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目指すのはジャンガリアンな生き様

三菱パジェロミニ(H58A) スペックとインプレッション

 

 

 

先日納車されたばかりでもう少し走り込んでから記事を書くつもりだったけど、慣れてしまうと最初のインパクトや印象が変わってしまいそうなので忘れないうちに気付いた事を書き残しておく。その他今後気付いた事は追記していく。

購入の経緯はこちら

 

何年前の車だよ、既に生産中止じゃねーか、っていう今更ながらの車なんだけど、ロングセラーだったので中古車市場にはかなり流通しているのと、昨今はSUVブームという事もあって需要はそこそこ有るんじゃないかと思う。評価するに当たり、僕の車に対する嗜好は「ライトウェイトスポーツ」か、商用車や重機の様な機能的で「質実剛健」であるかのどちらか。快適性とか利便性、高級感よりも極力簡素な物を好むので世間一般的な評価とはかなりズレている上に、素人でかなり主観的な意見だという事は了承頂きたい。

 

 

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【スペック】

三菱 パジェロミニ 1999年式 グレードX

車両型式 GF-H58A

全長・全幅・全高 3395×1475×1635

ホイールベース 2280mm  トレッド 1270mm

車両重量 910kg

エンジン型式 4A30

直列4気筒SOHC16バルブ 過給機無し 659cc

ボア×ストローク 60.0×58.3mm  圧縮比 10.2

最高出力 52ps(37kw)/6500rpm

最大トルク 6.3kg・m(62N・m)/4500rpm

燃料タンク 43リットル

Fサスペンション マクファーソンストラット コイルスプリング

Rサスペンション 5リンク式コイルスプリング

Fブレーキ ベンチレーテッドディスク

Rブレーキ ドラム

タイヤ(前後) 175/80R15

最小回転半径 4.8m

変速比前進 3.882/2.363/1.525/1.000/0.852

変速比後退 4.270

最終減速比 6.571

燃費 カタログ値:16.2~16.4km/L 実測:12km/L台~15km/L(普段13~14km/L)

 

【各部詳細】

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フルモデルチェンジ後すぐのモデル(2代目前期型)。フルモデルチェンジ前の初期型(ヘッドライトが丸いモデル)は旧軽自動車規格なので車体が一回り小さい。1998年にフルモデルチェンジして車体寸法が一回り大きくなる。2008年にマイナーチェンジしてパジェロ的な外観とインテリアのモダン化、減速比の変更等が行われている。

同じパジェロミニと言っても年式によってかなりフィールが異なる様で、初期型と2代目前期型は減速比がファイナルも含めて全く同じでかなりオフロード寄りの性格になっている。2代目後期型は減速比が高速寄りに変更されているので、ハードなオフロード走行よりは舗装路での快適性に振ったのではないかと思われる。

 

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シンプルな外観。外観だけでなく装備もシンプル(貧相)で、Xグレードはキーレスエントリーやドアミラーの電動調整、電動格納ドアミラーが無く、ホイールも鉄。簡素な分故障しにくくて良い。窓は一応パワーウィンドウ。むしろ窓も手動のクルクルでも良かった。サイドミラーは大振りな物で視認性は良好。サイドアンダーミラーも飾りでは無く実用的なレベルで見えるので、結構真面目に造られている印象。

 

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既に20年前の車だけど、シンプルな外見なのであまり古さを感じない。フィアット・パンダラーダ・ニーヴァを彷彿させなくもない。どちらも面白そうな車で乗ってみたいとは思うものの、両車に比べると故障しにくい、部品が安価ですぐ手に入る、どこの車屋でも整備出来るという点はメリットではある。

フロントオーバーハングもリヤオーバーハングも切り詰められていて悪路走破性も高い。

 

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パンパーがボディと同色じゃないけど、四駆の場合は無骨な印象で逆に都合が良い。車両重量は910kgと、軽自動車にしては重い。その代わり、軽自動車とは思えないほどのガッチリとした車体剛性。

 

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リヤウインドウはハメ殺しで開かない。ガソリンは右。タイヤは175/80R15。ジムニーと比べると1インチ小さい。駆動部にはLSDもデフロックも無いので、極度に滑りやすい路面だと4駆でもスタックする。スタッドレスタイヤに交換したらロードノイズが若干静かになった。古いA/Tタイヤはかなり煩い。

 

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エンジンは可変バルブタイミング等の機能を持たないオーソドックスなSOHC直列4気筒を縦置きで搭載する。軽自動車のエンジンで4気筒というとプレミアム感が有る反面、縦置きなら全長が短い3気筒の方が良いんじゃないかとか、4気筒だと低速トルクが細ってダートでは扱いにくくなるのでこの車には不向きな印象を受けるけど、メーカーの意図は分からない。4気筒のNAエンジン(ターボ無し)なので低速トルクが細いけど、ギヤ比が低いので低回転から使える(その代わりスピードが出ない)。巷ではターボエンジンを勧めているけど、個人的にはトラブルが少ないNAエンジンの方が良い。

 

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オイル給油口から覗くとローラーロッカーアームが見える。結構耐久性高いエンジンなのかもしれない。SOHCだけどトップエンド(7千回転)までスムーズに回る。前オーナーのオイル管理も良かったのか、スラッジや酷い焼けは見られない。シンプルなエンジンだけどギヤ比の都合上どうしても高回転を多用するので、オイル交換はマメにした方が良さそう。

 

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吸気口は左ヘッドライト上。実際には波や水しぶきが有るのでもっと低位置だけど、理論上はここまで水没しても走れる? ボンネットフードで隠れて露出しないので水は入り難いとは思う。

 

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フロントにはスキッドプレートが。見た目だけの樹脂製かと思ったらガチの鋼板製だった。前後の牽引フックもゴツめの物がメインフレーム両側にガッチリ固定されてる。可愛らしい外見の割に意外に本格的。最低地上高は195mm。

 

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エンジンオイルの交換はスキッドプレートを外さないといけない。外すと足回りが良く見える。巷ではボロクソに言われているフロントのストラットサスだけど、それほど華奢な構造ではなく一般的な使い方では問題はない。

 

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フロントのストラットサスを後方から。駆動構造はパートタイム4駆で、センターデフを持たない構造(前輪と後輪の駆動は直結)。走破性が高くなる半面、グリップの良い路面だとコーナーリング時に前後輪の回転差を吸収出来ず、駆動部やタイヤに負担が掛かる。滑りやすい路面以外は4駆にしない方が良い。

 

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ジムニーと比べると確かに貧弱そうに見えるけど、ジムニーが異常なの。

 

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リヤは5リンクリジッドアクスル。前後輪共にデフロック、LSDの設定は無い。探せば社外品は有る。

 

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5リンクはこんな感じ。上下動を制限するリンクアームが左右に各2本、横方向の制限をするリンクが後部に1本。

 

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これもボロクソに言われているモノコックボディ。ただのモノコックではなく、ラダー状の補強を追加しているビルドインモノコックボディ。酷評されているけど、一般的なユーザーでラダーフレームが必須の人はほとんど居ないだろう。ビルドインラダーの中央付近にも更にブレース(補強の横渡しフレーム)が入っている。所々薄っすら錆が浮いているのでこの後錆止めで塗装しておいた。

 

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ルーフに段が有る。デザインなのか?と思ったら

 

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室内天井の内貼りにも段が有る。ロールバー形状に補強が入っているのか?

 

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インパネ周りは古さを感じさせるものの、シンプルで視認性は良く必要にして充分な機能。スイッチ類のデザインは素っ気ないものの、操作感はかなり良い。空調の調整ダイヤルも操作しやすい。水温計が有るのが好印象。オフロード走行する場合、極低速でエンジンを回したりするのでオーバーヒートしないのか心配だったんだけど、ちゃんと水温計ついてた。マイナーチェンジ後はインパネ周りはもっとモダン化しているけど、クロカン四駆ならこれ位素っ気なくても良いと思う。

ペダルレイアウトが若干右にオフセットしている感じがしたけど、他のレビューではその辺りは触れられていないので気のせいかもしれない。慣れの範疇か。クラッチペダルは軽く、ストロークは深め、でもミートは浅め。狭い軽自動車だけどクラッチペダルの左にちゃんとフットレストが有る。

シートは軽自動車にしてはやや大柄で成人男性の僕が乗っても窮屈さは無いし、座り心地も良く意外にしっかりしてる。クロカン四駆だけあって助手席側にグラブバーが装備されている。けど、助手席側にエアバッグが無い。オプションなのか?

 

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5MTのシフトレバーと、四駆切替のトランスファー操作レバー。シフトフィールはグニャグニャはしていないけどゴリッと入り難い時が有るのと、ストロークが長いので素早い変速はしにくい。本格的な四駆のMTだからこんなものだろうけど、ワインディングで気持ち良くコクコク変速出来る様な物じゃない。減速比は1速がかなり低くて完全なオフロード以外では使えない。街乗りでは2速発進で丁度良く、実情は4MT。

 

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僕がドライビングポジションを決めた時のリヤシートの状態。かろうじて座れるか? 後部座席にも何気にドリンクホルダーが装備されている。リヤサイドにスピーカーが有るけど、ちゃんと付いていて音が出た。

 

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リヤシート全景。一応多少はリクライニングするし、短時間なら大人でも我慢出来るレベルか。左右分割シートなので、片側だけ倒す事も可能。

 

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リヤハッチは横開き。跳ね上げ式ではないので雨天時に屋根替わりには出来ないけど、ダンパーがヘタってドアハッチが落ちてくる心配は無い。スペアタイヤがリヤハッチに付いているので重量的に横開きにせざるを得ないんだろう。

リヤシートに人が座れる程度リクライニングさせると、ラゲッジはこの程度。4人乗っても多少なら荷物は積める。ボンネット形状の軽自動車にしては頑張っていると言えるかも。ラゲッジのフロア下に若干の小物入れスペースが有り、更にその下にジャッキが収まっている。車高が高いので、ジャッキはパンタジャッキにかさ上げした独特の物。

 

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 リヤシートを倒すとフラットなラゲッジになる。助手席も倒せは、1人なら車中泊も出来そう。このモデルはリヤシートのヘッドレストが可倒式になっていて、ヘッドレストを取り外さなくてもフラットに出来る。結構機能的。

 

 

 

【1stインプレッション】

パジェロミニがどんな車なのか、どんなドライブフィールなのか気になる人なら、これらの記事は目を通しているかもしれない。

221616.com

autoc-one.jp

www.webcg.net

どの記事もでも、おおむねパジェロミニはオフロード性能ではジムニーに今一歩だけど、オンロード性能は良い、という評価だ。そんなパジェロミニに対する僕の評価は、

 

 

 

 

 

 

「なんじゃコレ!? トラックかよ!?」

 

 

だ。理由は下記の3点。

 

1)加速が悪い

車体が重い。エンジンパワーが無い。減速比が低速寄りで速度が伸びない。まぁ、クロカン四駆で、しかも軽自動車なんだから仕方が無いよね。そういう事を充分理解して割り切れれば良いけど、普通乗用車の様に市街地や高速道路を快適に走れると思ったら大間違いだ。ターボエンジンと4速ATなら多少は快適になるかもしれないけど、車体の構造が変わる訳では無いのでどうしたって一般的な乗用車とは違うと思う。どういう評価基準なら街乗りも快適などと言えるのか。

2)うるさい

本格的な四駆構造、オフロードも走れるタイヤ、市街地走行でも回さないと走らないエンジン等、メカノイズやロードノイズは著しい。市街地でもラジオ聞こえんがな。頑張って走ってる感はハンパ無い。

3)乗り心地が悪い

サスペンションは硬くないしストロークも有るので乗り心地が悪い、というのとは少し違うけど、ちょっとしたギャップでよく跳ねる。バネ下荷重が重い車特有のフィール。これも本格的な四駆だから、と理解していれば良いけど、フィーリングはまんまトラック(貨物車両)だ。

 

おかしいな?僕の評価が渋過ぎるのか?と思ったんだけど、今まで乗ってたのが三菱アイで、これも随分と古く今時の軽自動車と比べても見劣りする走行性能のはず。そのアイと比べても「トラックかよ!」って突っ込みたくなるほどの走行フィールで笑ってしまう。

舗装路での走行フィールは酷いものだけど、だからダメな車だとは思っていない。むしろ面白い。そういう事を目的とした車では無いからだ。乗り込んで走り出した瞬間に、これは軽自動車のレベルではないとハッキリ分かる程の剛性感と重厚さで、道具感が凄い。快適で便利な車ばかりが売れる世の中で、これだけ(街乗りでは)使えない車を作って売っていたのは凄い事だと思う。パジェロミニは所詮ジムニーの二番煎じかもしれない。でもお茶を濁す訳ではなく本当にパジェロを標榜して作ってたんだ。常々、今の技術で三菱ジープを作ってくれれば良いのに、と思っていた。パジェロミニは、三菱の新しいジープじゃないかと思った。そう言うとジープとは構造が違うとか色々意見が有りそうだけど、オフロードでの機能を重視し、最低限の快適性を確保した車両を今作ったらこうなりました、という物なんじゃないか。本家パジェロでは大き過ぎるし豪華過ぎる。ジープならパジェロJrか、パジェロミニだろう。

僕は軽トラックとかダブルキャブトラックが欲しいなどと思っている変な人だからパジェロミニの走行フィールも笑って面白いと言えるんだけど、オフロードや雪道はほとんど走らないという人には不向きな車だと思う。だけど、街中でもパジェロミニは良く見掛けるし、室内の広さと快適性、利便性を追求した車ばかりがもてはやされる昨今、こんな不便で不快な車でも良いと思っているユーザーがそこそこ居るのはちょっと嬉しい。

※追記

上記サイトのインプレッションは全てマイナーチェンジ後のモデル(2008年以降の2代目後期型)だった。マイナーチェンジの際に減速比が変更されており、より高速寄りに変更されている様。その為、マイナーチェンジ前後では評価が異なると思う。

 

ジムニーとの比較】

何かにつけジムニーと比較されるパジェロミニ。それに対する個人的な見解。

〇メリット
・車両価格が安い
パジェロミニはすでに販売終了しているので手に入れるなら中古になる。同じ程度の中古車で比べた場合、ジムニーの2/3~半分程度の金額になる。

・NAエンジンが選べる
ジムニーは全てターボエンジンになる。対してパジェロミニにはターボエンジンとNAエンジン(ターボ無し)がラインナップされていた。ネット上ではターボエンジンを推奨されているけれど、あえてNAエンジンを選択するという手もある。
NAエンジンのメリットとして、ターボに比べて若干燃費が良いという点が有るけれど、燃費は走行状況や運転の仕方で変わるので大きなメリットにはならない。一番のメリットは、ターボに関する故障が無いという点。最近のターボは故障しにくくなったものの、距離を走っていたりエンジンオイルの管理が悪かったりすると割と故障する。クロカン4駆は高い信頼性を保つ為、機関部分は極力シンプルな方が良い。また、ターボエンジンは人気が有る為、NAエンジンは値引き交渉の材料に使える。その代わり、当然ターボエンジンに比べてパワーが無い。NAエンジン車は一部でボロクソ言われているけど、踏めばそれなりに走る。三菱アイのNAエンジンもそうだったけど、この頃のエンジンは回転数を上げてパワーを出す性格の物なのでしっかりアクセルを踏んできっちり回さないと走らない。「全然パワーが無いクソ」ではなく、パワーが出る所まで回してないだけ。ただ、トルクが無いので高回転までしっかり回さないと変速の度に失速する。なのでNAエンジンはATとの相性が非常に悪いし、オフロード向きなエンジンとも思えない。

〇デメリット
・改造パーツが無い
ジムニーはアフターマーケットのパーツが豊富に有る。オフロードでの走破性を上げるのも、舗装路での快適性を上げるのも、格好よくドレスアップするのも、思いのままだ。なので、標準状態からカスタマイズしたいならジムニーの方が良い。カスタマイズするつもりがなくノーマル状態で乗り続けるなら、どちらでも良い。

・歴史が無い

ジムニーはモデル周期も長く、継続して生産販売してきている。そのノウハウは歴史と言っても良く、新たしいモデルに引き継がれている。パジェロは残念ながらパジェロミニ以外も全て途絶えてしまった。

 

ジムニーと比べてオフロードでの走破性が低い、という事がデメリットの様に言われているけど、必ずしもそうではない。と言うのも、両車のオフロード走行性能は、オフロードコースとか廃道の更に奥に突っ込むとか、もはや「道ではない」所にならないと差は出ないからだ。そういう所を想定している人は最初からジムニー一択なので迷わない。それ以外の場合(除雪してある積雪路とか一般的な未舗装林道レベルを想定している)なら、どっちでも良い。走行不能になる程の超過酷な状況はドライバーが故意に行かなければ遭遇しないので、そんな状況を望まなければ避けられるからだ。舗装路での走行フィールも、パジェロミニだから特別良いとも思えない。
ジムニーラダーフレームを採用しているとか前後リジッドアクスルを採用しているとか、そういう車体の構造的な点がメリットであるかの様に言われているけれど、それらは先の通り「道ではない」様な状況になって初めて効果が発揮される。必要としないけど構造として魅力的だと思うのは良いかもしれないけど、超過酷なオフロードでのメリットは一般的な道路を走行するにはデメリットになる、という事は留意しておくべき。ちなみにラダーフレームのメリットについては下記サイトが参考になる。記事の内容ではなく、コメントの内容の方が(笑)。つまり、スタックした時に引っ張ったり、引っ張られたり、転がってボディを潰してしまったり、屋根と後部座席をちょん切ったりしない人にはあまり意味が無い。

barbarossa.red

 もう1つ、最近のモノコックボディの剛性について。下記記事の末端付近の画像を見ると、最近の軽自動車のモノコックボディがいかに高剛性か分かる。ビルドインモノコックでもなく、ワゴンRがベースの格好だけのオフロードと揶揄されるボディなのに。なるべく新しいシャシーとエンジンの方が良いというのは、こういう事だ。

www.4x4magazine.co.jp

つまり、オンロードであれオフロードであれ「道」を走っている以上はジムニーの構造は過剰だ。ジムニーと比べて他の車種に対して過剰なバッシングをしている人は本格的にオフロード走行していない人で、本当にやっている人は実は意外にそんな事言わない様な気がする。

 

 

【シチュエーション毎のインプレ】

〇市街地走行

★★☆☆☆

メリット

コンパクトな車体で取り回しが楽。ドライバーの視点が高く視認性良好。四角いボディで車両端が把握しやすい。

デメリット

車体が重く加速が悪い。ギヤ比が低速向きでエンジン回転数が高めになる。うるさい。バタつく足回り。

インプレ

車体は小さく、見切りが良く、視点も高く、運転はしやすい。大人2人なら充分な広さ。短距離なら4人でもいけるか。

反面、一番苦手なのがゼロ発進(完全に停止した状態からの加速)。市街地走行では信号待ちや渋滞で頻繁に遭遇するシチュエーション。周囲の流れに乗って加速する場合でも4千回転辺りまで回す必要が有る。これは一般的な乗用軽自動車でもスタートダッシュに近いレベル。巡行状態でもエンジン回転数が高くなるのと四駆の駆動部が有るのでメカノイズがやたらうるさい。タイヤのロードノイズもうるさいけど、これは舗装路向けタイヤを使えば改善されると思う。バネ下荷重が重く、ギャップを通過する際にバタつく。最も快適と思える速度域が60km/h前後(5速3000rpm前後)というのは非常に平和的ではある。

ターボエンジンで4速ATなら煩雑な操作からある程度は解放されるかもしれないが、利便性を優先させるなら普通の乗用軽自動車の方が遥かに快適で便利で経済的だ。ただ、高剛性の車体と豪快な走行音は良く言えばワイルドとも言えなくもなく、洗練された都会の中であえて異質な物を扱うのも一興なのかもしれない。また、市街地の発進ですら高回転まで回せるのでMTを駆使している感は凄くて面白い。つまりはマニア向け。

 

〇ワインディング

★★☆☆☆

メリット

良く回るエンジン。良く効くブレーキ。

デメリット

車体が重く加速が悪い。エンジンパワー(トルク)が無く失速する。重心が高い。バタつく足回り。

インプレ

回せばそこそこ走るものの、トルクが細過ぎて急な上り坂が続くと失速する。車体に対してパワーが完全に負けている。5速MTだけど1速は低過ぎるので実質4速MTに等しく、また3速と4速が離れているので3速では吹け切ってしまうが4速では失速するシチュエーションが頻発する。具体的には、上り坂で加速するのに必要なトルクは4千回転以上回す必要が有って、4千回転だと3速で40km/h位、4速で65km/h位。40~60km/hの間で走りたいなら3速でブチ回すか4速で失速するかの縛りを受けてかなり難しい。ワインディングを快適に走りたいならターボエンジンにするべきだろう。

パワーが無いなら下りでは良いのか?と言えばそうでもなく、5速でもギヤ比が低いのでエンジンブレーキが強く掛かる為、速度を乗せてスムーズに走らせるにはやっぱり高回転まで回さなければいけない。6~7千回転までキッチリ回せる人ならそこそこ楽しめるけど、上りも下りも絶対的な速度は速くない。せめて3速と4速をもっとクロスさせてくれれば走りやすくなるけど、元々がワインディングを速く走る事を目的としたギヤ比ではないので仕方がない。

コーナーは意外に粘って簡単には破綻しないけど、バネ下荷重が重いのでギャップでの追従性が悪く跳ねるので限界は高くない。ABSもESC(横滑り防止装置)も無い。市街地同様パジェロミニのネックは車体の重さと加速の悪さで、加減速が激しいタイトコーナーが連続する場面や傾斜がキツいコーナーでは著しく失速してなかなか加速しない。また、MTのストロークが長くて素早いシフトチェンジがしにくいのも難点。車体とブレーキがしっかりしているので、急な登りが延々と続く様なシチュエーションでなければそこそこのペースで走る事は出来る。

車体の重さと舗装路向きではない足回りのお陰で限界性能も速度も低めで、客観的な評価はどうしたって低い。かといって面白くない訳では無い。速さを突き詰めなければほどほどには走れるし、ほどほどには面白い(MTなら)。どう足掻いても速く走れないので、そもそも速く走ろうと思えない、前走車を追い越す気にならない、後続の速い車には道を譲りたくなる、というのは平和的である意味利点かもしれない。

サンプル(MCC smartと同じ道

youtu.be

 

〇ダート

★★★★☆

メリット

コンパクトな車体。副変速機を持つ本格的な四駆構造。

デメリット

最低地上高195mmはクロカン四駆にしてはやや心許ない。タイヤ径が小さくオフロード寄りのタイヤの選択肢が狭い。デフロックやLSD等の走破性を高める機構が無く、改造用の社外品も乏しい。

インプレ

林道にしろ積雪路にしろオフロードコースにしろ、軽量でコンパクトなのは有利。軽自動車にしては重たい車体も普通車のクロカン四駆に比べれば物凄く軽いし、車体が小さい分ライン取りに自由が利き、転回もしやすい。前進するのもギリギリの所を、バックで戻るなんて事はデカい車ではやりたくない。2WD、4WD以外に低速4WDが使える副変速機が有るのと、1速とバックがかなり低速の減速比になっている。2駆の1速の時3000rpmで12km/h位。低速4駆の1速の時3000rpmで5km/h位。半クラッチを使わなくても這う様な極低速で走行出来るので荒れ地や雪道では扱いやすい。

反面、荒れた場所では最低地上高195mmでは少々心許ない。標準のタイヤサイズではクロカン四駆にしては小径で走破性は低め、タイヤ銘柄の選択肢もかなり限られる。LSDもデフロックも設定が無く、ダートでの走破性は高望み出来ない。高回転型のエンジンキラクターも、オフロードには不似合いだ。ただ、僕が進むのを躊躇う様な路面状況でも問題無く走れるので常識的な範囲で使う限りは困る事は無い。未舗装の林道程度なら4駆にしなくてもかなり走る。動画を見てもパジェロミニがスタックしているのは「道」ではない所くらいだ。

ただし積雪路等の極度に滑りやすい路面では見た目の印象程強くない。もちろんFFやFRに比べたら走破性も高く安定しているけど、LSDもデフロックも持たない駆動構造なので車高の高さを生かす前にスタックする。本当の悪路を走るなら、左足ブレーキが使えるATの方が向いているかもしれない。ノーマル状態なら電気的に駆動を制御してくれるスズキ・ハスラー等の軽SUV系の方が有利に思える。

サンプル(ハンターカブと同じ林道

youtu.be

 

〇高速道路

★★☆☆☆

メリット

無し

デメリット

車体が重く加速が悪い。ギヤ比が低速向きでエンジン回転数が高めになる。うるさい。バタつく足回り。

インプレ

5速で100km/h時にエンジン回転数は5400rpm位。6000rpmで110km/h強。レッドゾーンが7000rpmからなので、普通に高速道路を走るだけでほぼ吹け切ってしまう。直進安定性は高くなく、足回りも舗装路を高速で走る様には出来ていないのでコーナーでギャップに乗るとボヨヨーンと飛んで行く。

ただ、SOHCの4気筒エンジンは官能的とは言えないけど高回転でも比較的スムーズに回る。特に5千回転付近は滑らかゾーンで振動や音が少なく威圧感は少な目で走りやすい。が、5千回転だと90km/h位の速度になるので、一定速のトラックと比べると速く、かといって追い越しには速度を上げねばならず、5千回転をキープするのはかなり難しい。今時軽自動車でもここまで高回転を維持する様な走り方はまずしないので、ある意味非常に珍しい体験が出来る。市街地やワインディングの様に急激な加減速が無い分、速く走ろうと思わなければ意外に走りやすい。安い軽自動車にしてはシートの出来も悪くないので、数百km位なら充分走れる印象。80~90km/h位で淡々と走ると楽だけど、100~110km/h位の微妙な速度になると追い越さないといけない車が出てくるので走りにくくなる。

パジェロミニに限らず、パワーの無い車で高速道路を走るのは難しい。スムーズに走るには先を読んで運転しなければならず、また周囲の(運転がヘタな)車にペースを阻害されるので苦労するからだ。上級者向きと言える。快適に走れるか、他の車と比較してどうかというと評価はせいぜい★2つ程度だけど、速く走ろうと思わなければそれほど苦にならない。オービスやパトカーに怯える必要が無いのは利点かもしれない。

サンプル

youtu.be

 

【感想】

パジェロミニ一押しで積極的に選んだ訳では無く消去法で残ったから購入したので期待値は低めだった。いくらMTでもクソ重たい車体では運転が楽しいとはとても思えないからだ。だけど、実際に運転してみて「コレは良い。むしろコレが良い。」と思った。

というのも、一般的なクロカン四駆はどれもデカ過ぎて重過ぎるからだ。以前ダットサントラックのダブルキャブに乗っていた事があるけれど、5ナンバーサイズ(トラックなので実際は4ナンバー)でも大きくて重く、鈍重なフィールだった。砂漠や荒野、密林のジャングルとかならともかく、日本の市街地で乗ると凄くムダな事をしている気がする。だから僕は、クロカン四駆なら三菱ジープ位がベストだと思っていたけれど、流石に古過ぎるし屋根もエアコンも無い車を足に使う程の筋金入りのマニアでもない。

そんな所にパジェロミニ。軽自動車のくせに車体や機関部は手を抜いていないし、「こんな物は要らないのに」という過剰な装備が何も無い。正にクロカン四駆ならコレだろうと思った。マーチ(AK12)やMCC SmartKと比べるとワインディングでの楽しさは劣るけど、パジェロミニの場合はどんなシチュエーションでも楽しい。運転と言うよりは操縦と言った方が良くて機械を操っている感はすさまじく、運転しているだけで楽しいし遅くても楽しい。「軽自動車だけど・・・」ではなく「軽自動車だからこそ」だ。これなら少々割高でもジムニーを買っても満足出来たかもしれないと思うものの、ジムニーの中古車は非常に割高なので、コスパ的にはやっぱりパジェロミニだと思う。

 

 

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singlesmile.hatenadiary.jp