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目指すのはジャンガリアンな生き様

結婚RPG

 

 

 

街中を走る車のナンバープレートが「11-22」だったりすると、何が「良い夫婦」だよ。中学生かよ。内輪だけでやってろよ。とか思う僕の結婚記念日は11月22日ですよ。毎年忘れず欠かさずお祝いのケーキとか花とかを買って帰る。良く出来た旦那さんを装いつつ。

今の日本の離婚率は30%を越えているらしいですよ。3組に1組は離婚しているらしいですよ。「旦那が嫌だ。離婚したい。」っていう話は良く聞くけれど、「女房が嫌だ。離婚したい。」という話はどういう訳かあんまり聞かない。それはウチの奥さんからよその家庭事情を垣間見る機会が多いからなのか、男性はよその女性に関しては饒舌だけど自分の奥さんに関してはあまり語らないから(?)なのか、それでも男性が悪いというケースばかりではないと思うんだけど。人間だもの。

その手の話題はネットには溢れていて、だからきっとみんなよその家庭事情であるとか、もめ事であるとか、そういう事に関しては興味津々なんだろう。小町とか知恵袋とか、そんなのばっかりだよね。僕は見ないからあんまり知らないけど。でも、それらの全てが真実であるとは限らないし、ネットで世の中の家庭事情が全て分かるというものでもないはずなんだ。それでも、みんな「結婚なんてするもんじゃない」「結婚すると失敗する」と思ってしまう。

ネットはとても便利だ。クリックするだけで自宅に居ながら、あるいはスマホで外出先でもあらゆる情報が入手出来る。だけど、そうやって手に入る情報は信憑性に乏しかったり、断片的なものであったり、ネットで全てが分かる訳じゃない。みんな知っているはずなんだけど、どうも分かったつもりになってしまうというか、あたかも実際に自分が体験したかのようなつもりになってしまう。山登りでもそうだけど、このルートはどれ位時間が掛かって、どれ位の体力が必要で、どんな景色が見られるかとか、予め分かってしまう。でも、実際に自分の足で登るのとは全く違う。Googleで富士山山頂からの眺望が見られたとしても、実際に山頂に立ち五感で感じる景色とは全く違う。

例えばゲームなら、リリースされて早々に攻略wikiが出来て、それを見ると効率の良い進め方が分かる。間違えたり悩んだり失敗したりする事が無い。それと同じ事を、結婚とか人間関係に当てはめてるんじゃない。

人間なんていい加減でだらしなくて失敗するものだ。偉い先生だろうが、アイドルだろうが、完璧な人など居ない。まぁ極稀には居るだろうけど、生憎僕は今までそんな出来た人と関わった事が無い。頭は良くても何かが欠けているとか、どうしようも無いのに人には優しいとか、人をレーダーチャートで表したとしたらみんなデコボコでいびつになるはずなんだ。フルスケールの綺麗な多角形を描く人など居やしない。

だから、そりゃ結婚したって良い事も有れば悪い事も有るに決まってる。ただ、自分にとって、相手にとって、何が重要で譲れないのか、何は妥協出来て我慢出来るのか、そのすり合わせが出来るかどうかだけで。完璧な人も居なくて、完璧な結婚も無くて、だから正解なんて有るはずが無くて、結婚wikiも無い。それは自分で考えて悩んで模索して失敗して経験していくものだから。

 「運命の人」って言うけれど、僕の知る限り「この夫婦は運命の人なのかもね」って思える人は1人だけだった。関係の薄っすい人だったので、今頃どうなっているかも知らないけど。そんな僕のささやかな経験から思うに、運命の人と結婚したいと思うのが間違いで、それは神様から与えられて出会うんじゃなくて、自分が決める事だと思う。全ての異性と付き合える訳じゃないんだから、相手が本当に運命の人なのかどうかなんて誰にも分からない。ネットで調べたって誰も保証してくれない。だから、結婚したいと思った時に、結婚したいと思える相手が居て、相手も同じ様に思ってくれたなら、それはもう運命の人なんじゃないかと思う。要はタイミングみたいな。

ネットで簡単に結果や答えが分かってしまう世の中になってしまったから、みんな失敗に対して寛容ではなくなってしまった。間違えるはずがない。間違えてはいけない。失敗したくない。ってね。でもね、失敗から学ぶ事は沢山あるし、良く言えば失敗するから面白いんだと思うんだよ。失敗ばかりではさすがに嫌になるけど。でも、予め分かっている結果をなぞらえるだけの生き方って面白いと思うかな。予想外に悪い事が起きるかもしれない。でも、予想外な良い事も起きるかもしれない。

なんて事は、多分僕がのほほんと平穏に生きてきたから言えるんだろう。そういえば結婚20年目だったっけ。って思い出したのは、家族分のショートケーキを買って帰って食って寝た翌日の事でした。