湾岸町のレストランで働くマジシャン・ヒカル。テーブルを巡り、料理を楽しむ客にマジックを披露している。高校時代、突然この世から消えた同級生の少女・美波を彼は忘れられない。ある日現れた、彼女の死にかかわりをもつ男。美波はなぜ死んだのか。時を同じくしてヒカルは、伝説的な老マジシャンからロボットを託される。
★★★☆☆
レビュー
近未来を舞台に繰り広げられるSFミステリー。AIと人型ロボットの描写は素晴らしく、読んでいて破綻が無い。ロボットにマジックは出来るのか、とか興味深かった。昨今問題視されるネットリテラシーを絡めてくる辺りは今時か。
ミステリー部分も、おおよそ「そういう方向に持って行くんだろうな」と予想されるものの、それでももう1つ裏をかいてくる辺りは良かった。
ただ、長い。単行本2冊分くらい有るんじゃないか。中ダレしてしまう。マジックの描写も素晴らしいんだけど、テキストだとイメージし辛い。映像化されたらもっと面白いかもしれない。
SF部分は結構面白かったので、他の著書も読んでみようか。