここから山へ向かって登る。






コンクリートの沢を登っていくと板の橋が有る。西の尾根を登るので端を渡る。






谷の西の尾根を登るのは長尾道って言うらしい。






ルートは谷状になっているから迷うことは無いけど、歩かれていない様で荒れて歩きにくい。






稀にマーキングが有るんだけど、おいおい何処行くんだよ?ってな所に付いてたりする。誰がどんな目的で付けたのか分からないから、マーキングを鵜呑みにしちゃいけない。






林道に出た。結構綺麗な林道。林道を横切ってそのまま尾根へ。






ルートは見失わないけど、倒木や枯れ枝などで歩きにくい。






ちっちゃいリンゴみたいな木の実が沢山落ちてた。






再び林道に出る。これは林道を歩いていくらしい。林道を左(東)へ。






しばらく林道を歩いて、再び登山道へ。かろうじてマーキングが有るけどトレースは薄く分かりにくい。






ついでに△660.2地点へ登ってみる。藪じゃなくて公園みたい。地図とコンパス片手に地形を読み取って目的地を探し出すってのはオリエンテーリングみたいで面白い。この辺りまではまだ余裕が有った。






少しだけ展望が開けるポイントに出る。あれが笙ヶ岳かなぁって思ってたけど、実際はあの裏みたい。






花と麓の町並み。霞んでいて眺めはイマイチ。






尾根に出てしまえば後は楽勝だろうって考えてたけど、甘かった。まともなルートじゃない。






また林道に出た。どうやら地形図に記されているルートは林道で寸断されているらしい。困った。どうやって進むんだろう。他の人の歩いたルートを見ると少し西寄りから取り付いてるので、林道を西に進む。






林道を逸れて斜面に取り付く。杉林の急斜面を登っていく。






また林道に出た。しかも作業の車が停まってる。この林道はさっきの林道とは別の林道らしく繋がってない。






林道を東へ進んで再び山斜面へ。雑木林を抜けて開けた場所に出る。トレースは見当たらず、シダを踏み分けて適当に進む。






開けたピークから笙ヶ岳方面。あれが笙ヶ岳かなぁ。まだ結構距離が有るなぁ。って思ってたらあれじゃない。あれは多分裏山と表山。






ピークから伊吹山。霞んでる。ここまででももう随分歩いたし、不明瞭どころかトレースが全く無い所を歩いて来たから精神的に消耗する。






何でこんな山の中に脚立が?






多分、裏山のピーク。今度こそ笙ヶ岳。多分。トレースはほとんど分からないしマーキングもほとんど無い。






林道に出た。すぐに林道終点になる。この林道は作業していた林道と繋がっている。裏山を経由しないなら林道を歩いた方が楽。






林道終点から山に入る。笙ヶ岳までは尾根伝いだから分かりやすい。かと思ったらそうでもない。






登りきってやっと笙ヶ岳?って思ったら違う。笙ヶ岳はもう少し先。






マーキングもトレースも無い。尾根を外さないように。って思って外す。行き(裏山→笙ヶ岳)は良かったけど、帰り(笙ヶ岳→裏山)は尾根を2回間違えて支尾根を下ってしまった。






何とか笙ヶ岳へ辿り着けた。養老山なんてとてもじゃないけど行けねーよ。笙ヶ岳はぼちぼち登山者が居て、ソロの青年と4人組のおじさんに会った。養老公園から笙ヶ岳に登れば、ここまで苦労はしないと思う。






笙ヶ岳の眺望は良くない。単なるピークハントか。紅葉の時期なら綺麗かもしれないけど、まだ少し早い。






食事を摂って下る。帰りは不明瞭な裏山は避けて林道を歩く。林道の途中に神社が有った。神社脇に卒業記念の植樹がされていたけど、学校名が書いてないから何処の学校か分からない。こんな所まで植樹に来る学校って何処なんだろ。






林道からの眺め。林道で眺めが良いならもう林道で良いじゃん、っていうのは邪道で、登山道歩いてなんぼやろ!って行きは思ってたけど、帰りは「林道って良いよね(・∀・)」。っていうか林道苔生えてるんだけど。誰も通らない林道って意味有るんかいな。






下りは、登りで歩いた尾根の東隣の尾根を下る。よーく見ないとルートの入口ってのが分からない。






一旦ルートに入ってしまえば分かりやすい。序盤は歩きやすい。






だんだんガラガラになって歩きにくくなる。でもルートは谷状になっていて迷わない。






一度林道を横断する。下って来たルートを見てもルートが有る様には見えないけど、そのまま直進していく。






ルートは外さないけど、ガレガレで歩きにくい。






こちらは「おとし道」って言うらしい。






やっと下って来た。これは登りとは違うゲートだな。






お寺の脇に出てきた。






戻ってきた。想像を超える難易度と長距離で、予想外に時間が掛かった。






歩いた山々。低山でも侮れない。





ルート
笙ヶ岳(沢田から)
全般的にトレースもマーキングもアテに出来ず、ルートには悩まされる。アップした画像はまだかなりマシな物。序盤の尾根を登り林道に出てからは激しいアップダウンは無いものの、思いのほか距離が有るのと不明瞭さでペースが全く上がらない。地図、コンパスは必須で、GPSも有った方が良い。GPSが有れば良いというものではなくて、自分の現在地が分かっても進む方向が分からなければ意味が無いので、地形図とコンパスは必須。養老公園から笙ヶ岳に登ればそこまで不明瞭ではないと思うけど、笙ヶ岳より北へ進むのはバリエーションルートに慣れた人以外はやめた方が良い。誇張ではなく本当に遭難しかねない。道中の眺望も良くはなくて歩いて気持ちが良いルートでもなく、この区間を歩いて得られるものは養老山脈を縦走したという満足感くらいか。大半の人が縦走でピストンしない理由が良く分かった。往復はしたくない。
歩くなら1:10000の地形図が要る。1:25000では細か過ぎて、地形やルートの詳細を確認できなくて役に立たない。悩むのは序盤の尾根登りだろうと思い序盤しか1:10000の地図を用意してなくて、笙ヶ岳付近で苦労した。また、他の人の歩いた軌跡が分かると困った時に参考になる。GPSのデータ(GPXファイル)をダウンロードさせてもらい、ルート図を作ると便利。


参考
同ルート
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-636200.html


養老山脈縦走トレラン
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-644404.html


養老山から南(歩きやすい)
http://ameblo.jp/single779/entry-11407483245.html






感想
トレースやマーキングな無いと、ここまで歩けないものなんだと思い知らされた。林で周囲の状況が読み取れず、進むべき尾根は呆気なく外す。尾根をいつ間違えたのかすら気付かない。今回は天気が良かったから良いものの、天気が悪くて視界が悪い状況だと、ルートを間違えた事すら気付かない可能性がある。ここまで不明瞭だとは思っていなくて、マーキングの用意をしていなかった。ピストンするなら自前のマーキングを用意するべきだった。散々迷ったこんなルートを迷わずに確実に歩いている人とか、トレランしている人って一体どんな判断をしているんだろ。ちょっと驚異的だと思った。
大して面白くも無い道を苦労して歩いて散々だったかと言えばそうでもなくて、良い経験が出来たと思う。ルートが分からなくなった、自分の位置が分からなくなった、という事態に陥ると普通はパニックになる。焦ったからといって解決が早くなる訳でもないので、そんな時は一度冷静に考察し直すべきなんだけど、迷った経験が無いとなかなか実感沸かないと思う。遭難しない程度の道迷いは経験しておくと不測の事態も冷静に対処出来るし、不明瞭なルートを踏破出来るだけの技術が有れば一般的なルートで困った事態にはなりにくいと思う。
最終的には体力だと思う。遭難の多くは間違いに気付いても登り返す事が出来ずにそのまま下ってしまう、というケースが多いけど、体力に余裕が有れば間違えたポイントまで登り返す事が出来る。体力と時間には余裕が欲しい。