シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

マイペース

 

 

会社のとある人が辞めると聞いた。結構マルチにいろんな分野を頑張ってこなしていた人だから負荷も計り知れないものの、辞める理由はそういう事ではないんだろう。

 

ここ最近、天気が良い日は通勤に原付を使ってる。僕のXR600Rはクソ面白いバイクで、それは例え僅かな通勤距離、しがない舗装路でも楽しいんだけど、いかんせん消耗が激しい。リッターバイクに比べたら屁みたいなものだけど、それでもただ通勤の為だけに消耗させるのももったいない。そこまでして乗らなくても、と思ってしまう。足に使うなら原付2種がベストだけど、生憎ハンターカブは売ってしまった。それで原付(50cc)。子供が乗るかと思ったら練習を1回やったきりで「とても乗る気にならない」と怖気づいてしまって、ただでさえ危険な原付に無理やり乗せるのもなんなので、じゃあ僕が乗るかと。

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原付はスピード出ないし、サスペンションもフレームも貧弱だから速度を上げると極端に不安定になる。まともなバイクを知っているから、余計に頼りない。だから通勤のちょっとした距離でも苦痛かな、と思ったけど、意外にそうでもない。40~50km/h位で走れたら、特に問題無くスムーズに走る。

意外にストレス感じないな、と思いながら、じゃあ一体何が原付に乗る事に対するストレスになるのか?って考えたら、周りの車だった。煽られたり抜かされたりするのは危ないし、気を遣うし、ストレスになる。早朝になるべく裏通りを使って走ればほとんどマイペースで走る事が出来て、だからあんまりストレス感じないんだ。

それは別に原付に限った事では無くて、自転車の時でもそうだし、大型バイクに乗る時もそうだし、車を運転する時もそう。自分のペースを乱されるとストレスになる。そして、それは乗り物に限った事でもない。

 

彼は自分のペースでは仕事が出来なかったんだろう。自分なりに相当頑張ってたはずなんだけど、後ろから煽られたり、前や横から引っ張られたり突き飛ばされたりして、もがきながら仕事してきたんだろう。それでも傍から見て「良くやるよなぁ」って感心するほどの仕事をこなしていたのに、上から叩かれ続けていた。仕事が忙しかったからとか、仕事がキツかったからとか、辞めるのはそんな理由じゃないんだ。もっと認めて、もっと褒めてあげれば良かったのに。もっとやりやすい様に環境を整えてあげれば良かったのに。そうすれば、もっとパフォーマンスを発揮出来たはずなのに。頑張っている人、やる気がある人のモチベーションを維持して伸ばしてあげる為に、僕は何が出来るんだろう?っていつも考えてるけど、妙案は思い浮かばない。

会社や上司が自分の生活を保障してくれる訳じゃない。身体的にも精神的にも潰されてしまう位なら、とっとと仕事辞めてしまった方が良い。彼は新天地でまたもがき続けるんだろう。僕もまた、ここでもがき続ける。あんまりもがいてないけど。

そんな事を思いながら、ひんやりとした秋の空の下を走ってる。