シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

MCC smart K 事故 横転 廃車

 

 

某月某日、交通事故を起こした。相手があり、こちらの過失が100%という弁明の余地が無い事故をブログのネタにするのもどうかと思ったものの、自戒の念とその後色々思う所も有り示談が済んだのを機にまとめてみる事にした。車をひっくり返す様な経験はなかなかしないと思うので、他人の振り見て我が振り直せというか、俺の屍を越えて行けというか、参考にして安全運転に心掛けて頂きたい。

 

日時 某月某日 午後

場所 某県峠道

状況 下り左コーナーでオーバーランし対向車と接触し横転

費用 相手車両修理120万 代車25万 レッカー9万(全て任意保険より)

自車 0円(修理せず廃車)

 

まず、完全にこちらの過失による事故である為、相手の方には非常に申し訳ない事をした。怪我が無かったのが幸いだけど、修理費用は約120万円。見た感じではフェンダーとバンパー、ヘッドライトが破損しているだけの様に見えたけど、動かす時に何か無理している様だったので足回りか駆動系にもダメージが有ったのかもしれない。事故修理という事で見積金額は最大限盛っているとは思うものの、修理代120万というのは軽自動車やコンパクトカーなら廃車レベルだ。何の落ち度もないのに事故車にしてしまい、任意保険で満額対応したとはいえ本当に申し訳なく思う。ちなみに、双方ともエアバッグは開いていない。

 

さて、自分の運転が破綻する事など無いと思っていた。それが何故オーバーランしたのかというと、カーブ途中の待避所に有るガードレールで左コーナーを直線と錯覚した為。とはいえ不測の事態に対して対応しきれなかったのは明らかなオーバーペースだった。

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事故現場。センターラインも減速帯も有るんだけど、ガードレールと路肩の電柱等で一瞬ストレートかむしろ右コーナーなのかと錯覚した。

 

双方に怪我が無かったのは不幸中の幸いだった。相手の方は他県から観光に来ていたと思われるのに、車は不動で帰路はタクシーと電車。何の落ち度もないのにとんだ災難に遭って文句の1つも言いたくなるはずなのに、終始冷静でこちらを責める訳でもなく大変申し訳なかった。事故後に謝罪に行くべき所だけど、隣県でもないので申し訳ないけど保険屋さん経由で謝っておいた。

 僕の車両(smartK)は左後が相手車両の左前と接触し、右側に横転。引き起こした後エンジンは始動したものの右側も左側もフロントもリヤも損傷していて、破損個所を直すと車両価格を大幅にオーバーしそうなので廃車にした。古い外車なので長くは乗れないだろうと覚悟はしていたけど、まさか1年経たずに廃車にしてしまうとは思いもしなかった。

そういういきさつなので、自業自得ざまぁって嘲られるのは仕方が無い。運転している限りは、自分もいつ事故を起こす側、事故に巻き込まれる側になるかは分からないので、せめて起こす側にならない様に自分の運転を見つめ直すきっかけにして頂きたい。

 

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相手が温厚な方で良かった。苦笑いしながら出てきてくれたけど、いきなり目の前で変な車がひっくり返ってドアを垂直に開けて変なオッサンがよれよれと出てきたら、苦笑いするしかない。

スマートはホイールベースが短いけれどスタビリティは意外に高い。ただ、止まらない。ブレーキが弱いのではなく、標準のタイヤが145なので絶対的なグリップが不足する。でもそのお陰で相手車両の正面衝突が避けられたというのは良いのか悪いのか。

 

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コーナーリングも不安感は無いものの、フルブレーキング中に後部に衝撃を受けると呆気なくひっくり返る。上手い事待避所に転がった。暴走行為の成れの果てなのに、警察の方はやけに親切だった。さてどうやって帰ろう?奥さんに何て言い訳しよう?と思案に暮れる、というのは怪我が無く余裕が有るからなのか。フルバケットシートは運転時の安定性もさることながら、事故時もしっかりホールドされて非常に有効だった。

 

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警察に連絡して事故処理対応、レッカーを手配して車両の引き上げ等、結構時間が掛かった。その間も待ちぼうけになってしまって申し訳なかった。

他県だったけど任意保険の特約でレッカー費用が出たので助かった。レッカーのおじさんもとても親切で、車談義出来たのが不謹慎ながら楽しかった。MT車で峠を走るのが楽しいという話を出来る人が周囲に居なくなってしまったから。

 

 

思うところ(1)自分の運転

対向車線を塞いでしまって、どうひいき目に考えても自分が100%悪い。事故後はしばらく運転に躊躇いが出るのが普通じゃないかと思うけど、どこか片隅で「コーナーを読み間違えなければ破綻しなかった」と思っている自分がいる。コーナーを読み間違えている時点でアウトだし、コントロールの範囲外になっている時点で完全にアウトで、これは起こるべくして起こった事故だ。相手に怪我をさせなかったのは本当に幸運だった。そういう点では、今回の事故はとても良い経験になったとも言える。この調子では事故を繰り返す。過ちを繰り返さないように自戒の念を込めて。

 

思うところ(2)軽自動車

50馬力程度のsmartK(軽自動車)でさえコントロールしきれなかった。高速道路も含めて一般道を走るなら僕は軽自動車で充分だ。例えば我が家のメインカーであるFordフィエスタのエンジンは1.0Lターボだけど物凄くトルクフルで、一瞬でとんでもない速度まで加速して、僕の技量ではとてもフルに踏めない。例えスポーツカーであってもこれ以上のパワーは扱いきれなくて、それなのに何故世の中がそこまでパワーに固執するのかが分からない。スピードは簡単に出せる。でも止まれない。多分僕にはアルトワークスやS660でも扱いきれないと思う。

 

思うところ(3)我慢

車が廃車になった事に対しては大して落胆していない。金使ったのに1年も乗れず家族には非常に申し訳ないと思うものの、古い外車で維持していくのが困難なのは目に見えていたし、子供にあてがった軽自動車には子供は全然乗っていなくて、買ってみたものの後悔している面も有ったからだ。ただ、車がどうとかそういう事ではなく、自分がいろんな事に対して我慢していたんだという正直な気持ちにふと気付いてしまった。とにかく金が無い。時間も無い。

周囲から「〇〇を買った」とか「数泊で〇〇山に行った」とか、「車を買った」とか聞いて「そう、良かったね」って笑顔で相槌を打っていたけど、全く共感出来なかった。僕にはそんな物を買う金は無い。中古のザックを買ってシコシコとリペアしたり、ウェアを全身ワークマンでしのいだり、たかが8千円を惜しんでピッケルを自作したりしなければならない心情など分からないだろう。そんな環境で、そんな事を言われても共感出来ない。

時間が無いのもそうだ。自分の趣味に掛けられる時間は限られている。そして今一生懸命自転車を漕いでいるのは自転車に乗るのが趣味という事も有るけど、心肺トレーニングを兼ねているという点が一番大きい。心肺トレーニングしてどうするんだ?といえば、この先登山や自転車、トレラン等身体に大きな負荷を掛ける様な事をやる際に身体がついてこれる様にしておくためだ。生き急ぐ様に、何かに急かされる様に必死に焦っていろんな事をやってきたけど、でも考えてみればそれは「未来」に対してであって「今現在」に対してじゃない。それってどうなんだ?先が分からない未来に対して頑張るより、今のんびりゴロゴロしている方がよほど有意義なんじゃないのか。そういう一見自堕落な行為こそが本来の人間の過ごし方なんじゃないのか。仕事も忙しく自分なりに頑張っているのに、いろんな事が報われなさ過ぎて滅入ってしまう。我慢というか、周りに気を遣い過ぎていたのかもしれない。良く気が利かないと言われるけれど、確かに気付かない事も多々有るけれど気を遣い過ぎて何も言えないとか何も出来ないという事も多々有る。なんだか張りつめていた糸が切れてしまったみたいで、しばらくの間好天の週末でもふて寝してごろごろしていた。

家庭が有って、子供が居て、だから時間も金も余裕が無い。そんな事は自分が一番分かっている。全部自分が優先してきた事だし、それはそれで幸せな事なんだ。そうやって納得してきた。だからこそどうしようもない感情に囚われてしまう。誰のせいにも出来ないから。「家族のせいで自分の自由が無い」なんて絶対に言わないし、仮に家族から「好きにして良いよ」って言われてもやっぱり僕は家族を優先させるだろう。だから独りでジレンマに陥る。

 

 

そんな事が言えるのも、双方に怪我が無かったからだ。どちらかでも怪我をしていたら、そんな事をボヤいている余裕も無かった。ただ、奇しくも50歳手前でこんな事故を起こしてしまい、改めていろんな事を考えるきっかけにはなった。

最近になってやっと自転車が漕げる様になった。腹筋ローラーもようやくやる気が出てきた。不自由なのは独りじゃないからで、そしてへこんでも立ち直れるのは独りじゃないからだ。とにかく、怪我をさせなくて良かったし、自分も大して怪我が無くて良かった。また出来る事からやっていく。