「僕、お医者さんに余命2ヶ月って言われたんですよ。でも生き残っちゃいましたけど。」
どこにでもいそいうで、ちょっといない、実話をもとにしたある男子の半生。
★★★★☆
レビュー
先の小説を図書館で借りる際に目に留まったのでついでに読んでみた。
実在の男性にインタビューして書かれているだけにリアルな感じがするものの、元々著者の作品って劇的とかドラマティックとかどんでん返しとか、そういう作風ではないので実在かどうかはあんまり関係ない様に思った。
幼稚園の先生に惚れてプロポーズする所から、小中高大学、その後と、学生生活と友達、女の子、それを淡々と語っていく。
それは劇的なものじゃないし、全然男前でもないし、みじめで不器用で不恰好なんだけど、思えば僕の十代だって散々なものだったし、そういう青春のリアルな不器用さが上手く描かれてる。友人がとても良い味を出していて、著者の作品には大抵この手の友人が登場するものだから実話を元にしているという感覚が無いんだけど、面白かった。
ちなみに僕が一番良かったなって思ったのは、5章のイラスト
小説じゃないんかい!
(イラスト/宮尾和孝)