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 たとえば、すぐりとおれの恋/はらだみずき










たとえば、すぐりとおれの恋

たとえば、すぐりとおれの恋

高萩草介、ケーブルテレビ会社営業マン。向井すぐり、保育士。偶然の出会いから親しくなっていくふたり。「今度人を好きになるときには相手のことを深く知ってからにしよう」と考えるすぐりは、草介の過去や家族について知りたがる。だが、デートの最中になぜか、しばしば姿をくらます草介は、「おれ、ときどき、消えたくなるんだ」と告白する。交錯し、すれちがう、「すぐり」と「おれ」の現在と過去。女と男、ふたつの視点から描く、恋の行方は?不器用な恋の軌跡。それでも辿り着いた風景。
★★★★☆





レビュー
本当は別の小説を読むつもりだったんだけど、図書館で手に取ってみたら冒頭部分で面白そうだったので読んでみた。
タイトルからも分かる様に、内容はベタな恋愛小説。しかも主人公はかなり若い。タイトルは「おれ」だけど、男性側の視点と女性側の視点が交互に描かれている。
単なる恋愛小説なら「へぇ」で終わるんだけど、2人の背景となる生い立ちであるとか、浮かれた雰囲気、すれ違いの場面、そういうものが丁寧に描かれていて引きこまれる。というのも、彼の言動が若かりし頃の自分とオーバーラップして、それは今思えば顔を覆いたくなる様な稚拙な思考と言動でいたたまれない。彼の言動、彼女の思い、その両方に共感するものが有ったから、最後まで面白かった。僕の評価は★4つだけど、5に近い4。
恋愛に関する価値観など人それぞれで、人の価値観、育ってきた環境もマチマチで、だから恋愛小説の他人の評価なんてアテにならないと思う。他の人が読めば他愛ないベタな恋愛小説で終わるかもしれない。そういう意味では面白い恋愛小説っていうのは難しいのかも。結末にしても、ハッピーエンドか別れるか、うやむやにするか、その3通り位しか無い訳で、彼と彼女の結末がどうなるかは実際に読んでみて欲しい。














ブックマーク Sprout/スプラウト【グリーン】 2240GR

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ブックマーク Sprout/スプラウト【イエロー】 2240YE

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