気温が低くなると始動性が著しく悪くなる。点火系の不調を疑って色々やってみたけど解決しない。時間に余裕が出来たので、重い腰を上げてオーバーホールする。
今までの経緯、XR600R関連の記事はこちら
シート、タンク、エキパイ、キャブとインシュレータ、オイル配管、ブリーザーホース、エンジンハンガー(ヘッドカバー部)を外す。
この辺りは通常のメンテナンスで何度もやっているのですぐバラせる。
ヘッドカバーはエンジンを降ろさなくても外せるけど、フレームとのクリアランスが狭いのでちょっと外しにくい。ヘッドカバーを留めているM8のボルトも外しにくい。2重になったRFVCのロッカーアームが面白い。
カムシャフトを外す。カムスプロケットの固定ボルトを外してカムスプロケットを抜き、カムチェーンテンショナを緩めながらカムチェーンを外す。
画像のカムシャフト右端付近にある構造物がオートデコンプ機構。始動性が悪いのはオートデコンプの影響も疑わしいので機能を殺してしまいたい。
カム山は傷んでなさそう。カムシャフトとベアリングの嵌め合いが甘くて手で抜ける。こんなものなのか?ついでにベアリングも替えておきたいけど、傷んでなさそうなのと予算の都合上このまま使う。
シリンダーとピストンヘッド。意外に綺麗。ここまでバラしたらピストンリングも交換したいけど、予算の都合上分解はここまでにする。
シリンダーヘッド(燃焼室)。そんなにカーボン溜まってない。
圧縮漏れチェックの為に燃焼室に液体を溜める。掃除のついでにパーツクリーナーを溜めてみる。
左排気側から漏れる。吸気側と右排気は漏れない。それ程致命的な感じでもないけど、掃除してバルブの摺り合わせをする。
バルブの摺り合わせと、バルブステムシールを交換する為にバルブを分解する。以前作ったハメバスコン・EVOを使う。自家製の割に意外に使いやすい。
吸気側。汚れているけど致命的なレベルじゃない。
排気側。こちらも致命的な損傷はない。
バルブスプリングの使用限界値
内側:34.1mm 外側:35.0mm
測定値
排気左 内側:38.0 外側:37.6
排気右 内側:38.2 外側:37.7
吸気左 内側:37.9 外側:37.6
吸気右 内側:37.8 外側:37.7
バルブステム使用限界値
吸気側:6.56mm 排気側:6.55
測定値
排気左:6.574 排気右:6.583
吸気左:6.576 吸気右:6.574
いずれも使用限界値には達していないので、掃除してそのまま使う。
順調の様でそうでもない。ヘッドカバーを留めているM6のボルトが緩まなくて折れた。
赤丸の個所の4本が折れた。内画像左端の1本はシリンダーヘッドを貫通してシリンダーブロックにネジ穴が有る。ヘッドカバーだから強い力は掛からないものの、さすがに4本も折れたら放っておけない。2本は折れたネジ部が突出しているのでペンチで掴んで回してみたけど、全く緩む気配が無い。
作業に必要なシール類は届いているんだけど、折損したボルトの除去作業と新しいボルトの手配が必要なので、とりあえずここまで。
つづく↓