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目指すのはジャンガリアンな生き様

HONDA XR600R 始動性が悪いのは始動の儀式とかセッティングとかそういう事じゃなく7

 

 

寒くなると著しく始動性が悪くなる。スパークプラグの火花が弱い様だ。関係する部品を全て交換したが変わらず。何でや?マジわからん。というのが前回まで。いつまでやるんだよこれ。

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暗闇だとスパークプラグの火花が見える。スパークプラグの電極間ギャップを狭くすると明るくても火花が見える。という事で、点火制御はしているけどスパークプラグへの電圧が不足している様な印象。でもコイルASSYは新品に交換している。それでも電圧が足りないというのは、フライホイールに問題が有るんじゃないのか?というのも、コイルの周りをフライホイール(の磁石)がグルグル回る事で発電する仕組みだから、コイルに問題が無いならホライホイールではないのか? と疑ってみたものの、フライホイールが悪くなって発電効率が落ちたなんて症状はいまだかつて聞いた事が無い。ネットで色々調べて見ると、エンジンが同系統でも違う車種のフライホイールを使うと発電しなくなるという症状は有るみたいだ。コイルとフライホイールはセットで使わなければいけないみたいだ。もしかして違う年式のフライホイールを使っているんじゃないかと疑ってみたものの、パーツリストの図と実物は同じ形状なので、フライホイールが交換されているとは考えにくい。うなぎさんに尋ねてみると、かなり古いバイクではフライホイールの磁石が弱りそういう事例は有るものの、90年代のマシンでは考えにくいという。可能性は無くはないけど低いと。バイクの師匠Sさんに尋ねてもフライホイールでのトラブルは無いという。両者とも、それよりはハーネスじゃないか?と。まぁ僕も他人のバイクで同様の症状を問われたら同じ回答になると思う。一応フライホイールの見積もりを取ってみたら、既に販売中止になっていた。仮にフライホイールが原因だったとしても純正部品を購入して交換という直し方は出来ない。

 

ハーネスはテスターとメガーで導通と絶縁は確認したけど、断線しかけとか、ハーネスのトラブルは良くあるそうだ。点火に関わる線を一度全て引き直して確認すると良いよ、と言われたけど、CDIはコネクタになっているのでテスト線を繋ぐのが難しい。と思っていたら、そういえば社外品のCDIには配線用のコネクタが付属していたんだった。それを使って配線を引き直してテストする。

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右がCDI。4Pと2Pのコネクタで繋ぐ様になっているので、仮配線するのが難しい。そこで社外CDIに付いてきたオスコネクタ(画像左)を使ってテスト用に仮配線する。配線は純正ハーネスとは色が違うので、何色が何の線か既設と回路図から確認しておく。

 

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仮配線。エキサイタコイルからCDIへの入力、アース、パルスジェネレータからCDIへの入力が2本、CDIからイグニッションコイルへの出力が1本。イグニッションコイルのアース線も引き直す。スイッチ(イグニッションキーとキルスイッチ)は始動時オープンなので繋がなければ始動するはず。

が、火花は飛ばない(弱い)。ギャップが狭いプラグだと見えるから、点火制御は働いている。でも日中では火花が見えず、明らかに弱い。配線しなおしても症状は変わらない。

 

もう1つ、パルスジェネレータからの電圧を確認していなかった。ネットで調べると、おおよそ0.7V以上が正常値らしい。しかし、思い切りキックしても0.2Vしか出ない。これも疑わしいけど、パルゼネは新品に交換している。パルゼネの相手側(ドグ)の方に問題が有るのか、取付に不備が有るのか。仕方なく、もう一度開けてみる。

 

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XRのパルスジェネレータ(パルサー、ピックアップコイルとも言う)は、エンジン右側のクラッチカバー内に有る。画像右寄りの黒色の四角い磁石。

 

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カムチェーンドライブシャフトにドグが付いていて、シャフトが回転してドグがパルゼネに近接すると信号(発電)が出る。クリアランスは大体0.5mm位。見た所特に問題は無さそうだけど。

 

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パルスジェネレータを外してドグ(出っ張り)を確認する。欠損や摩耗などのダメージを受けている様子はない。とても綺麗だ。

 

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パルスジェネレータ本体は新品に交換している。鉄粉の付着も無い。

 

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パルスジェネレータの固定ボルト穴はインロウ(凹み)になっているから、取付具合によって固定位置がズレる事は無い。なので、ボルトを締めればクリアランスは勝手に決まってしまう。取付の不備でクリアランスが大きくなっているという訳でもなさそうだ。じゃあ何で0.2Vしか出ないのかが分からない。

 

もう一度各部を調べ直す。エキサイタコイルからの発電電圧は72V位。これはオリジナルの純正コイルでも購入した社外品新品でも同じ。一般的には100V前後出る様だけど、これはコイルから出ている配線で直接測っているのでコイル以外にトラブルの要因が無いのと、オリジナルのコイルも新品のコイルも電圧が変わらない事、CDIに関するサイトでは「50V以上」と書かれている事からこれで正常なんじゃないかと。

次にイグニッションコイルの1次側電圧(CDIからの出力電圧)を測ると27V位しか出ない。CDIコンデンサに溜められた電気を流すから直流電圧のはず。前回計測時にテスターがOL(オーバーレンジ/測定範囲外)の表示になったのはテスターのレンジ設定(小数点位置)が間違っていたからで、明らかに低い。30Vでは火花飛ばないだろ。

じゃあなぜ出力電圧が低いのか。新品のCDIが故障したのか。と、オリジナル純正CDI、純正CDIの新品、社外品CDIの新品、を取っ替えひっ替え調べると、純正CDIではどちらも似た様な数値が出るけど、社外品CDIは全く出力しない。CDIなのか?

新品のCDIが2個も簡単に壊れてしまうというのも考えにくいし、純正品では低いけど電圧出るので、他の要因ではないか。エキサイタコイルに問題が無く、CDIでも無いなら、パルスジェネレータしかない。もう一度パルスジェネレータの発電電圧を調べると、0.02Vしか出ない。前回調べた時に0.2Vを計測したのは、テスターのレンジ設定間違いだったみたいだ。何度やってもほとんど発電しない。社外品CDIでは全く出力しないのは回路内で使用する部品構成の違いかもしれない。パルスジェネレータの電圧が低過ぎて点火回路が働かないんじゃないのか。

 

どうもパルスジェネレータ関係に問題が有る様な印象。ただ、パルスジェネレータは新品に交換しているし、抵抗値も正常範囲内だ。電圧測定はパルスジェネレータのケーブル端のコネクタで測っているのでハーネスが悪い訳でもない。クラッチカバーを開けてみても異常らしき所は見つけられない。じゃあ何でだ?

 

何となく原因っぽい所が絞り込めてきたものの、今一つ解決にならない。で、原因っぽい所が分かっても原因が分からないからどうしたら良いのかも目途が立たない。一体何なんだこのトラブルは?

 

 

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