シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

どうしてsmart

 

どうして今車を買う事になったのか。先日までの我が家のマイカー構成はこうだ。

 

奥さん(娘共用)  三菱アイ

僕         日産マーチ

 

これが、マーチはMT(マニュアル・トランスミッション)だから娘が乗れない、普通車でメインカーなのに家族が乗れないという事で処分される事になった。結果、

 

奥さん     フォード・フィエス

僕(娘共用)  三菱アイ

 

フィエスタは普通車で5人乗りだから我が家のメインカーとなり僕も共用するはずだけど主に奥さんが通勤に使っているので僕はほとんど乗らない。代わりにくたびれた軽自動車に乗る。別に軽自動車が嫌な訳じゃない。むしろコンパクトカーは好みのジャンルだ。ただ非力な軽自動車の場合、意のままに操るにはMTの方が絶対に向いている。いや、そんな事は単なる後付けの言い訳かもしれない。単純に軽自動車のATは全く面白くない。

 

そこで何とか自分が乗る為の車両を用意出来ないか?と考えたんだけど、そう何台も車が有っても金が掛かるばかりで効率的じゃない。維持費が安いバイクならどうだ。普通のバイクでは冬や雨の日が辛いけど、屋根付きなら幾分快適に過ごせるんじゃないのか、って事でコレ良いんじゃね?って思ったのがADIVA AD1。

adiva.co.jpスクーターのくせにむっちゃカッコイイ。国産車が野暮ったいデリバリーバイクにしか見えないのに対し、ADIVAの洗練されたスタイルはどうだ。さすがItaly製。工業デザインはズバ抜けているが、価格もズバ抜けていて75万円もする。中古なら結構良い軽自動車買える金額だ。その割には利便性は車に対してかなり劣る。維持費以外に何もメリットが無い。あと、こんなバイクではガレージ無いと置いておけないし、ウチのガレージにこんな物入れる余裕は無い。

悩んだ末に選んだ車はスマートK。スマートはスウォッチとベンツが共同開発した2人乗りの超コンパクトカーで、その個性的な外観は見た事がある人も多いんじゃないかと思う。そのスマートの軽自動車版がスマートK。何故Kなのか。それは完全に維持費の問題だ。エンジンも外観もほとんど変わらないなら軽の方が良いじゃないか。というか普通車などこれ以上維持出来ない。

 元々僕はバイクも含めて外車は好まない。バイクも車も「乗ってなんぼ」だと思うけど、そういう道具として考えた時にメンテナンスが極めて大変だからだ。ディーラーに「任せるから見といてくれ」って言える様な状況なら良いけど、それでは金が持たない。機械なんだから使えば消耗するしメンテナンスは必須だけど、部品は高いし古くなるとそもそも修理に必要な部品が入手出来なかったりする。売れている国産車なら中古部品も沢山流通しているけど、マイナーな外車では都合良く手に入らない。貧乏人が見た目の印象で気軽に手を出す物じゃない。スマートKは2002年から2003年辺りに売られた車でそれ以降は販売されていない。どんなに新しくても程度が良くても既に15年以上程経過している。そんな外車が、国産車と同じレベルで維持出来るとは到底思えない。フォード・フィエスタも出来れば避けたかったけど奥さんの強い要望で、あれはまだ新しい分まだ何とかなりそうな気がするので折れた。

 「乗れるのは軽自動車」に限定するとして、金に糸目をつけないのなら、ケータハム160ホンダS660に乗りたい。ただどちらも現実的じゃない。軽自動車である必要が有るのか?と思える様な金額だし、ケータハムならまずガレージが必須になる。全く現実味が無い。最も現実的かつ高い満足度が得られるのは軽トラだ。僕は一時期流行ったセミキャブオーバータイプの軽トラが特に好みで、中でもホンダ・アクティトラックがツボだった。セミキャブオーバーとは運転席が車の前輪よりも後ろに有るタイプで、小振りなボンネットと極限まで前方に押しやった前輪から成るスタイリッシュさと、ロングホイールベースの安定性から、走らせたら確実に面白い車だ。軽量な車体と徹底的に簡素化された構成はケータハムに匹敵するんじゃなかろうか?と思える物で、なおかつ雨風凌げて荷物も積めるしエアコンも効くし、実用性は非常に高い。極めて簡素だから壊れる所が無いし、仮に壊れても非常に安価に修理出来る。貨物車両だから走行距離10万kmなど屁でもない。イニシャルコストもランニングコストもベラボーに安上がりで、その上運転も面白い。2人乗りというデメリットさえ受け入れられればこの上ない車だ。セミキャブオーバータイプの軽トラは荷室が狭くなる、最小回転半径が大きくなるというデメリットから廃止されてしまって今ではもう新車では販売されていないけど、プライベートで使う分には荷台も最小回転半径も全く問題ないので残念で仕方がない。既に随分古くなってどんどん数が少なくなっていく貴重な車だ。

 だから軽トラが欲しかったけど、自営でも農家でもない我が家で「軽トラが欲しい」と言っても家族(主に奥さん)を納得させられない。苦肉の策がスマートだった。スマートKなら軽自動車だから維持費はある程度抑えられるので説得しやすいしし、2人乗りだけど既に三菱アイが有るから必ずしも4人乗れる車じゃなくても良い。しかも3台目となるといくら軽自動車でも駐車場スペースが苦しくなる。スマートなら玄関先の隙間にでも押し込んでおけそうだ。

そんな一見素敵に思えるスマートの難点は室内の狭さなどではなく、ミッションが「セミオートマ」だという事だ。一応オートマチックなんだけど一般的な国産車のATとは違い「マニュアルトランスミッションクラッチとギヤチェンジ操作を自動で行う」という様な仕組み。欧州車に良くあるDCT(デュアルクラッチ)とは違いシングルクラッチで、本当にMTを機械的に自動で変速している様な物。一見凄そうな機構だけど15年以上前の機械だからギヤチェンジに時間が掛かり過ぎてスムーズに変速出来ないし、複雑な機械の為調整が必要だったり故障頻度が高くなったりする。そんな物なら自分でやった方がマシだ、最初からMTにしときゃ良いのに、と思うんだけど、MTはラインナップされていない。唯一の救いは「手動変速モード」が有るという事だけで、三菱アイに対してのメリットも「手動変速モード」しかない。手動モードが無ければ買わなかった。

何とか手に入れた自分用の車。楽しいカーライフを送れるのか、やっぱりつまらなかったって事になるのか、はたまたトラブル続きで乗れたもんじゃないって事になるのか、さぁこれから色々手を加えようか、と思ったけど、仕事!仕事!仕事!雪!

なんか恨みでもあるんか?