シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

ハンガー・ゲーム  スーザン・コリンズ

 

 

 

 

首都キャピトルが12の地区を支配する国、パネム。毎年、12の地区からは少年少女が1人ずつ「贄」として選出され、最後の1人になるまで殺し合う「ハンガー・ゲーム」が行われる。反乱を抑えるための「見せしめ」だ。16歳のカットニスは、不運にも選ばれてしまった最愛の妹のために、出場を志願する。そして、命を賭けた究極のサバイバル・ゲームが幕を開ける。

第74回「ハンガー・ゲーム」が始まった。ゲームは逐一、全パネムにテレビ放映される。2日後、カットニスは奇跡的に生き延びていた。そして、突然のルール変更が行われる「同地区の贄がふたりとも生き残った場合、両者とも勝者とする」。カットニスは必死でピータを探す。最終決戦のときは、刻々と近づいていた。果たして勝者は。

★★★☆☆

 

レビュー

数年前に映画化されて面白そうだなと思っていたんだけど、不意に思い出して読んでみたくなった。丁度kindleだと2~300円と安価になってたので、kindleで読んだ。

内容は、弓の扱いが上手い辺境の地の女の子がデスゲームをする、というものだけど、もうあらすじ読んだ時点で結末分かっちゃってるんだよね。そりゃそうなるよな、と。それで、結末が分かった上でどう展開させていくのか興味深かったんだけど、特別どうもならない。確かに今後の展開はどうなるんだろう?と気になって読み進めはしたけど、どれも都合が良過ぎるというか予想を裏切らないというか、予め決められた結末に向けて順序良く進めているというか、ドラゴンクエストの様な万人向けのRPGをやらされている様な印象。

例えば、弓の扱いが上手い女の子だから当然弓を武器に戦うのは目に見えているし、特別秀でた能力が無い同郷の男の子が序盤で倒されないのは何故か?とか、戦いたくないライバルは自らが手を下さなくても良いとか(戦いたくないけど戦わざるを得ないという様な葛藤が無い)。それに、いくら弓が上手くてもそんなに簡単に野生の動物を仕留める事は出来ないと思うんだけど。

勧善懲悪っぽくて、エンターテイメントとしては面白いのかもしれない。ただ、不利な立場なのだから機転を利かせて頭脳戦に持ち込むとか、もう少し驚く様な裏をかいても良かったんじゃないかと思う。本作は3部作の内の1作目なのでこの後も2作続くんだけど、残り2作もこんな調子なのかと思うとちょっと買ってまで読むのはどうかと思ってる。