シングル スマイル

目指すのはジャンガリアンな生き様

200万円の車は終の車を超えられるか

 

 

 

 

先日奥さんから、僕が乗っている車を変えたらどうか、予算は200万円位で、と提案された。

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ところが予算200万円なんていまだかつて考えた事も無かったので散々悩んだ。というのが前回の話。

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本当にめちゃくちゃ悩んで、こんなに悩むくらいならもう今までの軽トラで良いだろう。本当に欲しかったら悩まないだろう。そう区切りをつけたつもりだったんだけど、週末になると奥さんが「何か気になる車は無いか?」とご丁寧に尋ねてくるものだから、「気になる車は有るには有るけど」と答えると、近くならとりあえず見てみよう、それで思ったよりもイマイチだと思うかもしれないし、思ったよりも良いかもしれないし、と言うので週末毎に暇があればあちこち覗きに行っていた。どうせ暇だし。そんな実際に見に行った車と販売店。まぁ実際に見たらそりゃ欲しくなるよ。

 

 

 

1)マツダ AZオフロード 2014年式 乗出し89.9万円

ほぼほぼ僕が一人で通勤に乗る車なので、経済性を考えると軽自動車の方がベターだろう。ホンダS660、ホンダN-ONE-RS、スズキ ハスラーと悩んだ末に、ジムニー(JB23)なら良いんじゃないか。以前乗っていたパジェロミニは良い車だった。ジムニーも同じくシンプルで堅牢な造りなので長く乗るには向いている。と思い契約寸前まで行ったんだけど、お世話になっている行きつけの車屋さん曰く、持病のジャダー(ハンドルのブレ)が酷い、舗装路長距離向きじゃない、10万km辺りで必ずターボが壊れる、モノによってはヘッドガスケットが抜けて大掛かりな修理が必要になるなどあってお勧めしないとの事。冷静になって考えてみると、室内狭くてほぼ二人乗り、燃費悪い、舗装路高速走行向きじゃない、タイヤ高い、でも四駆、って今の軽トラとほとんど同じでメリットが何もない。逆に軽トラの便利な荷台を手放す事になる。ジムニーが欲しいのではなく、単に新しい車に乗りたいだけなのかもしれない。

販売していたのは

岐阜トラックステーション

〒509-0146 岐阜県各務原市鵜沼三ツ池町3丁目381番地

年配のおじさんの営業マン。母体はトラックや重機の整備をしている様で、その傍ら乗用車の中古車も扱っている。営業のおじさんは営業というよりサービスっぽい実直そうな人で、試乗の対応などかなり丁寧に対応してくれたりした。軽妙な営業トークという感じではないのが逆に好感が持てた。車両の程度も良かったので、ジムニーに決めたならここで買っていたと思う。

 

 

2)フィアット500 マヌアーレ ピウ チエロ 2020年式 乗出し181.5万円

フィアット500のMT車が気になっていたんだけど、数が少ない。高年式でMTとなると近くではこのマヌアーレ位しか無いのだけれど、これ限定車らしくて非常に高い。ちなみにマヌアーレ ピウ チエロとは「マニュアルと空」という意味らしく、この限定車はMTのみでAT車の設定が無い。AT全盛の日本で、限定車とはいえアバルトでもない普通の500でMTのみというのはなかなか思い切った事をする。

年式は2020年とかなり新しいものの7万km走った車両で、でも180万円する。僕はシンプルな白色が希望なのに対しマットなグリーンだし、コレは無いなと思いつつもMTの500がどんな物か見てみたいと思って覗いてみた。が、実物を見るとこれが凄く良い。落ち着いたカラーに開放的なガラスルーフ、程度はめちゃくちゃ良くてエンジンルームまでピカピカの新古車並み。コレめっちゃオシャレやん、コレが似合うおっさんってめっちゃ素敵じゃない。これ乗っているだけでイケオジ3割増しくらいになるんじゃないか。想像しただけでテンション上がる。懸念だったインパネシフトもシートポジションを合わせて触ってみるとさほど違和感ない。

1つだけ懸念だったのは、搭載されるツインエアエンジン。875ccの2気筒ターボエンジンで、世間では凄く高評価だし実際に乗っている人も面白いと言うんだけど、アクセルを踏むとブロローン・・という様な非常に鈍いレスポンス。2気筒だからという訳ではなく、街乗りで扱いやすい様に意図的にダルにしているんだろう。レスポンスが俊敏過ぎるとアクセルを緩めただけでガックンガックンしてしまうのでそれはそれで理解は出来るけど、イタ車といえば非力な小排気量エンジンをブチ回して軽快に走る、というイメージだったので、このエンジンはどうなのか。XR600Rの様な弾けるレスポンスならめちゃくちゃ面白そうなのに。これなら1200ccの4気筒エンジンの方が非力だけど高回転まで回せて面白いんじゃないのか。と思ったんだけど、多分そういう人はアバルトにしろ、という事なんだろう。カリカリ走りたい人はアバルトで、ゆったり走りたい人は500で、という住み分けが出来るのはフィアットの強みだ。あと、めちゃくちゃユーザーが多いし、専門ショップも多いので、もしかしたらツインエアエンジンを俊敏に出来るモディファイも有るのかもしれない。沢山売れている車なので、多少トラブルが有ったとしても維持はしやすそう。しかしマヌアーレ ピウ チエロの実車を見てしまうと、もう普通の500では物足りなくなってしまう。

販売していたのは

国枝自動車工業

〒500-8153 岐阜県岐阜市石長町3丁目5

全くその気ではなかったのでいきなりアポ無しで行ったにも関わらず丁寧に対応してくれた。対応してくれたのは多分営業ではなくサービスのお兄さんだと思うんだけど、愛想が良くて正直で面白かった。フィアット500だけでなくスマートやルノーシトロエンジャガーなども展示してあったんだけど、「やっぱ壊れます」とか「あれは相変わらずダメです」とか「イプシロンは3台納車したけど故障が酷くて取り扱いやめた」とか、営業トークというより本音トークっぽくて面白かった。この店なら買っても良いかもと思った。

 

 

3)ルノー トゥインゴS 2021年式 乗出し193.8万円

フィアット500のマヌアーレがめちゃくちゃツボだったんだけど、いや待て。トゥインゴも実際に見てから判断した方が良いだろう。と思ったんだけど、トゥインゴのMTが近くで売っていない。やむなく高速を使って三河方面まで足を伸ばす。まず1台目、ガンメタリックのトゥインゴ。実車を見ると、なにこれめっちゃカッコカワイイじゃん。程度も良くて新古車の様。可愛らしい外観だけど、ガンメタのカラーはちょっと精悍に見えて男性が乗るには向いている。ただ、めっちゃ高い。車検切れだったので敷地内を少しだけ試乗させてもらったけど、トルクが無くて普通。運転はしやすいし、こんなに小さいのにバックモニターついてる。

販売していたのは

グッドスピード MEGA輸入車SUV 岡崎昭和町

愛知県岡崎市昭和町下川田4-3

大手中古車販売チェーン店は良い印象が全く無く、〇〇バーとか〇〇〇〇ージとか過去に酷い営業対応だったのであまり行きたくなかったんだけど、なんせ車両が少ないのでとりあえずアポ取ってみた。思いのほかゴリ押ししたり、「今契約してくれるなら・・」などと無駄に引っ張ったりする事もなくて意外に悪くなかった。あと、この店舗めちゃくちゃ在庫が豊富で、トゥインゴは他に白と黄色(共にAT)、フィアット500が3台位にマヌアーレ ピウ チエロのキャンバストップ、プジョー208が3台位と、在庫の車両を見ているだけでテンションが上がる。在庫車両は立体駐車場に保管されているので、酷暑とか雨天でも見やすい。ただ、これだけ大規模な設備と多くの従業員で運営していくとなると、相応の利益を出さないとやっていけないだろう。なので他と比較的すると割高になるんじゃないかと思うものの、なんせトゥインゴのMTが少なくて選びようがない。

 

 

4)ルノー トゥインゴS 2020年式 乗出し181.4万円

もう1台、豊川のルノーのディーラー車。2020年式で走行距離1.8万kmとほぼ新古車並み。程度は極上でピカピカで新車かと思うレベル。それでも前のガンメタ・トゥインゴと比べると10万円ほど安くなるんだけど、赤色がネック。赤色が嫌いなのではなく、赤色の塗装は劣化が早いから長期間保有するとなると塗装の状態が酷くなりそう。特にうちはカーポートもない完全な青空駐車なので塗装の劣化は避けられない。ならばガンメタの方が良さそう。色が赤じゃなければ良い車両なんだけど。

販売していたのは

ユーロ フランス ユーズドカー

愛知県豊川市牛久保町高原31-1

ルノーのディーラーの中古車販売部門の様で、本社(ディーラー)とは数km離れた場所にある。店長兼営業が一人、サービスのお兄さんが一人という非常にこじんまりとした体制だけど、在庫はマニアックな欧州車がゴロゴロしていて面白い。ルノーの他にフィアットシトロエン、VWなども扱う様で、仕入れは店長の好みらしい。ルノーのディーラーなので当然ルノー車に関してはノウハウが有るので、狭いこじんまりとした店舗だけど購入するには安心感がある。

 

 

5)ルノー トゥインゴ ゼン 2018年式 乗出し145.3万円

これも同じくユーロ フランス ユーズドカーの展示車両。トゥインゴのMT車の在庫が2台も有るなんてなかなかマニアックだ。で、今まで見てきた車両と比べるとかなり安い。安いなりか、と思いきや、めちゃくちゃ綺麗。2018年式なのに新古車並みで内外共に凄い綺麗なコンディション。この年式でこの程度は恐らくガレージ保管だろう。

ただ、安いのは理由があって、前に見た車両はマイナーチェンジ後のモデルだけど、コレはマイナーチェンジ前の廉価モデルになる。ディスプレイオーディオやバックモニターなどの装備はなく、エアコンもマニュアル、ホイールは鉄、要は最も廉価なモデルで新車価格は171万円だったはず。だから破格値というよりは元々安い車だったので単純な比較は出来ない。

ただ、それを差し引いても良い車両だと思う。足りない装備は僕には特に必須のものではないし、車としての基本的な構造は変わらない。マイナーチェンジによって信頼性が向上したという事も無いらしい。また、この車両は顧客の買い替えの下取り車両らしく、前オーナーの使い方や整備の経歴も明確なのは中古車としてかなりポイントが高い。

 

 

という訳で、前向きに購入を検討しているという事で試乗させてもらった。実際にトゥインゴを運転してみると、

 

おおぉ!?

 

コレは!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

後輪駆動のマーチじゃね?

 

 

至って普通なんだけど。998ccのNAエンジンは当然ながら低速トルクが細く、かといって胸のすくような高回転という訳でもなく、官能的とは言い難い極普通の実用的エンジン。なるほど、これならまだフィアット500のツインエアエンジンの方が個性的で面白いというのも分かる。RR(後ろにエンジンが有って後輪を駆動する)といっても街中を流して走る程度では後ろから押される様な感覚は無く、フロントが特に軽快というのも感じ取れない。試乗が直線道路だけだったのでハンドリング云々は分からない。

全体的にしっかり感があって、サスペンションは引き締まっていてゴツゴツした感じがするのと、街中を流す程度では3速しか使わない。ギヤがめっちゃワイドで5速なんていつ使うんだ?メーターのフルスケールは200km/hだけど本当に200km/h出せるのか?とか欧州車の片鱗が垣間見える。まぁスポーツカーではなくボトムレンジの足車なんだからトリッキーで癖強なセッティングにするよりは普通で扱いやすい様にするのも当然だろう。RRなので小さなポルシェとか言われているけど、過度な期待はしない方が良い。これは僕は普段軽トラに乗っているから余計に感じるのかもしれない。軽トラも軽いFRなのでの運転は意外に面白い。

じゃあダメダメな車なのか?といえばそうでもない。がっしりとした軽量な車体に引き締まったサスの簡素な車をMTで走らせる、というのは国産車ではもう軽自動車ですら不可能だ。フィアット500は明確なキャラクターだけど、トゥインゴも地味ながら良い車だと思う。この価格とこの程度なら買っても良いんじゃないかと思った。

 

 

 

 

そんな訳でトゥインゴのMC前モデル白色を契約した。購入に関して後悔はしていないけど今でも葛藤が無い訳ではない。

白のトゥインゴ安い!と思ったけど、それは今まで見てきた車が高かっただけで145万円の中古のコンパクトカーは決して安くはない。僕しか乗らないのに、うちのメインカー(フォード・フィエスタ)よりも高い。とは言うものの中途半端に安い車、しかも外車となるとかなり危なっかしいので、買うなら多少高くても信頼出来る車両を選んだ方が結果的には良いとは思う。

僕しか乗らない、ほとんどが通勤、なんせ通勤だけで月に2000kmほど、年間で24000kmほど走るので、それならダイハツ・ミライースとかスズキ・アルトなどを選ぶのが最も経済的だ。それではあまりにも面白みがない、というのであればホンダN-ONE RSが最有力だった。N-ONE RSの中古車はとても高くて、新古車が211万円で売っていたので新古車買った方がマシなんじゃないかと思う。ちょっと予算オーバーになるけど、軽自動車の経済性と信頼性、燃費の良さで5年も乗ればペイ出来るんじゃないか。今の軽自動車は車体もしっかりしているし、軽ターボはトゥインゴより速い。しかも6速MTだし。

それでもトゥインゴを選んだのは、毎日90km、3時間ほど運転するからだ。時間調整まで含めると毎日4時間くらい車内で過ごす事になる。一日4時間というのはかなりのウェイトだ。それならなるべく気に入った車で過ごした方がQOLが高い。

車単体で考えたらフィアット500のマヌアーレ ピウ チエロが一番ツボだった。車体もエンジンも個性が際立っているし、ガラスルーフは夏暑いといってもカバーくらい自作出来るだろう。実車を見てあんなにビビビと来た車はここ最近無いかもしれない。もしアレが3万km程度、せめて5万km未満だったなら買っていたかもしれないけど、その走行距離ならもっと高額になっていただろうから手が出なかっただろう。通勤とドライブで年間1万km程度の使い方ならあの車両でも良かった。だけど、年間24000kmの走行だと、乗出し時点で7万kmというのは大きなハンデになる。

エンジン単体ならフォードKaがめちゃくちゃ面白かった。骨董品レベルのKENTエンジンは今時あり得ないOHVエンジンで、まるでディーゼルの様にガラガラいう。60馬力という今時の軽自動車にも劣る出力だけど、低速トルクが非常に太くて街乗りには最適なエンジンだったしワインディングも軽快に走る。車の楽しさは馬力ではないというのが良く分かった。あんなエンジンにはもう二度と乗れないだろう。面白いけどあまりに古い車両とディーラーが撤退したフォード車なので、趣味車ではなく通勤車両として長期間維持し続けるのは相当難しい。

僕しか乗らない車にこの金額を掛けるのは非常にコスパが悪い。ただ、年間24000km走り、定年まで5年で12万km、その後雇用延長で5年働くとしたら転職しない限りは今後最低でも24万km走る事になる。改めて考えるともの凄い距離だし、車内で過ごす時間は途方もないし、それならとことん使い倒せるしもう車もMTも充分じゃないかと思った。まぁ今のエコカーと比較するとガソリン代だけで数十万円の差額になりそうだけど、その分運転は楽しいし、その金額をどう受け止めるかは僕次第だろう。